凌辱三姉妹 第二章 菜津子 屈辱と興奮 ~ 第三章 菜津子 羞辱と悦虐 (2/5)
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第二章 菜津子 屈辱と興奮
元麻布にある旧家、喜多村家の日曜はとても静かだ。五百坪近い敷地のなかに百坪ほどの二階家が建っている。樹木も多い。
周囲は最近、空地が多くなった。そのほとんどが整地されていて、簡単な駐車場になっている。樹木がなかったら、喜多村家は外から丸見えになってしまうところだ。
駐車場の向こうは、どこもかしこもマンションだらけだ。一戸建ては喜多村家ともう一軒だけである。だがその一軒も今は人が住んでいない。すでにどこかに売り払われたのかもしれない。
喜多村家の二階のベランダでは、長女の菜津子がロッキング・チェアに腰かけて、ぼんやりと彼方に見える東京タワーを見ていた。というより、視線がなんとなく東京タワーの方向に向いているだけで、正確には見ていたわけではない。
庭の陰から老犬のロダンが、心もとなげに二階の女主人を見つめていたが、やがて膝をかかえこむようにして寝入ってしまった。用心のために飼っている雑種犬だが、もう年をとりすぎてしまい、あまり役にたちそうもない。
通いのお手伝いは、日曜なので休みである。次女の章子と三女の芙由子は、祖父が設立した私立S学院の理事長をしている母方の叔父、宝井庄平の家へ行っている。ここ数年の経理帳簿の辻褄が合わないので、その点をただしに行ったのだ。本来なら菜津子も行くべきなのだが、彼女は数日前の奇妙な男とのセックスで気持ちの整理がつかず、とても正常な状態ではないので遠慮した。
それに学校経営や交渉事は、気の強い次女の章子が向いている。
三姉妹の両親は、二年前に航空機事故で亡くなっていた。姉妹の関係は可もなく不可もなしだ。ただ三人は協力し合うという点では共通している。
たったひとりの叔父を理事長に祭りあげているが、実際の経営権は三人姉妹が握っている。ただ、宝井庄平には油断のならないところがある。妻を亡くしてから独り身を通しているが、銀座の高級クラブに勤める年配のホステスといい仲になっている。世間体もあるので、一応は理事長に据えているが、三人姉妹は叔父に対して気を緩めてはいなかった。
三人はそれぞれ教師の資格を持っていた。けれども自分たちが経営する学校だけに、他の教師のように働きづめというわけではない。一週間に担当するのは数時間程度のものだ。それに理事という肩書きもあるので、何かと忙しい。
叔父は三人に対して頭を低くしているが、他の者に対してはかなりのワンマンぶりを発揮している。姉妹はそのことに対して文句を言っていないが、絶対に気を許していなかった。叔父を上手に利用しているにすぎないのだ。
今日は妹たちから報告を聞くだけでいい……。
菜津子にとっては、叔父が絡んでいるらしい帳薄上の不正よりも、先日の事件のほうがずっと深刻な問題だった。
* *
菜津子は学校の駐車場で、暗がりから出てきた男に突然、襲われた。夜の七時半頃で、日が落ちて、あたりはすっかり暗くなっていた。
その日、菜津子は学校の授業が終わった後で、鈴木と名乗る男から電話を受けた。
「三年生の鈴木の父だが、最近、娘の様子が変なので、会社の帰りに相談に行きたいから、六時半頃まで待っていていただきたい」
鈴木という名の生徒は何人もいるので、どの鈴木かと聞きかえそうとしたが、相手はよほど急いでいたのか、そのまま電話を切ってしまった。仕方なく、残務整理をしながら菜津子は約束の時間まで待った。
しかし、男は来ない。結局、七時すぎまで残ったが、いっこうに連絡がないので帰ることにした。
学校の裏に教職員用の駐車場がある。そこにはもう、菜津子のBMWと、宿直職員の車しかなかった。
菜津子が自分の車のドアに近づいたとき、いきなり若い男が背後から抱きついてきた。
悲鳴をあげようとすると、口腔に布切れを押しこまれた。若い男の力は強い。激しく抵抗したものの、すぐにその場に押し倒された。
犯される!……
そのとき、暗がりのなかを誰かが突進してきた。
突進してきた男と若い男の勝負は、それほど長くはつづかなかった。若い男が相手に蹴りを入れると、逃げだしてしまったのだ。
菜津子を助けに入ったのは中年の紳士だった。男はヨロヨロと立ちあがったが、すぐにまた座りこんでしまった。
北海道から仕事で上京した会社員で、竹田と名乗った。
「あなたは被害がないのなら、警察には届けないほうがいいでしょう。あれこれといやなことを聞かれますから」
竹田の言うとおりだと、菜津子は思った。それよりも、若い男に殴られた竹田の身体が気になった。「病院へ行って怪我を調べてもらいましょう」と言うと、竹田は「大丈夫です」と言う。
「その代わり、あなたの車でKホテルまで送っていただけますか」
菜津子は助けてもらったお礼の意味もこめて、Kホテルの部屋まで送りとどけた。竹田が足を引きずっていたので、そうしたのだ。
だが、部屋に入ると竹田は豹変した。結局、菜津子は若い男からの魔手からは逃れることができたが、中年紳士の抱擁は受け入れてしまったのだ。
* *
仕方ないわ。殺すって言うんだもの……。
菜津子は完全に被害者の立場をとることで、自分自身を納得させた。
それにしても……竹田という男は、どうして私を犯したのだろう? ホテルで二人きりになった途端、欲情したのかしら?……
そうとしか思えなかった。肉体的な交渉は、あのとき一度きりなのだ。菜津子が誰であるか聞かなかったし、金銭も奪わなかった。ただ帰り際に、「警察へ行ったりすると、あんたがバカを見るだけだよ」と言っただけだ。菜津子はつくづく、自分の感じすぎる肉体が恨めしかった。
身分を知られなくてよかったと思う。もしもそんなことにでもなっていたら、脅迫でもされかねない。
菜津子はホッとした。ホッとしたが睡魔が襲ってきた。暑い日だが、木々を渡って吹き抜ける風は心地よい。知らないうちに眠っていた。
男性器が体内に突き刺さる夢を見た。すごく気持ちいい……と思ったとき、目が覚めた。
菜津子は苦笑した。もっと夢を見ていたかった、というのが本音だった。
ロッキング・チェアから立ちあがったとき、身体の異常を感じた。股間の肉の裂け目がかなり濡れている。すぐに脱衣室へ入って、Tシャツと短パンを脱いだ。家にいるとき、菜津子はいつもノーブラである。
深い切れこみのパンティだけが、腰のまわりをぴっちりと包んでいた。誰も見ていないのを幸いに、壁面の大鏡の前で、菜津子は大胆に両脚を開いてみた。ベルギー旅行で買ってきたマリージョのパンティの中心に、大きくシミがひろがっている。
