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便所虫の歌 · 第2部

便所虫の歌 第2部 (2/5)
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バカね、マリカ。またこんなことをして。いったい、どこまで体を痛めつければ気が済むの?

どこかでわたしがそんな声をかけます。

マリカはわたしを無視します。

寝袋の中で横になります。週末用のバッグがあって、着替えや薬などは持って来ていますけど、身分証明は持っていません。持っているのは、マリカ専用のスマホだけです。これも、掲示板で知り合ったある人が代理になってくれて、わたしの名義ではないものを借りています。

妙なメールや変な電話がいっぱい来ますので、基本、まったく応答はしません。わたしは掲示板に入って、匿名のメッセージのやり取りができればいいので、そういうアプリで対応しています。

これだって、いざとなれば、わたしに辿り着くんでしょうけど、おそらくそれは死んだあとのこと。

仮眠をします。板の間に寝袋だけです。冷房はあまり効いていません。外国人らしい客がなにか叫んでいます。それでも、ハードな責めを受けてクタクタなので、四時間か五時間ぐらいはぐっすりと寝ています。その間に、わたしはさきほどまでの記憶はきれいになくなっていて、週末のマリカとして目を覚ますのです。

フォークとナイフ

土曜日の早朝。体の痛みでよく眠れませんでした。

街に出て、ファストフードの店に入り、マリカ用の小銭しか入っていないサイフで、コーヒーやポテトなどを頼みます。お尻が痛いので、座ることはできないと思うから、そのまま外に出ます。

公園に行き、ぶらぶらし、コーヒーで痛み止めなどマリカ用の薬を飲みます。

少しスッキリします。不思議なのは、わたしが仕事でパソコンなどを見るときは目がかすみがちなのに、マリカでいると視力もよくなっているのです。

リクエストが来ているかどうか、チェックします。

彼らが掲示板に昨日の写真と感想をアップしてくれています。誉めてくれています。コメントが数件、続いています。剣山を打ち込まれたお尻がうずきます。

悦ばれているようで、少しうれしいです。

たぶん、わたし、微笑んでいると思います。ちょっとこわばっているかもしれませんけど。ステキな恋人からやさしいメールを受け取ったかのように見えるかもしれません。

恥ずかしい自分の写真。あんなに大きなスティックだったんだ、と改めて驚いたり。思ったほど剣山では出血していないことがわかったり。

だけどこの痛み……。

メッセージには、掲示板の感想や、よくメッセージをくれる見知らぬ人たちからの挨拶などが十件ぐらい来ています。ゆっくり読ませてもらいます。誰も聞いていないと思いますが、読み上げたりもします。

「マリカ。おまえの夕べのお尻の穴は、最高だったよ。もっといじめてあげたいね」とか「ケツ穴におれの腕を突っ込んであげるよ」とか。

リクエストは二件ありました。一件は今日ならいつでもいいという人。もう一件は今夜のご希望。

返事をします。

するともう一件、リクエストが入りました。夜の希望ですが、先の約束が成立するかもしれないので、時間をずらすことができるか訊いてみます。

これまでの経験上、土曜の夜にリクエストが重なる日は、とっても酷い目に遭うことが多いのです。

特異日。

悪いことが重なる日。

もしかしたら、月の満ち欠けだとか、自然のサイクルとか、因果関係を探せるかもしれませんが、とにかく重なることがあるのです。

ゾクゾクします。このパターン。生きて明日の朝、またここでコーヒーを飲めるかどうか……。

水分だけはたくさんとっておく必要があるので、コーヒーの容れ物に公園の水を入れて二杯飲み、もう一杯、あふれるぐらい注いで待ち合わせ場所へ向かいました。

駅前が指定されていました。わたしには縁もゆかりもない駅。マリカにとっての拠点。

霧雨のようなものが降りだしていますが、傘はさしません。

「こんにちは!」

若者でした。

「これ、つけてもらっていいですか?」

細い鎖。その先にフックがあります。

「どこに?」

「鼻ですよ」

以前に、鼻柱に穴を開けているのです。そこに、荷物をぶら下げたりするのに便利そうなバネのついたフックを引っ掛けるのです。鎖を彼が持っています。

「じゃ、行きましょう」

市中引き回し。コートを着た女を、彼は細い鎖一本で、連れ回します。

駅に向かう人々のほとんどが、チラッと見て目を背けます。わたしはマリカなのです。週末だけ実体化して、恥ずかしげもなく日常の中にいるのです。

魔法のように。

鼻に穴を開けられたあとはしばらく痛くて仕方がありませんでしたが、いまではこうして掲示板「便所虫の歌」ファンには知れ渡っているので、利用していただくことも多くなりました。

新緑の並木が濡れそぼる街を引き回されていると、おそらくマリカではない自分を知っている人間にも見られているはずですが、たぶん、誰かわからないでしょう。異様さが先に立って、それがわたしだなんて、思わないのです。

マリカは週末、ずっと「イッた」ような目でいるんじゃないかと思います。みなさんが撮影してくれた写真を見る限り、普通ではありません。

この女が、月曜日から金曜日まで、澄ました顔をしてOLをしているなんて想像もできません。もし、「おまえはマリカじゃないか」と言われても、平日は「なんのことでしょう」と真顔でわからないフリができると思います。もっとも、これまで一度も、そんなことはありませんでしたが……。

いま知り合いに出会って本名で呼ばれても、まったく無視してしまうと思います。

鼻を引っ張られて顔を上げて、少し口を開いて歩くと、それだけで涙が出てくるのですが、悲しいからではなく、鼻を刺激されているからですし、マリカは鼻でさえも被虐のスイッチになっていることを自覚して、ゾクゾクしてしまいます。

霧雨は少し粒が大きくなっているようで、髪も顔も濡れてきました。

ビルやお店が並ぶ通りを歩き、路地に入ります。

以前は住宅だったのかもしれませんが、いまは庭とテラスのあるこぢんまりとしたカフェになっています。天気が悪いのに庭のテーブルにいるカップルもちらほら。パラソルは日差しは避けられますが、細かい雨には不向きだと思います。

