本文へ移動Skip to content跳到正文跳到正文
日本と世界のBDSM映像アーカイブThe BDSM video archive — Japan & beyond日本与全球 BDSM 影像资料库日本與全球 BDSM 影像資料庫
ブログBlog博客部落格

スウィート・グウェンドリン:ジョン・ウィリーのボンデージ漫画

『スウィート・グウェンドリン』は、アメリカで活動したボンデージアーティスト、ジョン・ウィリーが描いたイラストストーリーから始まったコミックシリーズである。主人公グウェンドリンは金髪の愛らしいアメリカ女性で、悪漢にさらわれ拘束される姿が主題になる。話に複雑な仕掛けはほとんどない。さらわれて縛られ、誰か(美女が多い)に助けられ、また捕まり、救出者ともども縛られる——その繰り返しが延々と続く。『Bizarre』などボンデージ雑誌に載って人気を取った。ウィリー初期のグウェンドリンは裸にされなかった。出版規制が緩んだあと、本人やエリック・スタントンらが描いた後期では裸で描かれることが多い。

グウェンドリンは金髪でグラマラスに描かれる。家族構成や経歴の詳細はなく、親の遺産で田舎に細々と暮らし、世間知らずで男性や不審者への警戒が皆無。楽天的で負けず嫌い、最悪の状況に自分ではまりやすい。『The Race of Gold Cup』では祖父と暮らす孫娘で、所有馬「LIGHTNING」のジョッキーも務めた。トラブルが多すぎるため、エージェントのU-69に縄抜けを特訓してもらうが、才能は乏しい。愛称はグウェン。何度も助けてくれたU-69を心から信頼し、多少逆らったり喧嘩したりしても、U-69と行動をともにする。

U-69(またはU-89)はブルネットの女性エージェントで、本名は不明。何らかの機関に属し、不正調査で潜入する。作戦時は白の上下、黒のコルセット、長手袋、ブーツを着る。ハイヒールの踵にはピッキングツールが仕込まれている。軽い拘束なら自力で縄抜けできる。サディスティックな嗜好があり、グウェンに縄抜けを教えつつ、縛られて苦しむ彼女を見るのを楽しむ。グウェンドリンが大好きで、いじめるのも愛情表現。名前がU-69とU-89で変わるのは出版規制のためである。

アンティーはU-69の叔母とされるが、本当の叔母かは不明。貴族か豪商の家系らしくメイドを抱え、女性の躾に厳しい。『The Missing Princess』でグウェンを屋敷に招き、淑女の歩き方などを厳しく「指導」した。フィフィはアンティーの若いハウスメイド。ダーシー卿はグウェンドリン最大の敵。髭のチビの三流貴族で、悪巧みに長け、何度もグウェンを捕らえる。たいがいポカをやり、U-69に奪還されてダメージを受ける役回り。作者ジョン・ウィリーの投影とされる。“M”はダーシー卿と組む女性で本名不明。ザザというメイドを操り、グウェンとダーシー卿の関係を動かす。深謀遠慮ではダーシー卿より上。

『“Sweet Gwendoline” and the Race of Gold Cup』では、郊外のグウェンドリンが借金のかたとしてダーシー卿に結婚を迫られる。祖父とグウェンドリンは、競馬レース「ゴールドカップ」にライトニング号を出走させて借金を返そうとする。聞きつけたダーシー卿は騎手のグウェンドリンを誘拐する。U-89が助けに来る。『Sir d’Arcy & Wasp Woman』はゴールドカップの後日談。相棒の“M”にそそのかされ、再びグウェンを森に縛り付ける。『Sweet Gwendoline in “The Escape Artist”』では、懇意になったグウェンとU-89がコテージで夏を過ごし、U-89はグウェンに縄抜けを教えようとする。毎日あらゆる手段で縛られるが、解ける気配はない。解けるはずのない拘束を課して楽しんでいたのだ。『Gwendoline and “The Missing Princess”』では、縄抜けが上達しないグウェンがアンティーの家へ招かれ、レディーのたしなみを仕込まれ、コルセットや革の拘束具で不自由な身体のまま歩かされる。その不自由さが災いして、侵入した悪漢に捕まる。悪漢はある王国の姫をさらった女性たちで、顔の似たグウェンを代役に仕立てようとする。

単行本は BELIER PRESS Inc. 発行の『The Adventure of Sweet Gwendoline』。エリック・スタントンによる続編『Sweet, Sweet Gwendoline』では、より激しくいじめられるグウェンが描かれた。1984年には『Gwendoline』という映画がフランスで制作・公開され、日本では『Gwendoline ゴールドパピヨン』の題でDVD化された。原作の繰り返し拘束とは趣が大きく異なる。ウィリーのグウェンドリンは、複雑な陰謀より、捕まる・助けられる・また捕まる循環そのものが主題である。

BDSM → BDSM作品 → BDSM漫画