「いやだわ……」
クロッチの端から恥毛がはみだしている。そっと指をあてがった。案の定、ぐっしょりと濡れている。それも、ただ濡れているのではない。ぬるぬるしている。菜津子は自分が欲情しているのを認めざるをえなかった。
このままではおさまりそうもないかもしれない……。
思いながらパンティを脱ぎ捨てた。そのまますぐに浴室に入ったが、シャワーは使わなかった。
まだフタをしたままのバスタブの上に、両脚を大きくひろげて座った。男が縁台をまたいで座った格好である。壁面にはめこまれた化粧鏡に、菜津子の中心を彩る割れ日の全容が映った。
この奥に、男の太い肉棒が入ったんだわ……。
あの日の竹田という中年男性の、見事にそそり立った逞しい肉棒が目の前に浮かんだ。菜津子は、今までに感じたことのない淫情をはっきり自覚した。
あの男のせいだわ。そう、何もかもあいつが悪いのよ。私がこんなことをしてしまうのも……。
指が左右から陰唇を開いた。肉唇とともに、短い恥毛が離れてゆく。
こんなところにアレが入ると、どうしてあんなに気持ちよくなるのかしら?……
菜津子は、すでに濡れそぼって滑りがよくなっている膣口に、中指をそろりと押しこんだ。肉棒よりはるかに小さい。にもかかわらず、ツーンと染みるような快感が湧く。
「いいわァ……」
自らの気持ちを高めるつもりで菜津子は咳き、指をおさめた肉裂を目を細めて眺めながら、ゆっくりと抜き差しをはじめた。
「あっ、あああっ……」
のけ反りながら、極限にまで大きく両脚を開く。膣口がさらにひろがり、中指だけでは物足りなくなった。人差し指と薬指も潜入させた。
三本もの指を束ねると、快感は深まった。しかし、貪欲になった菜津子の肉体はそれでも満足せず、親指の付け根の肉の厚い部分でクリトリス全体を揉んだ。
「いいわ。それ、とってもいいッ……」
菜津子は、あたかも男に抱かれているときのように声をあげた。
独りで黙々とオナニーに耽るよりも、鏡を見ながらのほうが興奮度は高まる。淫蕩な姿には、名門女子学院の創立者の孫というプライドもなければ、高等教育を受け、上流家庭に育ったという認識もない。あるのはただ、欲情に支配された哀しくも逞しい女の業であった。
指と粘膜の間から淫らな音がたてつづけに発せられる頃になると、菜津子の身体は、歯止めがきかないくらい急速に燃えあがってきた。
潤んだ目に歯みがきチューブが映った。おろしたての新品で、チューブはソフトタッチの新素材である。菜津子はおもむろにそれを手にした。中身がいっぱい詰まっているので、とても重量感がある。しかもLサイズなので、まるで勃起したペニスを握っているようだ。
フタをとった。少し薄荷の匂いがする。チューブを肉棒にみたてて、今まで指のおさまっていた膣口に、徐々に挿入した。
思ったほど痛くない。いや、ほどよい硬さが充血した柔肉にしっくりくる。菜津子はチューブを五本の指で握った。出し入れすると、まるで肉茎をしごいているような錯覚がする。
「いいわ……もっと強くしてッ
!!
」
少し両脚をすぼめて膣口を狭める。異物と肉襞がせめぎあい、絡まりあう感じがたまらない。
「いきそうッ!……ああ、いっちゃいそうよ。あなた、出してもいいわ。かけてッ!!
私の子宮に思いっきりかけてッ
!!
」
菜津子の全身が硬直した。チューブを握りしめていた五本の指にも力が加わった。膣内に、男のザーメンの代わりに練り歯みがき粉が注入された。白い樹液のように熱くはなく、ひんやりしているが、薄荷が混入されているので刺激が強い。
絶頂に達したまま、菜津子はバスタブのフタの上にゴロリとあお向けになった。開いた両脚の付け根に突き刺さっていたチューブがポロリと落ちる。そのあとから、菜津子の秘液と体温によって溶けだした練り歯みがきが、濃厚なザーメンのようにドロドロと流れた。
そして、鏡に映った自らの放恣な肢体に、菜津子は言いようのない興奮を味わうのだった。
夕方になって、章子と芙由子が叔父の家から戻ってきた。
「煮えきらない男!」
勝気な章子が吐き捨てるように言った。
「私、かこってるホステスのこと、口にまで出かかったの。でもお姉さんが、それは絶対に言うなって言ったから我慢したわ」
「それは最後の切り札よ。毎月、女に払ってるお金だってかなりなものだと思うの。だって、マンションの部屋代だけでも四十万はくだらないんだもの」
「権利金やら敷金をいれたら、相当のお金を使ってるはずね。でも、お姉さんが詳しく調べているってことは、ほのめかしておいたわ」
「叔父さんは、章子お姉さんよりも菜津子お姉さんのほうが怖いんじゃないかしら」
三女の芙由子が言うには、章子は勝気な性格で思ったことを口に出すかわりに、執念深くない。対して菜津子のほうは、一見おとなしそうだが、物事に対する執着力がとても強いというわけである。
「まるで、私は蚊みたいね」
ともかく、叔父が不正を行なっている証拠を見つけるまでは監視を強めようということになった。
こういう問題にかけては、確かに長女の菜津子は粘り腰をみせるだけでなく、策士でもある。今年度の会計終末日である来年の三月三十一日まで、じっくり待とうということになった。
翌朝、菜津子はひとりだけ家に残った。鈴木と名乗る父兄から電話があったのだ。
先日は交通事故に巻きこまれ、約束の時間より一時間ほど遅れて学校へ行くと、宿直の先生しかいなかったと言って詫びた。
自宅へ行くと言う男に、菜津子は先日のいやな事件が脳裏をよぎった。だから、学校でお会いしたいと言っても、相手は、近くまで来ているからと、なかなか強引である。それに、男は菜津子の担当する時間割まで知っていた。
仕方なく家で男を待つことにし、菜津子は何人かの鈴木姓の生徒たちの顔を思い浮かべようとした。だが、どの生徒も曖昧にしか思いだせない。当たり前である。菜津子は担任をしていないのだから。
そうこうするうちに玄関のチャイムが鳴った。応待に出たお手伝いが連れてきた男を見て、菜津子の顔色が変わった。
「鈴木の父です」
男はにこやかに言ったが、目は笑っていなかった。その男はつい先日、ホテルで菜津子と肉体関係を結んだ竹田だったのだ。
お手伝いは事情を知らないから、すぐに応接室から立ち去ってしまった。
「声を出したら、あんたが損するぜ」
竹田は威圧的に言い放った。
確かにそのとおりである。ホテルでの出来事が強姦だと立証する証拠はない。むしろ、最後には菜津子のほうが、すすんで男を受け入れた感さえする。菜津子にはひけめがあった。
それにしても、竹田はどうして名前を偽ってまで喜多村家を訪れたのか、菜津子は理由がわからなかった。