テラス席なら日除けが張り出していて、雨もそこで防いでいるようです。雨が激しくなれば、庭側にビニールのカーテンが下げられるようです。

「マリカを連れてきましたよ」

みんながわたしを見ます。

好奇心剥き出しの男たち。女性は、笑っている人もいますが、露骨に不快な表情をする人もいました。

できるだけ脅えた顔をせず、かといって舌なめずりしそうなマリカも抑えて、無表情にしていました。

途中で飲み干したので紙コップを握り潰しました。それを男が受け取りゴミ箱に投げ入れました。

店内はお店の三人の若い男性と、二組のカップルのほか、男性が八人いました。男性は合計十三人。女性が二人。庭にも二組いますので、それも合わせれば男性十五人、女性四人。それにわたしを連れてきた彼。合計二十人もいます。

「さ。コートを脱ごうね。店の中なんだから」

こんな自然なシチュエーションで、朝から裸体を晒すなんて。

さすがに怖くなってきました。

「ほら」

彼がコートに手をかけたので、わたしはできるだけ平然とコートを脱ぎました。

口笛や拍手、笑い声も起こりました。ストロボが光ります。

お腹に「便所虫 マリカ」の文字。

「これから、マリカはみなさんの席にうかがって、オーダーを取ります。お店のオーダーももちろんですが、別のオーダーも受けてくれると思いますから、存分にね」

彼はそう言うと、鎖から手を離し、背中を押します。

わたしはどうしていいのかわからず、立ちすくみます。

「あそこのお客さんのところへ行けよ」

頭が真っ白になっています。淫らなマリカが明るいカフェでなにをするというのでしょう。どうすればいいのでしょう。

テーブル席にいるカップルのところへ行きます。

「ご注文はございますか」

やっと少し頭が働いてそう言えました。

「えらそうだね。おまえみたいなのは、客を見下ろしたらダメだろ」

男性にそう言われ、片膝をつきました。

「そうだよ。で、どうしてほしいんだ?」

二人を交互に見ます。女は薄笑いを浮かべていますが、恥ずかしそうでもあり、まともにわたしを見ません。陰部を見たくないのでしょう。

男性は恰幅がよくしゃれたシャツを着ているオジさま。開いた襟からよく陽に焼けた肌が見えています。

どうしてほしい、と言われても……。必死に考えます。連れてきた彼を見ると、カウンターにもたれてビールを飲みながら店員と談笑しています。

これはどういうプレイなの? ヒントぐらい欲しい。

「どうしてほしいんだよ」

男性の足が、わたしの膝頭にあたります。

もちろん、いまこの店にいる人たちは、わたしが「便所虫」であることを知っているのです。

だったら……。

「どこか、叩きたいところはございますか? もしよろしければ、思い切り叩いてください」

「よし。もう少しこっちに来い」

彼の近くに寄りました。

「あひっ!」

きなり乳房を平手で叩かれました。

「ありがとうございます」

男は笑っていて、彼女に「おまえも叩いてやれよ」と言い、左の乳首をつまんで、引っ張ったのです。

「えー」と彼女は少し嫌がっていましたが、「じゃあ」と、その水平に持ち上げられた乳房を叩いてくれました。

「うっ」

乳首も男の指から外れる勢いで、じっとしていられない痛みです。

「ここも叩いてやれ」

男に指示されて彼女は、頬をビンタしてくださいました。

バシッといい音がしました。完全に目が覚めました。

「ありがとうございます」

こうしてみなさんのところをまわるのです。

「ご注文はございますか? どこか叩いていただけますか?」

女性は頬を叩く人がほとんどで、左右の頬が赤くなってしまいました。

男性はオッパイやお尻を叩くのです。

「すげえな、このケツ」

靴の裏で、剣山で穴だらけにされたお尻を擦られ、濡れたおしぼりで叩かれました。

「ひっ」

「きれいにしてやるよ」

そのおしぼりで、傷口を擦られました。

「うぁあぁ」

「ごめんごめん、タバスコがついていたみたいだな」

「焼けるぅぅぅ」

お尻が燃えるようです。

「次はこっちだ」

鎖を引っ張られ、立たされました。

テーブルにぴったりと股間をくっつけるほど、引っ張られました。

男は、秘部を指で開いて、フォークの柄を入れてきました。ナイフの柄も入れてきました。

「中まで剥き出しにしてやろうか」

粘膜をえぐるようにして、内部を覗くのです。

「おい、塩コショウしてやれ」

小さな塩コショウ入れを、その広げた粘膜に押し込みます。

「うっ」

「飛べよ。ぴょんぴょんってさ」

命じられたことを素直にする、それがマリカです。

思い切ってジャンプしました。

「うっ」

男がそこに二本の金属を入れたままなので、自ら傷つける行為です。そして塩コショウ入れが中で暴れて、中身が粘膜に……。

「もっと飛べ!」

ほかの客が叫びます。そして男女問わず、大声で笑うのです。

「そのままこっちに来い」

別のテーブルにあそこからナイフとフォークを付きだし、塩コショウを入れたまま移動します。

「よーし、よく来たな」

今度の男は塩コショウの容器を、中身が出るように逆さにして引き抜き、ナイフとフォークを、粘膜をえぐるように引き抜きました。

「くぅぅぅ」

「どうだ。よく塩コショウしたほうが肉はうまくなるというからね」

ビリビリと沁みてきます。

「

膝

をつくんだ」

床に膝をつけました。

男は黙って乳首をつまみ上げて、テーブルの上にのせるようにしました。

そして乳房にフォークの先をあてて、ナイフをのせ、切り取って食べるような仕草をして、ほかの客たちを笑わせます。

わたしは真っ青になっていました。何人もの男たちが、かわるがわる、同じポーズをして記念写真を撮りました。

「ポーズだけというのは、マリカにかわいそうだよ。

モデルじゃないんだ」

わたしをここに連れてきた男がやってきて、客に万国旗のついた爪楊枝を渡していきます。

「ここを飾ってみてはどうかと思うんですよ」

「ちょうどこのあたりが似合うかもね」

爪楊枝の鋭い先端を、夕べの縄の跡がくっきり残っている乳房の根元付近に押し当てます。

鋭いといっても、機械で削っただけの爪楊枝。柔らかなものに刺さる程度なので、人間の皮膚はそれなりに抵抗があるのです。それなのに……。

「あつっっ!」

皮膚を突き破り、カナダの国旗が飾られました。

外にいた二組も店内に入りました。雨が酷くなっているようです。

二十人が二十本の旗を、次から次へと乳房の根元に刺しました。お子様ランチの旗。気が遠くなる作業。そして数が増えれば増えるほど、焼けるような痛みがジンジンと広がっていきます。