「まずお手伝いさんを外出させてくれ。できるだけ遠方にね」
結局、菜津子は男の言いなりにするしかなかった。
菜津子の頭は混乱していた。先日、学校に鈴木と名乗って電話をかけてきたのもこの男なのだろうか。菜津子はそのことを問いただした。
「いや、偶然の一致だろう。おれは知らん」
竹田は平然とうそぶいた。そう言われてみると、電話の声はもっと若かったような気がする。
駐車場で私を襲った若い男が、遅くまで学校に足止めするために電話をかけてきたのかも……それにしては、なぜ竹田も鈴木と名乗ったのだろう?……
「竹田と言ったらあんたは会ってくれないだろう。鈴木なんて名前はどこにでもある。あんたの学校のように大勢の生徒のいるところじゃ、十人や二十人いても不思議はない」
それにしても、先日とそっくり同じ手口ではないか。本当に単なる偶然の一致だろうか?……
疑問は残ったが、菜津子は深くそのことにこだわらなかった。いつか真相がわかるときがくるはずだ。
「それで、いったいなんの用ですの?」
せいいっぱい毅然とした態度をとった。
「決まってるじゃないか。あんたを抱きたくなったんだ」
「冗談いわないで。この前、あんなにひどい目にあわせておきながら……」
「ひどい目だと?……これはお笑い草だ。あんたは恥も外聞もなく、あそこをビジョビショに濡らして歓んだじゃないか」
それを言われると、菜津子も唇を噛んで、ただ無言でいるしかなかった。
「簡単に言えば、あんたに一目惚れしたってことかな。駐車場であんたを助けるつもりが、逆に殴られてしまった。今となっては、あの若い男に感謝したいくらいだよ。少し手荒なことをしたが、これも一目惚れのせいと思って勘弁してほしいな」
男はもっともらしく自分の行動を肯定したが、菜津子は男の言うことをすべて納得したわけではなかった。いや、むしろあらゆる点で首を傾けたくなるようなことがあると思った。しかし、ここで疑問点を追求したところで、相手はのらりくらりと返答するだけに決まっている。
この竹田という男には、いざとなると何をするかわからない怖さがある。現に、先日もホテルで、騒いだら殺すと言って首に手をかけたではないか。あのときの目の光と手の力に嘘はなかった。今は広い邸に二人きりである。危険がいっぱいなのだ。
菜津子が言葉をさがしていると、竹田が近寄ってきた。あつかましくも、いきなり腰に手をまわす。菜津子は顔をそむけた。
ガラス戸越しに庭が見えた。老犬のロダンがじっと菜津子を見あげている。菜津子は立ちあがってカーテンを引いた。
「どうやら、その気になったようだな」
竹田の声に、菜津子は反射的に首を振った。違うわ、私はそんな軽い女じゃない……という意思をこめて。
「外から見えないように、カーテンを引いたんだろう」
小さいときから一緒にいるロダンに見られたくないと言っても、竹田はわかってくれないだろう。
菜津子はもう、竹田に抱かれる覚悟ができていた。シャワーを浴びるために廊下に出ようとした。だが、竹田は許さなかった。そのまま抱きすくめようとする。
菜津子はホテルでの出来事を思いだし、最後まで拒むことは不可能だという気がした。
男の顔に妙な自信の色が浮かんでいた。一度自由にした女、という気やすさがあるからに違いない。
何不自由なく、わがままいっぱいに育てられた菜津子は、男にしいたげられるのは我慢ならないことだった。だが一方で、不思議な現象が起きていた。何かを期待して、身体が熱く火照ってきているのだ。
竹田はいきなり唇を寄せた。口紅の匂いがする。甘くてセクシーな匂いだ。いつも思うことだが、口紅の匂いには、男の欲情をそそる何かがある。
竹田の唇が菜津子の唇を塞いだ。菜津子の顔が何度か不安定に揺れたが、すぐに静かに動かなくなってしまった。しかし、腰は引いている。
舌がこじ開けるようにして口腔に侵入した。つづいて唾液が送りこまれる。菜津子の気持ちを無視するように、舌や喉が男の唾液を吸引し、呑みこんでいく。身体の中心が微妙に熱を帯びてきた。
竹田が腰に手をまわして強い力で引き寄せた。男の胸板に菜津子の乳房が押しつけられる。それだけではない。下半身の恥丘のふくらみに、硬直したこわばりもグイグイと迫ってきた。
衣服が二人の皮膚をへだてているといっても、胸の高鳴りや肉棒の脈動が、じかに触れ合ったときと同様に伝わってくる。
菜津子はしだいに甘く切ない気分にさせられた。口のなかが痺れてきた。それでも合わさっている二人の胸の間に、なんとか手をこじ入れようとした。そうしたのは、女としてのプライドを守るための自衛的な手段であった。この女は男と寝たがっている……。そう思われたくないだけである。
「やめて!」
ようやく唇を離してかすれた声を出した。竹田が小馬鹿にした表情で菜津子を見、すぐに笑った。心にもないことを言っている……といった笑いである。そしてすぐにキスを浴びせ、さっきよりも深々と舌を送りこんだ。そうしながら腰を擦りつける。
男に抱擁されているという事実の前には、菜津子のおざなりの抵抗など、まったく無駄のようである。まず、ディープキスで酔わされてしまった。何もかも男に委ねてしまいたいと思った。そうしないのは、ほんの少しだけ残っている羞恥とプライドのせいである。
そのうちに、男の股間のふくらみが、前よりもいっそう力強さを増してきた。
下半身に意識が集中すると、すぐに菜津子の身体が反応をはじめてしまった。波打つリズムも速くなっている。
盛りあがったヒップの上に伸びている竹田の手は、後ろのクレヴァスに近い柔肉を静かに優しく揉んでいる。キュッとアヌスをすぼめてしまいそうな快感が、次々と湧いてくる。
いつしか菜津子は竹田の胸にすがりつくような格好になり、熱くたぎりはじめた股間を、竹田の硬直した一物に押しつけていた。時折り、いけないわ……という声が頭のなかのどこかで甦るのだが、すぐにはかなく消えてしまう。それだけ強い快感が、ひたひたと菜津子を押し包んでいた。
ずっと唇を塞がれていたので息苦しくもあったが、グングンとつのる切ないまでの性感から逃れようと、菜津子は顔を振り、腰を揺さぶった。
だが、そういう行為は、逆に竹田の情欲を刺激してしまった。竹田はソファの上に菜津子を押し倒すと、巧みに下半身を押さえつけて動きを封じた。
立ったまま抱き合っていたときはそれほどでもなかったのだが、横たわってまともに見つめられると、菜津子は恥ずかしさと自分のいやらしさをはっきりと感じた。まともに竹田を見ることができなくて、目を閉じた。