肉がちぎれ、取れてしまうのではないか。

「笑えよ」

写真を撮られるとき、ニッコリと笑います。

「これなら、揉んでも邪魔にならないし」

わざと乳房を握り、引っ張ります。

「ぐっ、ちぎれそうぅ」

「ちぎれたら、キッチンで調理してあげるよ」

やりかねません。

「ちょっとそこにいるんだ」

乳房をのせているこのテーブル以外、お客さんたちはほかのテーブルを壁に寄せてイスだけ並べていきました。こうすると店内は案外、広いのです。

「みなさんへのご挨拶は終わったね。今日はマリカでお腹いっぱいにしてもらおう」と言いました。

テーブルクロスを取り払われ、合板が剥き出しになりました。

わたしはその上に乗るようにと言われました。腰掛け、仰向けになりました。食材のように。

二十人もの男女がわたしを見ています。

三人の男性が、横へきました。

「よーし、いじりたおそうぜ」

男たちは手にフォークとナイフを持っています。

「便所虫マリカを食べてやろう。塩コショウが馴染んできたんじゃないか?」

「肉は腐りかけが旨いというからな」

手首を合わせて縛られて、それが店の柱に結びつけられました。足首も縛られて、テーブルの脚に縛られます。お尻は半分テーブルから飛び出している感じ。

膝にもテーブルの下を通して縄がかけられ、がに股のまま閉じることができなくなりました。

「便所虫というより、カエルみたいだな」

「解剖しちゃおうぜ」

その間に、好奇心がわいてきたのか、みんなが周りに集まってきました。

「口を開けろ」

大きく開くと、彼らの手にしたフォークとナイフが入り込みます。

「舐めろよ」

それをしゃぶらされます。銀色の器具が、何本も口の中を蹂躙していきます。

そのフォークとナイフが、体に向かっていくのです。

「きれいに旗で飾っているぜ。うまそうなオッパイだ」

「乳首が黒いんじゃないか」

「乳輪もいかにも、スケベそうな色だぞ」

彼らは、乳房をフォークやナイフで押し、つまみ、引っ張ります。

「あぐうぅぅ」

フォークとナイフを合わせて乳首をつまみ、持ち上げます。

「柔らかそうだね」

「肉質は悪くないかもしれないぜ」

腹部を突いたり、ナイフを引いたり……。

感じる痛み、くすぐったさに、もだえます。

見ると、彼らは血が出るほどの力は入れず、本当に食事のように軽く押し当てたり、突き刺したりしているのです。

「おお、ここに、アワビがあるぞ」

下半身に向かう人たちもいます。

カチャカチャと金属がぶつかる音。男たちの鼻息。わたしから立ちのぼる淫らな女の臭い。そこにカフェの甘い匂いがからみます。

エスプレッソやシナモン。フライパンで熱せられたバター。セロリ。熱い鍋の中で茹でられているパスタ。月桂樹、バジル、ニンニク……。

便所虫マリカは、みなさんに食されていくのです。

「ああああ!」

ケモノのような声を上げてしまいました。

再び、膣の中へナイフが差し込まれます。だけど、今度は刃の部分です。一本、二本、三本……。

「やらせてくれよ」

つぎつぎと増えていきます。

本当に切り取られるような気持ち……。

陰唇をフォークで刺して引き延ばしている人がいます。そこにナイフを当てて切り取るかのように動かす人。

誰かがフォークの先端でクリトリスの包皮を剥いていきます。

「ぎぃぃぃぃぃ」

体をのけぞらせて耐えます。全身傷だらけになるでしょう。昨日の傷口にも無遠慮に金属の先端が刺さっています。

「おい、見ろ。いっぱい汁が出てきたぞ」

「まだ生きてる証拠だ」

「活け作りだな」

「食われながら感じてやがる」

もちろん、本当に食べられているわけでもないし、肉を切られたりしているわけでもないけれど、マリカは陶酔していました。

飢えたメスブタ

「腹の中もきれいにしないとな」

「この店特製のコーヒー浣腸をしてやろう」

真っ黒な液体がたっぷり入ったイルリガードルが設置されます。

お尻の中に管が差し込まれ、まだ温かいコーヒーが腸内に入ってきます。

「いい香りだわ」

気づけば、女性も膣の中のナイフを動かしているのです。

「せっかくだから、女体盛りをやってみよう」と店の人がやってきて、オッパイから下腹部までを、アルコールで丁寧に消毒しはじめました。

「ふひぃぃぃ」

細かい傷に染み込んで、強烈な痛み。とくに旗を立てられた乳房は、火をつけられたようです。

生クリームをオッパイに絞り、そこにイチゴやブルーベリーを並べていきます。ミントの葉も飾ります。

腹部には、マッシュポテトで丸くお皿を作り、熱いアラビアータのペンネと、カルボナーラのフェットゥチーネがフライパンから流し込まれました。

「きひっ!」

熱いなんてものではありません。間違いなく百度はあるはずですから。熱湯を注がれたのと同じです。マッシュポテトを塗ってあっても、肌に染み込んでくるのです。

「みなさん、おまちかね」

ジュージューと音を立てるフライパンを男が持ってきました。今度は油ですから、百度どころではありまえん。香ばしい香りが部屋に満ちあふれ、それは誰しもが涎を垂らすに違いないのですが、わたしは恐怖に体を固くしていました。

フライ返しで中から大きなハンバーグが取り出されて、なんと剥き出しの恥丘の上に置くのです。

「ぎぃぃぃぃぃ」

暴れますが、縛られているので振り落とすことができません。焼けた挽き肉の塊から垂れた肉汁と油が、さっきからいじられ続けていた粘膜を焼いていきます。

「目玉焼きもね」

そこに別のフライパンで作った目玉焼きが置かれます。そして付け合わせのニンジン、ブロッコリ、フライドポテトも添えられました。

「みなさん、ご自由にどうぞ」

お腹が浣腸で膨らんでいき、苦しんでいるのに、みんなは楽しそうに食事を始めました。本気で食べているのです。

食材を取ろうとするとき、思わず力が入るのでしょう。

「ぎっ、ひっ、くっ」

いままでよりも強く刺激されて、わたしは短い悲鳴を上げ続けています。

「浣腸のしすぎでカリウム不足になってはいけないから、これを食べなさい」

バナナを口に押し込まれます。ただ食べればいいのではなく、おしゃぶりをするように言われ、どこまで入るか試されます。喉の奥まで突いてきます。

「もっと奥まで飲み込んでごらん」

その間にもお腹はパンパンになっています。

「みなさん、食事はお済みでしょうか?」

何度か食材が追加されて、ようやく人々は満足したようです。

妊婦のように膨らんだお腹。焼けただれたまんこ。傷だらけの体が残りました。股間のハンバーグを彼らは普通に切り分けたのです。肉汁と半熟のタマゴの黄身が流れ込んでいます。それをパンですくって食べる人たち……。

腹部はフォークの引っかき傷、乳房にはフォークの刺し傷が残っています。

「では、お腹をきれいにしますので、ご覧になりたくない方は、このまま、お店の中でおくつろぎください」

わたしは数人に担がれ、外に出されました。手首も足首も縛られたままです。

バケツが用意されました。

「このまま出せ」

彼らに抱え上げられながら、コーヒーを排泄しました。かなりの量らしく、いつまでも終わりません。

「さすが、いい香りがしますね」

いつ終わるともしれない排泄をさせられたのです。

部屋に戻されると、テーブルは片付けられていました。

中央に、足を開いて立たされます。手は後ろ手に縛り直されます。

待ちかねた人たちが、わたしに群がります。

最初は遠慮がちだった人々も、女体盛りを経験したからか、大胆にわたしの体を扱うようになっていました。

マリカは文句を言わないのだ、なにをしてもいいのだ、ということが浸透したのでしょう。

腹を満たした彼らは、別の欲望を遂げるために、わたしの穴を触りはじめました。指が性器の奥まで入り、子宮をつかみ出そうとでもするかのように、激しく突いてきます。

浣腸でだらしなく拡がったお尻にも、指が何本も入れられて、こねくり回されます。

そしてまだバナナの味が残っている口には、男性器が押し込まれてきます。

しばらく、彼らは三つの穴を犯す楽しみにふけっていました。

男性だけでも十六人いるのです。できれば、早い段階で満足してほしい。そのほうがいいと思うのです。

興奮しすぎて爆発寸前のはずです。

それなのに。

一時間ほど犯され続けたものの、誰一人、射精してくれません。

「まだフィニッシュできないな。マリカ。どうしてほしいんだよ」

「お願い。マリカにください。みなさんのオチンチンをください。いっぱいかけてください。精子をたくさん……」

「まだ早いんだ。どうも、まだ男たちは本気じゃないんだな。どうすればいいと思う?」

「マリカをどうぞ、思う存分、いたぶってください。そしてカチカチになったオチンチンで突きまくってください」

「いいだろう。いたぶりながら犯してやろう」

「ありがとうございます」

思ったとおり、悲惨な土曜日になっています。こうしてマリカの週末は地獄になっていくのです。

乗馬鞭を持った男が笑って見ています。顎をつかまれました。

「この売女め。体を売り物にしやがって」

彼の腕が高く上がりました。

バシッと音がして、お尻に鞭が打ち込まれました。

「ひっ」

剣山の傷跡がまだ生々しいお尻に、新たな傷が刻まれます。

「数えろ」

「いち」

わたしはお尻に鞭を入れられて、それを数えさせられるのです。それなのに……。

「みて、あそこからドロドロって汁が出てきたわよ」

「いたぶると出てくるんだよ、マリカ汁」

「なにそれ?」

「こいつを申し込むためにアクセスする掲示板では、みんなそう呼んでるんだ。いたぶると、信じられないぐらいマリカ汁が出てくるんだぜ」

に、さん、よん、とわたしは必死に数えていました。お尻がズタズタにされる快楽に酔いしれながら。

お尻が熱い……。

カフェ。昼間です。明るい光が降り注ぐ街中。

梅雨というのに朝の霧雨はすっかり晴れて、夏のような日差しが庭に降り注いでいました。熱気とわたしの淫らな臭気が満ちる店内も、庭へのドアが開け放たれているので、それほど気になりません。ただ、エアコンも効かないので、客たちはうっすら汗ばんでいました。

彼ら、そして女性もかわるがわる、マリカのお尻を叩き続けたので、血が噴き出すほどでした。

「九十九。うぐぅぅ、百……」

数え終えると、彼らは拍手をしてくれました。

百発の鞭を受けました。

「さすがマリカだな」

腫れ上がったお尻と記念撮影する人たちもいます。彼らがまた「便所虫の歌」の掲示板に写真と感想をアップしてくれれば、マリカの週末はさらに悲惨なものへとなっていくことでしょう。

こうした責めは、緩くなることは滅多になくて、きつくなることのほうが多いのです。

これだけ、お尻を叩かれても、まだ十六人の男性は誰も射精していないのです。昼間だからということもありますが、あまりにもマリカを責めることに夢中になっているからかもしれません。