竹田にしてみれば、そういう女の仕草は、次なる行為をうながされているように思える。竹田は白いシルクのブラウスのボタンをはずそうとした。
「ああ、お願い……」
菜津子の声が哀れっぽくなっていた。
「どうして私なんかを……」
「まだそんなことを言ってるのか。あんたは美しい。一目惚れしたって言っただろうに」
竹田の手の動きは素早く、正確だった。あっという間もなくブラウスの前がはだけられ、菜津子の胸の隆起を覆うベージュ色のブラジャーが露出した。中年女がしているような頑丈そうなのではなく、美しい光沢を放つレース地のブラジャーである。
竹田はその下に息づく形のいい乳房に目を細めた。谷間の陰影までが新鮮である。左手で乳房の感触を確かめながら、右手を背中にまわした。ホックは簡単にはずれた。圧迫感が緩むと、乳房はいっせいに開放され、歓びに震えるようにブルンッと飛びだした。
いつくしむようにブラジャーでできた痕をなぞった。少年のように気持ちが昂ってくる。上品な女には、やはり上品な乳房がふさわしい。
竹田は、今までかかわってきた女たちの、さまざまな乳房を思い浮かべた。巨乳の女、貧弱な女などいろいろあったが、上品な乳房の女というのは皆無である。特に、乳首にいたっては、ほとんどの女が露骨に飛びでていて、過去の男たちの影がまとわりついているようなものばかりである。だが、いま目の前にいる女だけは違う。喜多村家の長女であり、女教師でもある菜津子の乳房は、まさに彼女だけにふさわしい美しくも上品なものであった。
竹田は好奇心旺盛な少年が初めて女体に接するときのように、胸をときめかせ、目を輝かせながら乳房に頬寄せ、そして口いっぱいに頬張った。
ホテルでは、どういうわけか、あまり乳房にかまわなかったな……。
乳房がもたらす粉ミルクのような匂いを敏感に嗅ぎとりながら、そんなことを思った。確かにホテルでは、肉体的結合を急ぐあまり、攻めたてたのはもっぱら下半身だった。
竹田は新しいポイントを発見した釣師のようにワクワクしながら、まるで幼児のように音をたてて乳首を吸った。もっとも、竹田のこうしたやり方には、多分にテクニック的要素が含まれていたことは否めない。ホテルでは焦らしに焦らして下半身を攻めたてた。今度は最初から、その反対で焦らしてやろうという魂胆だったのである。
竹田の執拗なまでの乳首の愛撫は、菜津子をとまどわせるに充分だった。まるで若者のようなひたむきな愛撫ではあるが、攻めるテクニックは心得ているから、ただ自分だけの欲望でガツガツしているわけではない。女をその気にさせるのが第一義という考え方を、この中年男は持っている。
だから、竹田の分厚くて柔軟な舌が柔らかい乳房を這うたびに、菜津子の身体にはおののきにも似た震えが走り、言いようのない快感が、乳房からダイレクトに下腹部の裂け目へ切ないまでの疼きを送った。
二十五歳の女体は、愛撫される歓びを素直に表わした。下腹部が一挙に燃えあがり、知らないうちに愉悦の呻きがもれてしまう。その声も、必死に抑えているのに自然と出てしまうから、まるでケモノが唸っているようで説得力がある。
男にとって、女の抑えきれない嗚咽を聞くことは励みになる。竹田の舌は左右の乳首を交互に移動して吸いつづけた。
初めはひっそりと埋もれていた乳首も、丹念に舐めつづけられると急速に膨張してくる。乳房と下腹部だけだった快感が、いつの間にか髪の毛や爪の先までひろがっていた。
こうなると、今度は一刻も早く割れ目を愛してほしくなる。男の太い肉棒で疼い疼いて仕方がない膣口にはめてもらいたくなる。犯されるという考えがなくなり、意識が肉交に集中する。もっとも、初めから死ぬほど抵抗したというわけではないから、犯されるという言葉は当たっていないかもしれない。
ただ、いつも菜津子の意識のなかに、自分は被害者であるという考えがあったとしても不思議ではない。竹田との結びつきが、あまりにも唐突的であったからだ。
竹田の指が、長さも幅もゆったりしたフレアスカートの脇のファスナーにかかった。そのときだけ菜津子はもがき、竹田の手を払おうとした。
「おっぱいがブルンブルンしている」
竹田のその声で、菜津子の反抗は中途半端なものに終わってしまった。女の本能とは、かくも滑稽なものなのか。菜津子は両手であわてて乳房を隠した。さんざん嬲られた後に羞恥心をみせる女の心の内が、竹田にはおかしくてならなかった。
赤くなっている菜津子に微笑を投げかけると、竹田は手品師のような素早さでファスナーを引きおろし、難なくフレアスカートを脱がせてしまった。ブラジャーと同色のベージュ色のパンティだけが、菜津子の身体を隠す唯一の布切れになった。
竹田はすぐに菜津子の両膝の間に身体を割りこませた。ぶざまな格好で男の前に裸身をさらす菜津子。自由を奪われているので身動きができない。両腕を交差させて、乳房を隠すのがせめてもの抗いだった。
パンティの中心の肉の盛りあがり方に、竹田は目を見張った。布地がぴったり皮膚にはりついているだけに、裸のときよりもかえって悩殺的である。恥毛の黒さが浮きでているので、なおさらだ。
「まったく見事としか言いようがないよ。神様に感謝したくなる」
竹田の呟きは、まんざらお世辞とも思われない。菜津子の心は微妙に揺れ動いた。恥ずかしいことに変わりはないが、男がそんなに歓ぶのなら、もっと見せつけたい気がする。菜津子は矛盾の真っ只中にいた。
「ヘアーが少ないのもいい。男のように毛深い女はゾッとするからね」
生温かい手がパンティのふくらみを撫でまわすと、菜津子は、もうそれだけで身をくねらせてしまった。
竹田は今にも顔が触れんばかりに近づけて、布地の下の黒い翳りに見入った。
男の熱く湿った息が、下腹や太腿の上にそよそよとかかる。薄布を隔てて恥ずかしい愛の突起が、まだ触られたわけでもないのにプアーッと膨張してくる。疼きながらニューッと突きでていくのが、菜津子にはとてもよくわかる。それはあたかも、パンティを押しあげていくかのようであった。
男の鋭い視線が、クリトリスの勃起現象をとらえるのではないか……。
菜津子のハラハラドキドキは、彼女自身を異様なまでの興奮状態に追いやった。
「うっ、うーん……」
いつの間にか、やるせない吐息が口をついて出る。
まったく不意に、菜津子は股間が切り裂かれるような衝撃を受けて悲鳴をあげた。竹田がパンティ越しに、上下の唇をすぼめるようにして押しつけたからだ。ただそれだけならどうということはない。竹田は唇を尖らせて、せりだしたクリトリスをすっぽり覆い、強く吸引しはじめたからたまらない。
「わわわわ--ッ」
菜津子の腰が躍り、乳房が痙攣した。
「やめて! お願い、いやッ
!!