「お願いです。ご奉仕させてください」

いくらお願いしても、笑っているばかりです。

「じゃ、あたしたちを満足させてよ」

四人の女性たちがパンツを脱いでイスに置きました。

男性より先に女性たちを満足させる……。難しいことです。でも、彼女たちもマリカを鞭で思う存分ひっぱたいたので、気分がよくなっているのですから、このチャンスを逃してはいけません。

「わかりました」

床に仰向けになりました。

女子がわたしの顔の上にお尻をのせてきます。スカートで彼女たちの下半身は隠れています。

マリカは必死に舌をのばして、彼女たちを満足させるために舐めて吸って噛んであげます。

「ひゃっ、すっごい」

はしゃぎながら、彼女たちは感じてくれています。短時間で立ち上がってしまう人もいれば、長時間、息もさせずに舐めさせた人もいました。

「どれ、マリカ汁」とわたしの性器に指を入れてくる女性もいます。

「おしっこかと思ったけど、もっといやらしいニオイがするわ」

別の人は自ら床に座って、あそこを剥き出しにしたので、マリカは這うようにして舐め続けました。彼女は膝でマリカの乳房を蹴るように愛撫します。

「やらせてもらおうかな」

やっと男性が、マリカのお尻を固い肉棒で貫いてくれました。

「あああっ」

待ちに待ったものでしたので、お尻が痛いこともありますが、はしたない声が出てしまいます。

すると膝で乳房を蹴られて「こっちもやってよ」と彼女に催促されます。突き刺さった万国旗をいじられます。絶叫を上げそうになりますが、奉仕します。

「あふあふあふ」

飢えたブタのように鼻を鳴らして舐めまくります。鼻柱に引っ掛けたフックでブタ鼻のようにされています。その苦痛の中で彼女たちを満足させないと、いつまでも終わりがありません。夜は別件があるので、それまでに解放してもらわなければなりません。

みなさんを満足させなければ、終わりはないのです。

売春婦なら、時間制で「終わりよ」と言えるかもしれませんが、マリカはお金で買われているわけでもなく、勝手に次の予定を組んでいるだけなので、いつも、こうしたときは焦ります。

もっとも売春婦なら、男女混合で二十人も相手に仕事することはまずないでしょう。

「うっ」

男がうめいて、お尻の中で射精してくれました。

すごくうれしくて、マリカの淫乱エンジンが大爆発です。体が熱くなって、さらに熱心に舐めて奉仕すると、彼女も声を上げて絶頂を感じてくれました。

邪険に足で肩を蹴り、彼女はすべるようにわたしから離れました。

「すごい上手」

ありがとうございます。直接、お礼が言えません。

というのも、男性が、口の中に入ってきたからです。

再び、男たちが犯してくれます。彼らもガマンの限界なのかもしれません。

夢中になってみなさんの性処理に励みます。

お尻、膣、お口。

フル回転で奉仕します。

彼らに押されるようにして外に出されます。まだ、お尻を犯してくる人がいて、手押し車のように歩かされます。

湿った芝生。降り注ぐ夏を思わせる太陽。

ひとしきり、そこでも奉仕を続けました。転がりながら、上になったり、下になったり。男たちに担がれながら。そして足を持たれて引きずられるようにしながら。プロレス技のようなかっこうで犯してくる人もいます。

どれぐらいそうしていたのでしょう。

「ふー、おもしろかった」

男たちはいつの間にか、きちんと服を着ています。女子たちも。

「みんな。マリカにお礼を言わなくちゃね」

十六人の精液。四人のマン汁。わたしはべたべたになっていました。

「そうだ。みんなでプレゼントをあげよう。マリカが一番喜ぶものをあげよう」

男たちは、ジッパーを下げて萎えたものを出すと、倒れて疲れ果てているところにつぎつぎおしっこをかけてきました。

「ああ、うれしい。生き返る……」

その温かさ。はしたなくも大きな口を開けて、入って来たものはゴクゴクといただきます。

「すごい、小便飲んでるわ」

女子たちは遠巻きに見ています。

「あんなことされて喜ぶなんて……」

軽蔑されています。

その冷たい視線も、マリカの大好物です。

「便所虫ってそういうことなの?」

もちろんです。お便所に住むのが大好きな虫なのです。

びしゃびしゃにされてしまいました。

連れてきた人が、庭の水道につないだホースで水をかけてくれました。雑巾を何枚かくれて、それで体を拭きました。

夕方になる前に終わったので、ホッとしました。

「マリカさん、これからどうするんです?」

「次の約束がありますので」

「すごいなあ。本当に連続でやってるんですねえ」

妙に感心されます。

「掲示板にはもういくつか写真をアップしておきましたからね」

「ありがとうございます」

コートを着て、濡れた髪も体もまだちゃんと乾きませんが、とにかく店を離れます。

関わった人と不必要に長く接触するのはよくありません。風のように去るのです。相手の気が変わらないうちに。満足していただいているうちに。

急いで適当に歩いてとりあえず駅に出ます。

次の待ち合わせ場所は少し知られたラブホテル街です。電車が走っていて、小さな飲み屋さんが固まったところを過ぎると、突然、ホテルが密集しています。

こんな場所にコートで歩く女は、いかにもすぎて、かえって不自然ですけど。

あえてこの場所を選んだ理由があるのでしょうか。

それとも、ただホテルを利用したいからでしょうか。

「マリカさん?」

背後から声をかけられました。

振り向くと、がっしりとした長身の壮年の男性でした。

「はい」

「連絡したものです」

「はい」

一応、確認のために、パスワードのようなものを言っていただくこともあります。

「おひとり?」

「ええ。このあとの予約があるんでしょう? まあ、ひとりですから、そんなに時間はかかりませんよ」

「よろしくお願いします」

とにかく、相手の方しだいなので、ひたすらお願いするしかありません。

そこは特殊な部屋のあることで有名なラブホテルでした。典型的なSMプレイの部屋がいくつかあるのです。

ただ、「便所虫の歌」でマリカを使おうなんて思う人に、それほど典型的な人はいないので、緊張します。きっと、なにか思惑があるはずです。

謎めいた男

「駐車場に寄っていきますから」

彼はすでにこのホテルにチェックインしていたのです。

ごついSUV車。その後部から大きなバッグを二つ引っ張り出しました。どっちもキャスターがついています。

とても嫌な予感がします。

「こっちです」

檻のある部屋に案内されました。

「ここは初めてじゃないでしょう? 以前、掲示板で写真を見ましたよ」

「そうでしょうか」

よくは覚えていません。でも、熱心に見てくださっているお客様がおっしゃるなら、そうなのかもしれません。

ここが有名であることは知っていたので、たぶん、何度も利用しているはずですが……。

入るときの心境と出るときの心境の落差が激しいので、記憶が飛んでいくのです。

赤と黒を基調とした部屋で、ラブホテルとしてはむしろ殺風景です。X型の磔台があり、木馬があり、透明のバスタブがあり、ウォータープレイができる広いシャワールームがあります。ベッドもありますが、ここの主役は檻と、その周辺の特殊な機材です。

彼は診察台の横に二つのバッグを置きました。

「じゃ、やりますか」

バッグを開けると、中から革のつなぎを引っ張り出しました。上着などを脱いで、それに着替えるのです。ブーツも履きます。昔のアメリカの暴走族のようなかっこうになります。

「そこに横になって」

コートを脱がされました。傷だらけのマリカの姿は、ライトを浴びると恥ずかしいのです。嬲られた結果、性器はだらしなく開き、肛門もぷっくり飛び出しているでしょう。

それに、乳房に飾られた万国旗はまだそのまま……。

裸で診察台に仰向けになります。両足を自分で抱えるようにさせられて、縄で固定。体が診察台から落ちないように、乳房の下と腹部に縄が巻き付けられました。

「すごいね、乳房にこんな飾りをするなんて」

「抜いてください」

「いや、それはあとでいいさ。いい飾りだよ」

彼は指で旗を弾きます。

「ぎっ」

痛みがぶり返してきます。

「ぼくはマリカとセックスする気はないんだ」

疑問があっても、黙っています。お客様の世界があるなら、マリカはそれを乱したくありません。コスチュームに着替えたとき、彼の物語の中に入っていったのですから。

まだわたしの役どころがわからないのに、ぶち壊すのは危険です。

「あなたの体は汚れきっている。だからこそ、美しい。つまり、もっと汚せばそれだけ美しくなる」

意味のわからないことをおっしゃる人がいたからといって、無闇に脅える必要はありません。頭で考える人の多くは、マリカを前にするとわけのわからないことを言うのです。だから、この人もきっと頭のいい人なのです。

「とくに、あなたの二つの穴は美しい」

この姿勢をとらされたので、そういうことなのかなと思っていました。

「ああ、みつめないで……」

昨日、そしてさきほどまで嬲られてきた穴が、彼にとってどう美しいのかはわかりませんが、気がかりなのは、セックスを否定していることです。

普通は射精したら一段落。それが男性の性衝動というものでしょう。でも、セックスしないのなら、どこで一段落するのでしょう。

ルールのわからないゲームがはじまろうとしているのです。

クッションを見つけてきて、お尻の下に入れました。

「丸見えだよ、マリカ」

知り合いではないのですが、長年知っている人、それとも昔に知っていたけども、長く会えなかった人のような感じがありました。

マリカは自分にも魔術をかけます。相手が望む存在になりきること。どんな酷いことをされても、相手が望む反応をすること。

「恥ずかしい……」

自然に言葉が出ました。

「恥ずかしい? こんなに淫らにさらけ出しておいて……。おまえのいやらしい穴はどうなっているのか、たっぷり見せてもらおう」

「恥ずかしすぎます。どうか、酷いことはなさらないで」

「おかしいね、マリカ。おまえは酷いことや汚いことをされるのが大好きなんじゃないのか?」

「お願い、言わせないで……」

「だめだ」

彼は手で恥丘を撫で回します。もみ上げます。確かめているようです。

「柔らかすぎるな。週末はいっぱいやられているからだろうな」

「なにをするんですか? 教えてください。マリカ、怖いです」

「ふん。おまえが怖がるわけがない。小娘でもないくせに」

左右の丘をつまみ上げて、中の赤く弾けた粘膜を確認しています。

「震えているな。武者震いだろ。もう感じてるんだ。なにをされるかわからずに、見知らぬ男とホテルに入って裸になるなんて恥知らずな女だ」

ぐいっと指を中に入れてきました。親指を入れて、全体をつかみとろうとしているように、強くもみ上げます。

「あふぅ、乱暴にしないでぇ」

「濡れているぞ、マリカ」

中指と薬指でクリトリスを挟んで、ブルブルと震わせます。そこはさきほど熱した油で焼かれて火傷を負っています。軽く触られるだけで、強烈な痛みが炸裂します。

「感じるか?」

「やさしくしてください」

「してやるさ。マリカにふさわしいやり方でな」

ごそごそとバッグからなにかを取り出してきました。

マリカのお腹の上に、銀色に光るステンレスのクスコ、長く大きなアナルパールが置かれました。

「開いてみよう」

クスコを膣に入れて、開いていきます。肉を裂くように。

「うっ」

痛みがないと言えばウソになります。こうしたことを何度も経験してきていますから、行為そのものに驚くことはありません。でも、冷たく固い金属で、体を開かれていく苦痛には慣れません。