」
「気持ちいいくせに」
そう言って、案外あっさりと竹田は離れてしまった。
空虚さが菜津子を襲った。なんだかひどい裏切りにあったみたいだ。さまざまな感情が心のなかを去来した。そのなかでもっとも大きな存在は、屈辱感と満たされない思いであった。
呆然としていると、竹田はヒップの後ろに手をまわしてパンティの縁に手をかけ、さっさと引きおろしてしまった。すごく馴れたやり方である。菜津子が露わになった股間を隠そうとすると、邪慳に手を払われてしまった。これで菜津子は素っ裸を男の目の前にさらしたことになる。
「動くなよ。楽しみを邪魔されたくないんだ」
竹田の身勝手な要求も呑まざるを得ない。囚われの身となった今は、ただ征服者の意に従うしかないのだ。
そうよ。そうするしかないんだわ……。
菜津子は観念して、ひたすら男の欲望たぎる視線に耐えることにした。
だが、見られているうちに身体全体が熱くなり、薄紅く染まってゆく。菜津子は心臓の鼓動だけでなく、子宮の疼きまではっきりと感知した。秘肉が蠢動するたびに生温かい愛液が、甘美な疼痛をともなって男の視線の集中しているあたりに滲みだす。
竹田は興奮し、息を詰めて凝視した。開いた太腿の付け根のわずかな隙間から、今にも溶けてしまいそうなサーモンピンクの肉片がのぞいている。
「綺麗な色だ」
嘘いつわりのない男の声は、二十五歳の女教師に、見られているが故にふつふつと湧き起こる欲望を意識させた。相手が恋しい男なら、恥も外聞もなく両脚を開き、嬉々として叫んだに違いない。ほら見て、もっとよく見てッ!!……と。
そんな妄想は突如として中断された。竹田が、まるで手刃を切るような格好で手のひらをこじ入れたからだ。指先のすべてを動員して、上下に亀裂をなぞる。身体はすっかりその気になっているが、菜津子は女のたしなみとして、わかりきったことを言わざるを得ない。女の本能というべきか。
「いや、やめて……」
案の定、無意味な抗いの言葉は完全に無視された。竹田は手のひらで恥丘全体を包みこむと、やわやわと揉みはじめた。おまけに指先の一部が潤んだ肉の裂け目にもぐりこむ。
「いやァーッ」
口ではそう言いながら、菜津子はより強い接触を求めて腰を突きあげた。
男の手がもたらす快感は、自分がひとりで戯れるときに較べると、数倍、いや十数倍も強烈で、菜津子は幾度となく愛液をほとばしらせて身をよじった。竹田の手のひらはすぐにぐっしょりと濡れ、男女の皮膚の触れ合いを、さらにいっそうスムーズなものにした。女陰が勝手に躍りだし、ほんの少しだけ食いこんだ男の指先を、もっと奥へ誘うかのようにひくつく。
「いい気持ちだろう」
竹田の勝ち誇った声がした。
もう、最高よ……。
思いきり叫んで、もっとはしたなく両脚をひろげたかった。
「そろそろしたくなったみたいだね」
竹田の無骨な指が少し奥へと進んだ。
「あッ……ああああァ……ハアン
……」
ここぞとばかり、陰核が逆撫でされる。
「ひい--ッ!」
「いいだろう。正直になったほうがいいよ」
菜津子は歯を食いしばった。だがすぐに、歯と歯の間からよがり声をもらしていた。
「ああ、もう許して……」
「おいおい、これからなのに、何を言うんだ」
「やめて、お願いよ。私、もう死んでしまいそう」
「それほどいいってわけか」
「ひどい人……こんなふうにされたら、私じゃなくても誰だって……」
「したくなるってわけか」
親指は肉芽を、人差し指と中指と薬指は膣口をうがち、小指はアヌス近くまで伸びて、ぬるついた愛液を塗りたくった。あちこちから連続して生まれるショッキングな快感に、菜津子はもう自制心を失っていた。
「してやるよ。たっぷりね……」
竹田は身悶える菜津子の身体を股倉からかかえこみ、後ろ向きに引っくりかえした。
このとき、男根のように束ねた三本の指がより深く膣に突き刺さったので、菜津子は裏返しにされながら腰を振りたてた。とても強い刺激を受けて、そうしないではいられなかったのだ。だが、ソファに菜津子が這いつくばると、すぐに指は引きあげてしまった。
腰がかかえこまれて持ちあげられた。膝をついてヒップを突きだす格好である。すごく恥ずかしい。動こうとしてみたが、がっちり押さえつけられていて、身動きできない。
「どうするつもりなの
!?
いやよ」
振りかえろうとした瞬間、アヌスに生温かい息がかかった。背中がしなった。髪を振りたてながら、菜津子は首をねじ曲げて後ろを見た。顔が、ぴったりとヒップに押しつけられている。
「あ--ッ、やめて!」
菜津子は悲鳴をあげた。女にとってもっとも恥ずかしいアヌスに、竹田がぴったり鼻を押しつけていた。
「不思議な匂いだ。悪くないぜ」
「悪趣味よ!」
「そんなことはない。あんたの美しい顔との対比がたまらない。いや、ここだけじゃなく、前のほうの穴もね」
菜津子は耳を覆いたかった。それなのに、どうしたというのだろう。身体は歓びに震えていた。
「何もかも丸見えだ。女を知るには、こういうスタイルにするのが一番いい。現実はこれなんだ。いや、誤解しちゃ困る。おれは気に入って言っているんだから」
言い終わると、竹田は長々と舌を突きだし、後ろから前にかけてパックリ割れている女のクレヴァスをペロリと舐めた。
突然訪れた衝撃的な快感に、菜津子は強い電流でも走ったように跳ねあがった。逃げようとする気持ちと、もっと舐めて欲しいという気持ちが複雑に交錯した。快さに膣の奥から愛液がドッと流れていく。
竹田の舌は、最初の一撃で自信を深めたとみえる。会陰部の柔らかい皮膚を優しく掃いたかと思うと、予告なしに割れ目を裂き、肉襞の奥へ突進する。そして重なり合った一枚一枚の肉片を掻きわけるようにして舐める。奥から次々と送りだされてくる愛液は舌を濡らし、喉を潤す。それだけでは飽き足らず、竹田は親指の腹を湿らせて、膣と連動してひくついていた可憐な菊の蕾をくすぐった。
菜津子の頭のなかがすべて空白になっていた。ただ股間だけが鮮烈な歓びに震えている。ともかく、感覚のすべてが股間に集中していたことは明白だった。
あっ、また出る……。
女の秘液は、湧くというより噴きだしていた。本能だけが菜津子を支配した。夢中になって股間を男の顔に押しつけたが、夢中になるというのはあくまでも傍目である。菜津子にはそうしている意識などない。
「ああああ--ッ
!!