誰かにお見せするようなところではないのです。

「柔軟だな。こんなに開くとはね」

掲示板で知っているくせに。

「こっちも見たいね」

クスコを引き抜くと、それをアヌスに突き刺しました。

「ひぃ!」

腫れているのです。散々、多数のペニスにこすり上げられていますから、痛みが残っています。ローションはつけていません。愛液だけでは、足りないようです。

「しょうがない。お情けでこれをつけてやるよ」

瓶から液体を垂らしてくれますが、鋭い香りが拡がります。ただのオイルではありません。唐辛子のニオイにも似ています。

「ひぎぃぃ! 熱い!」

「赤唐辛子入りのオイルだ。マリカのケツにはちょうどいいローションだと思わないか?」

「許してください! 熱くて痛くて!」

「おおげさだなあ」

彼は指にそれを塗って、わたしの唇につけました。唐辛子そのものです。辛くて舌も唇も痺れてしまうほどです。

「おまえのケツがヒクヒクしてるぞ、こいつが欲しいか」

「やめて!」

叫んでも、彼はスッとクスコを入れてきました。肛門の周辺が燃えるようです。

ぐいぐいとお尻が広げられていきます。

「こっちも、ほぐれているじゃないか。なんでも飲み込みそうだぞ」

「お許しください」

わたしがなにを言ったところで、彼はすべてを都合よく解釈するのはわかっています。それでも、この場面にはなにかしら言葉が必要な気がしたのです。

「これが欲しいか?」

アナルパール。そこに唐辛子オイルをふりかけています。

「おいしいぞ、きっと」

「むりです。そんなことをしたら、壊れちゃう……」

「ははは。もう壊れているんだろう?」

乱暴にクスコが引き抜かれ、べろんと内側から盛り上がった粘膜に、アナルパールが押し込まれていきます。

「ぐひっ、つらい……」

本当に涙が流れてきます。

最初は小さい球形ですが、しだいに大きくなっていきます。

「全部、飲み込むんだろう?」

三十センチほどもあるのですが、最後はゴルフボールほどの大きさ。それをつぎつぎと押し込まれます。

「うまいか?」

「はー、はー、はー」

わたしはただ荒く呼吸するのみです。

「こっちの穴にはなにを入れてやろうかな」

「お願いですから、オイルを垂らさないで!」

「さてと。けっこう大きいみたいだから、これなんかどうだ?」

彼が手にしているのは、大きく太いニガウリでした。

異物挿入……。

セックスをしないと宣言した彼は、性器に、異物を挿入して楽しむつもりなのです。

ニガウリを押し込んで、グリグリと粘膜を押し潰します。

「あふぅ、きっつぃ」

唐辛子オイルが体に染み込みます。そしてトゲトゲにこすり上げられます。

「全部、入るかな?」

巨大な実を奥に入れていきます。

「どうだ、マリカ」

「穴が、穴がパンパンです」

「はちきれそうか?」

「はい」

「そうでもないよ」

ほとんど埋め込んだ上から、手の平で揉んでくるのです。

「うがっ」

器官全体が犬の尻尾のように体の中で回っている感じ。

「楽しそうじゃないか」

打擲もきついですが、こうして集中してそこだけをいじめられるのもきついです。汗びっしょりになっています。

お尻の中のパールを彼が引き出していきます。

プルプルと粘膜を震わせながら、強制的に引き出されていきます。

「あうっ」

それはとても原始的な快楽です。この味を知ったとき、マリカはもう戻れないと感じたことを思い出します。アヌスになにかを入れてみる。出してみる。拡げてみる。そこから得られる人には言えない快楽が原点かもしれません。

友人たちとセックスの話はできても、アヌスの話まではできませんでした。笑い話として誰かが言うことはあっても、自分のこととしてはありませんでした。

「マリカはお尻でオナニーするのが好き」なんて、言えませんでした。言ってもよかったかな、といまでは思います。自分だけの秘密にしておくことを選んだのです。

言えるような友人がいたらこんなことにはなっていなかったかもしれません。

マリカの大事なもの。汚いことが好き。汚されることが好き。痛いのが好き。そしてお尻が好き。知り合いには言えない秘密。

「産めるか?」

「え?」

「産んでみろ」

奥まで入れられたニガウリを自分で出せというのです。

すぐに出ると思っていきみましたが、恥ずかしいオナラが出て、笑われました。

「そっちじゃないだろ」

力の入れ方を工夫すると、ニュルッと押し出すことができました。

「うん。なかなかいいじゃないか」

抜き取った彼が、べとべとのそれをわたしの口に入れます。唐辛子オイルがヒリヒリします。

「ケツにも入るかな?」

「えっ」

それをお尻に……。

「どう思う?」

口の中に押し込まれて、しゃぶらされます。先端部分しか口には入りません。とても大きいものです。

「マリカなら簡単だよな」

「い、入れても、出せないかもしれません」

「大丈夫だよ」

お尻の場合、これまでの経験から、入れることも大変ですけど、出すことはもっと大変なのです。

医療関係の事故の話では膣内の異物もそうですが、直腸内の異物は多いらしく、開腹手術をすることもあるようです。

これまでもいろいろなものを自分で入れたり、入れられたりして、苦労したこともたくさんあります。幸い、お医者さんのお世話になったことだけはありませんでした。

彼はニガウリを取り上げて、お尻にあててきました。

「おや? 簡単そうじゃないか」

柔らかくなっている入り口部分は、オイルの沁みた野菜を簡単に飲み込んでいます。問題はその奥。

固い皮とトゲに覆われたものが、腸内に入り込んできます。苦しいだけではなく、そんなものを入れられる惨めさ、恐怖を味わうのです。

ボールを握る

「ひぃひぃひぃ」と泣きながら、異物が奥へ入ってくるのを感じます。スムーズに入るように協力さえしています。お尻の穴をできるだけ開いて、力を抜くようにしています。そうしなければ、苦痛が大きくなってしまうから。

「すっかり奥まで入れてやったぞ」

「ふひぃ、ありがとうございます」

「なんのお礼だよ」

自分でもわかりません。自分ではできないような残酷なことをしてもらうと、なぜかお礼を言いたくなってしまう……。とことん、便所虫体質になっているのです。

彼がわたしにすることは、わたしがすべて望んだこと。どんなに自分では嫌だと思っても、この境遇はマリカが選んだもの。彼のことはなんにも知りませんが、運命が選んだ人。もし、いまここで彼に殺されるとしても、それがマリカの望みなのです。

「出してみろ」

「ふぎぃぃぃぃ」

すっかり入り込んだものを出すのは大変です。足を抱えるように縛られているので、腕も足も、すごく力が入ります。足をバタバタさせます。

トゲトゲが腸壁に食い込み、簡単ではありません。

「お、少し出てきたぞ。おまえの肛門、めくれ上がってしまっているけどな」

「ふぅぅぅぅぅ」

難しいのは力を入れすぎると、戻ってきてしまうから。お尻に力が入ったのではむしろ出ません。口を開けて、大きく息を吐き出す。お腹には力を入れますが、肛門には入れない。そこだけをリラックスさせるのですが、昨日からいじられっぱなしで、ヒリヒリとした痛みと腫れが残っていますから、少しでもニガウリが動くと、それだけで切り裂かれるような痛みがあります。赤唐辛子が沁みます。

マリカ、だめよ、その痛みは気持ちがいいものなのよ。

自分を騙しながら、腹を波打たせて、もっとも太い部分を通過させました。

「ああぁぁぁんんん」

「おお、すごいじゃん。大したもんだな」

じわじわと排泄することに成功しました。

「はー、はー、はー、苦しい……」

「喉が渇いただろう」

彼が頭のところにやってきました。これはもう掲示板でお馴染みなので、わたしは彼のものを口に入れて、おしっこをいただきます。

ゴクゴクと飲みます。しょっぱいような苦いような。そしてたとえることのできない臭いが鼻に抜けていきます。汚いトイレの臭いとでも言えばいいでしょうか。

マリカになってから、あまりきれいではないトイレでふとその臭いを嗅ぐと、味までも思い出すようになりました。飲みたい、とさえ思うようになっています。

「そうだ。こうしてみよう」

クスコで性器を極限まで開きました。

「これを入れてみるからね」

使い捨てのカテーテル。入れる場所はわたしの膀胱です。

「溜まってるんじゃないかな?」

どうするつもりなのでしょう。

チクッとした灼熱感。

「便所穴にしてやろう」

拡がった性器の中にカテーテルの先を入れたのです。わたしは自分の意思と関係なく、おしっこを自分の大切な体の中へ垂れ流していくのです。

「いやあああああ」

これだけ汚れた体。だけど、そこは大切な臓器。この男は、自分は使わないので性器がどうなってもいいのです。

「

溢

れてきたぞ」

お尻に垂れていきます。

「これも飲ませてあげようね」

ホテルに備え付けのコップをお尻にあてて、こぼれてきたものをすくうと、わたしの口に……。

自分の小水は彼のものより薄くて甘く感じました。

「ちくしょう、このかわいい穴をぐちゃぐちゃにしてやりたい」

「お願いします。マリカをぐちゃぐちゃにしてください」

もしここで絶命すれば、マリカも終わりです。それでもいいと、この瞬間は思っているのです。男にもっと酷いことをされたい。二つの穴をメチャクチャにして欲しい。本気で思ってしまうのです。

見知らぬ男に、自分の体、それも医者に診せるのも恥ずかしい部分を乱暴にいたぶられることが、悦びなのです。

粘膜は丈夫なようで、繊細な面もあると思います。

金曜の夜から日曜の夜まで。マリカとして肉体を誰かのオモチャにしてもらうことが、わたしの日常です。月曜日から金曜の夕方までは、この三日間に受けた痛みを抱えながら、無表情に仕事だけをこなす団体職員に徹しているのです。

職場では年下からは怖いと思われているようです。

「○○さん、すみませんでした。今度からはちゃんとやりますから」

男女を問わず、なりたての職員たちは、みな肩書きもなにもないわたしに、怯えるように謝罪します。

「そんなに気にすることないわ。直せばいいんだもの」とこっちは言うのですが、その言葉にさらに青ざめて「いえ、○○さんに直していただくわけにはいきません、やりますから!」と慌てています。

「○○さん、そんなに杓子定規に考えなくてもいいんですよ」と上司たちからは、よく言われます。「肩の力、抜いていいんですよ、大した仕事じゃないんだから」

マジメすぎる女だと思われています。

ですが、その実態は、膣やアヌスの力を抜いたり入れたり。汗みどろになって、ひたすら苦痛を味わうことに溺れているのです。

「今度はこれだよ」

男が軟式の野球ボールを持っています。床にバウンドさせたり、壁にあててみたりします。

「直径七センチより少し大きいんだけどね」

「マリカのお尻にボールを入れてください」

「いいよ、入れてやるよ」

このぐらいの大きさから、際どいのです。七センチ、八センチと、フィストができるのだから拡がることはわかっているのですが、つるりと中に入ってしまったものが、ちゃんと出るかどうか。

フィストは案外、安全なのです。というのも、手はいろいろな形になりますし、引き抜くとき、抵抗の少ない方法をとることができるからです。

だけど、物体の場合は違います。

ボールがアヌスに押しつけられ、ぐりぐりと広げられます。ニガウリで拡張しきっていますから、つるりんと球体を飲み込みました。頂点をすぎると、自然にギュッとすぼまって奥まで入っていってしまうのです。お尻で飲み込む感じ。この痛みと恥ずかしさと、やってはいけないことをするダークな快感は、何度やってもすばらしいのです。

「いいぞ。少し見えているね」

指でボールを押してきます。それ以上は入りません。

お腹に詰め込まれた感じ。内臓が圧迫されて苦しくなります。擬似的な重症の便秘です。お腹の上から指で触れば、そこにボールがあるとはっきりわかるのですから。

「出してごらん」

いきんで、お尻を開いていくのですが、なかなか出ません。

「もっと、もっと」

「んんんんん」

ぜーぜーと荒い呼吸。汗びっしょり。

それでも出ません。

「取れなくなったら、お医者さんに行こうね」

「いや。それは許して」

便所虫の歌 第2部 (2/5)
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