」
「いいのか? ん?」
「ああ、いいッ
!!
よくってよ
!!
」
「どこだ? どこがいい?」
「そこよ! そこ……あなたが舐めているところ」
「はっきり言え!」
「…………」
「おま×こだろ
!!
」
「あああーッ、そうよッ
!!
そのとおりよッ! 私の……私のおま×こ
!!
」
菜津子が高々と絶叫したとき、望んでやまなかった太いこわばりが、グサリと股間の熱い粘膜をえぐった。それまでに充分に高められていた身体は、たちまち燃えあがった。
「よくってよッ
!!
いいッ……なんていいのッ。もう死んじゃう、死んじゃうゥゥ……」
菜津子もまた、竹田の迫力あるピストン運動に合わせて、激しく大腰小腰を使った。
「気持ちいいだろう。さあ言え……一番気持ちいいところを!」
硬くて長大な肉棒をドリルのように叩きこまれ、こわい恥毛をアヌスにぐりぐり押しつけられては、たまったものではない。菜津子は声高らかに、淫らがましい四文字の言葉を繰りかえし叫んだ。もう終わりは近かった。
「して、して、してッ! もっときつく……ああ、たまんないッ!!
いっちゃいそう……あああ、どうしよう、なんとかしてえ!!」
「お、おれもいく! 出そうだ
!!
」
「出して
!!
出して--ッ
!!
いくわ……いくいく……いくう--ッ
!!
」
いきなり括約筋が万力のように締めつけ、すぐに痙攣しはじめた。さすがに経験豊かな竹田もたまらず、満を持していた樹液の弁を開放した。
「熱い!」
その瞬間、菜津子は叫んだ。肉棒から放たれた歓喜の樹液は、長々とたてつづけに秘孔深くへ注がれた。同時に菜津子の愛液も次々と噴出を繰りかえし、衰えを知らない剛棒をしとどに濡らした。
室内にたちこめた性臭のなかで、菜津子はすっかり自らの立場を忘れて、夢うつつの世界を漂っていた。短い時間なのか、長い時間が経過していたのかさえ菜津子自身にはわからない。
突然、閃光が走った。一度や二度ではない。たてつづけにである。菜津子は頭のなかで、まばゆいばかりの光がはじけ散ったことをうっすらと覚えていた。そのつづきかと思った。
菜津子は半失神の状態から完全に目覚めた。男が後ろからヒップにはりついている。
まだ、この人ったら……。
呆れたように振りかえったとき、またも閃光が浴びせられた。竹田が身体をつなげたまま、連写式のカメラを構えていた。再び光が走った。菜津子はわけもなく悲鳴をあげた。光が次々と菜津子を襲った。
第三章 菜津子 羞辱と悦虐
「お姉さん。誰かいい人でもできたの?」
学校が夏休みに入ると、三人姉妹はそろって旅行をするのが恒例になっていた。今年は一週間の予定でハワイに行こうと章子が切りだすと、菜津子は曖昧な理由をつけて断った。いつもは真っ先にハワイの別荘へ行こうと言うのに。
「いろいろやりたいこともあるし……ほら、例の叔父さんの横領の件。あのことで調査員を頼んであるの」
確かに、喜多村家専属の会計士とは別に、専門の調査員を頼んでいた。
「あなたと芙由子ちゃんでゆっくりしてきなさい」
こうして、次女と三女はハワイに旅立った。一人残された菜津子は、いやらしい写真を撮られているという弱みから、竹田の呼びだしに応ぜざるを得なくなっていた。
竹田は自分の住所を教えなかった。飯田橋近くのビルに貸机と電話を借りて、何か仕事をしているらしい。そこに電話をすると、ときには本人も出ることがあるが、たいていは留守番役の女性が出て、きちんと連絡だけはとれるようになっている。
「あなたの仕事は何なの?」
ある日、ラブホテルに呼びだされたときに聞いたことがある。
「官庁の外郭団体がやっている保健療養施設に、いろいろな品物を納入しているのさ。もっとも、単なる口ききだけど、けっこうな手数料が入るんだ」
確かに竹田の服装はセンスがいい。それに、初めのうちこそぞんざいな口をきいたが、普段は人当たりの柔らかいしゃべり方をする。それは決して装っているのではなく、自然と出てくるものらしい。
菜津子は、一目惚れしたという竹田の言葉を信じたかった。それなら、彼の不当な行為を許せるような気がした。
しかし、いざとなると菜津子は冷静だった。自分は将来、私立S学院の女教師という立場を離れ、学校経営とその関連事業の中心人物とならなければいけない立場である。素性の知れない男に惚れてはいけないのだ。
ただ、そこまで冷静に思っても、竹田と会ってしまえばセックスにのめりこんでしまう。
危険だな……と思った。それに、なぜ竹田が淫らな写真を撮ったのかが解せなかった。
何かに利用しようとしているのではないだろうか?……
だが、竹田は写真のことについては何も言わない。単なる趣味、あるいは記念として写したとは思えない。だから菜津子は、表面上は竹田に従順であるように思わせた。同化したように見せかければ、そのうちに尻尾を出すかもしれない。そのときは、財力にものを言わせて解決すればいい。
もしも竹田に企みがないときは……。
菜津子は決して惚れたりはしない。その場合も、金の力がものをいうはずだ。
菜津子は竹田の出方を用心深く待つことにした。二人の妹がハワイへ行ったことは竹田には内緒である。家に来てもらいたくなかったし、世間で噂にでもなったりしたら、自分の将来や学校の信用に傷がつくからだ。
竹田からの要請があると、できるだけ目立たない格好をして外出した。家は無人にするわけにいかないので、通いのお手伝いに泊まってもらうことにした。
その日も竹田から呼びだしがあり、菜津子は自分のBMWを使わずに、タクシーで出かけた。無線タクシーを呼んで乗りこんだとき、菜津子は、近所に古くからあった家がいつの間にか取り壊されて、空地になっているのを見た。
どんどん空地が増えていくけれど、こんなに遊ばせておいて、いったいどうしようというのだろう……。
ふと疑問に思ったものの、菜津子の頭のなかは、竹田との肉交で占められた。脅されて仕方なく抱かれるポーズをとっているものの、その実、身体は竹田を待っていた。
竹田の指名したホテルは、菜津子にとって聞き覚えのないものだった。タクシーの運転手の手前、ホテルの近くで車をおりた。電柱に貼りつけてある標識から判断すると、ホテルは近くにあるものと思われる。しかし、あたり一帯はそう賑やかでない商店街である。
そこは麻布十番からそれほど遠くないところだった。菜津子は仕方なく、竹田から聞いていた番号に電話をした。なんと、そのホテルはすぐ目の前の、まったく目立たない小路の突き当たりにあった。小路の入口に『A・イン』という小さな看板が出ている。表から見た限り、まったくホテルらしくないホテルだった。パリの下町にある商人宿といった感じである。
だが、なかに入ってみて仰天した。竹田はすでに指定した部屋で待っていた。
部屋はかなり広い。床はすべてビニールマットが敷き詰めてあり、ダブルベッドははるか片隅にポツンと置かれている。ちょっとした道場か体育ジムといった趣きである。中央に木馬が置かれている。ただの木馬ではない。背中が切りたった三角形になっている。壁面には、いくつかの西洋甲胄が並んでいた。
何よりも菜津子を驚かせたのは、ベッドのすぐ脇に隣室へ通ずるドアがあり、その奥に鉄格子の牢獄部屋があったことだ。
「びっくりすることはないよ。このホテルの部屋はすべてこれに近い造りになっているんだ。つまり大人のお遊びをするところさ」
部屋も竹田も、すべてが無気味だった。
「さあ、裸になるんだ」
有無を言わさないといった面持ちで竹田が睨みつけた。
「お願い。暗くして」
「駄目だ」
ためらっていると、竹田が寄ってきて、たちまち衣服を剥いでしまった。菜津子は処女の娘のように、抗うこともできずに立ちすくんでいた。
「どうした? 下着ぐらい自分で脱げ!」
心なしか、竹田の声がうわずっている。仕方なく、菜津子は竹田がじっと見ている前でブラジャーとパンティをとった。
女にとって、下着を脱ぐ姿を見られるのは、ひどく恥ずかしく、屈辱的な瞬間である。そのくせ、菜津子の身体は火照っていた。恥ずかしさからくるものではなかった。明らかに、菜津子は性的な感覚に襲われていたのである。
両手で胸と下腹部を隠して、竹田の前に立った。
「本当にあんたの身体は美しい……」
竹田は目を細めながら、自分も衣服を脱いだ。すでに肉棒は隆々と勃起していた。竹田はそれを誇らしげに剥きだしにしたまま、冷蔵庫から缶ビールを取りだし、菜津子をうながしてバスルームに入った。
バスタブのなかで、竹田は菜津子にビールをすすめ、自分も美味そうに飲んでいる。
どうせ、今日もセックスプレイに溺れるんだわ……。
菜津子は、いっそ感覚を麻痺させたほうが気が楽になると考えて、負けずに飲んだ。
「その調子、その調子だ……」
はしゃいだ声を出して、いきなり竹田が乳房をまさぐった。
心地よい痺れが全身にひろがってくる。菜津子は大胆にビールをあおった。もっともっとハレンチになりたい一心からである。
この男は私に、いったい何を求めているのだろう?……
そういう疑問は常につきまとう。しかし、いま菜津子がそのことについて結論を出すことは不可能なのだ。相手次第だと諦めるしかない。問題が起きたら、そのときは断固として立ち向かうだけだ。金がものをいうに違いない。
「楽しくやろうぜ」
「ええ……」
竹田が菜津子の手をとって、勃起に導く。菜津子は少しだけ、女のたしなみとして恥ずかしさを表情にのせた。そのくせ、手はしっかりと硬直した肉棒をつかんでいた。
「ふう--ッ」
竹田が目を細める。
「袋も触ってくれ」
菜津子は言われたとおりにした。勃起はますます力を得て、力強い脈動が手のひらに伝わる。脈動は菜津子にも微妙な衝撃波となって下半身を疼かせた。
そうなると、切れこみに自然と露が溢れてくる。むず痒くてたまらなくなる。じっとしていられないから、腰がひとりでにもぞもぞと動いてしまう。膣がキュンッと締まった。快感が走る。
「触って……」
菜津子はもっと酔いたいと思った。酔ってしまえばなんでも言える。
「ねえ、触ってほしいの」
「触ってるじゃないか」
竹田の二本の指が、もうとっくに尖った乳首を挟みつけて、小刻みに振動させている。とても気持ちいい。けれども菜津子が触ってもらいたいのは、もっと別の部分だ。
「違う……下のほうよ……触って……」
「え
!?
」
とぼけた顔で竹田が菜津子を見た。
「下だって?」
「そう、早く……」
「下のどこ?」
「早くして……そうじゃないと、私も触ってあげないから」
いつの間にか甘い声を出していた。
「触ってあげるさ。だから言ってごらんよ。触って欲しいところを」
「……お……」
「思いきって!」
「……お……おま×こ
!!
」
菜津子は目を閉じて、淫らがましい四文字の言葉を口走った。思わず握りしめている手に力がこもる。
「早くゥ!」
いきなり竹田の指が秘肉を割って、濡れた膣をうがった。
「ううッ……」
タイミングよく腰が突きだされる。
「いい……とってもいいわ……」
竹田が指の抜き差しを開始した。菜津子も負けじとこわばりをしごく。
二人の動きにつれて、湯面が激しく揺れてピチャピチャと波立つ。開いた両脚を交差させるようにして、二人は興奮の頂点へ駆け昇った。
手のなかの太いこわばりが、ビクビクッと震えながら膨張した。
「出るよ……出るっ
!!
」
「出してッ
!!
いいの、出していいわッ
!!
」
竹田が気張った。全身が硬直する。菜津子の秘口に侵入していた指の動きもとまる。
いきたいッ!……と思い、思いきり蜜壷をすぼめた。キューンッと全身に強い快感が走ったが、絶頂までに至らない。
そのとき突然、目の前の湯面にパッと白い花が散った。菜津子はその美しさに見とれた。白いものは湯のなかにゆったりとひろがっていく。
「まあ、綺麗……」
菜津子は勃起を手離して、白い樹液を手のひらですくった。しかし、それはすぐに幻のように拡散してしまった。
竹田がビールを口移しに飲ませた。二人はザーメンの匂いのするバスタブのなかで、しばし戯れた。そうこうするうちに、竹田の分身が再び勃起しはじめた。
男の人って、女より強いのは当然なんだわ……。
菜津子は勃起を握りしめたまま「出ましょうよ」と言った。そして、小声で「したくてたまらないの」と呟いていた。
バスタオルで裸身を拭いていると、菜津子は急激に尿意を催してきた。
ビールを飲みすぎたからだわ……。
菜津子は素っ裸であたりを見まわした。
「どうした?」
横に立った丸裸の竹田が、勃起した剛棒を揺らしながら聞いた。
「おトイレに行きたいの」
竹田が笑った。妙に含みのある笑いである。
「ねえ、おトイレはどこ?」
「あそこだよ」
竹田が顎をしゃくった。
「
!?
…………」
菜津子にはわけがわからない。だだっ広い部屋の片隅に、一段高くなった場所がある。高さは二十センチほどだ。その一角がほの暗い。
「ほら、あそこに便器がついているじゃないか」
あっと思った。確かに、一段高いところにキンカクシがある。今までは薄暗い一角なのでまったく気づかなかったが、そう言われてみると、和式トイレである。ただ、まわりに遮蔽物はいっさいない。
「な、何よ? あれ……」
「トイレさ。他にはないよ」
「いやだわ。嘘でしょう」
「本当さ。早くしておいで」
酔ってはいたが、このときばかりは、さすがに従えなかった。
「このホテルはそういうホテルなんだ。何も恥ずかしがることはないさ」
「お願い、見ないでね」
普通の感覚だったら逃げだしていたかもしれない。そうしなかったのが、菜津子本人にも不思議な気がした。
「ね、約束して……見ちゃだめよ」
菜津子は片隅に向かって駆けだした。
便器は、わざとそう設計したのか、隠すものがいっさいない。ただ平面の枠があるだけだ。排水口が前についているところをみると、前向きの姿勢をとれというのだろうか。菜津子は便器にまたがった。
「駄目! 見ちゃ駄目……」
ベッドに座って、竹田が菜津子を眺めている。両脚の付け根から宙に向かって突きでたこわばりが異様であった。
菜津子は股間を隠しながら便器にまたがった。我慢に我慢を重ねていたので、しゃがんだ途端に条件反射さながらに小水がほとばしった。
ホッとした気持ちと、恥ずかしさで頭のなかが混濁した。そのとき、人の気配がして顔をあげると、勃起を揺らしながら竹田が前に立っている。
「イヤーッ!」
菜津子の悲鳴など気にすることなく、竹田がそのまましゃがみこむ。小水は、竹田の顔の三十センチほど前で、飛沫をあげている。
「いやよ、いや……」
しかし、一度堰を切ったものは、いかに括約筋を締めてもとまるものではない。
「あああ……」
菜津子は両手で顔を覆ったまま放尿をつづけた。かつて、これほど恥ずかしいことがあっただろうか。
「なるほどね。よくできてる」
ほとほと感心した様子で、竹田は子供のようにかがみこんで見つめる。
放尿の時間が、どれほど菜津子にとっては長く感じられたことか。実際、ビールのせいで普段よりも長かったことは否定できないが。
ようやく終わって後始末をした菜津子は、逃げるようにバスルームへ駆けこもうとした。竹田が足首をつかむ。菜津子はその場に倒れた。大きく両脚が割れ、割れ目が竹田の顔の前で、花が開いたように露わになった。竹田はそこに顔を埋めた。
「ああっ、汚いわ……駄目、洗ってくるから……」
脚をバタつかせたものの、竹田にがっちり固められると身動きができない。男の舌が、たった今、小水をはじきだしたばかりの粘膜の間に差しこまれた。
「ひい--ッ!」
複雑な感情にとらわれながら、菜津子はもがいた。やがて諦めたように静かに身を委ねてしまった。竹田がまるで犬か猫のように、汚れた性器を舐めているということに、不思議な感慨があった。舌先は明らかに尿道を狙っている。菜津子は大胆に両脚を開いた。竹田の唇が割れた秘唇にぴったりとはりつく。そこから、男の口のなかにすべてが吸いこまれそうな感覚である。
「あッ……アーン……ふう……」
歯が陰核に当たり、舌はまわりの粘膜から膣口の肉片まで、くまなくくすぐる。それにともなって、鋭い疼きが乳首の先にまで突きあげてきた。菜津子は自らの手で両方の乳房をかかえこんで揉みしだいた。
性感はくんぐんと高まり、蜜壷がトロトロの粘液でいっぱいになった。竹田の舌がそれらをチュルチュルと吸引する。
菜津子はアヌスをすぼめた。ゾクッとする痛いような快感が、膣口から子宮へと伝わる。舌はまるで男根のように、肉襞を抉りだしたり入ったりしている。潤みきった菜津子の瞳は夢でも見ているように覚束なく、天井に向けられていた。
奇妙な室内調度品に囲まれながら、ひんやりとしたフロアに素っ裸で横たわっている自分が信じられなかった。マゾヒスティックなセックスに免疫性がなかったが故に、菜津子を襲った快楽の波は強烈で、刺激的であった。
菜津子は浮遊した。濃厚な愛液がとめどなく秘唇に流れだす。それらを竹田は音をたてて吸った。吸うだけでなく、ときには柔肉に歯をたてたりもした。
「あ--ッ……あうゥ! う--ッ
!!
」
陰核が軽く噛まれると、菜津子は身悶えながら弓なりに反りかえり、陰阜全体を竹田の顔に押しつけていった。
「もっと! もっとよッ……ああ、なんていいの……死んじゃうわ……もう、どうにかなっちゃいそう」
官能の炎に包まれて、菜津子は悶え狂った。
ともすれば竹田ははね飛ばされそうになる。それでもなんとか両脇に太腿をかかえこんで腰にしがみつき、粘膜を舐め、クリトリスをしゃぶり、膣口をうがつ。それもこれも、女の心から歓喜する姿を見たいからにほかならない。
菜津子は我れを忘れて肉の歓びを貪欲に吸収した。歓喜の声を高々と放ったあとに、急にすすり泣いたりもした。
「そんなにいいのかい?」
股倉のほうから男の声がする。菜津子は返事の代わりに、やるせなさそうに恥毛を指先で撫でまわした。令嬢として、長女として、女教師として、口には出せない菜津子の心情が竹田にはよくわかる。
もっと狂わせてやるぞ……。
女の狂態を見ることは、男にとって大きな歓びである。竹田は目の前でパックリ口を開いている淫裂を、下からペロリと舐めあげた。菜津子の腰がピクンッと跳ねる。今度は舌を遠去けて、指先で尖ったクリトリスをいじる。膣口がキューッと締まり、奥から絞りだされるように媚液が溢れた。
顔を低くして、もう一度同じことを試みた。後ろの肉のすぼまりがググッと収縮する。もちろん前の穴も。括約筋が乳しぼり器のように働く。
竹田は舌と指を使って、股間のあらゆる部分を刺激した。菜津子はのけ反ったり腰を震わせたりして、快楽のとりこになっている。竹田は女陰にとりつきながら、上目づかいにそんな女体のさまざまな表情を愉しんでいた。
「ああ、入れてッ……もう駄目、入れて欲しいの
!!
」
切実な菜津子の声だったが、竹田は聞き入れない。今度は今までのように強く接触する方法を避けた。さんざん興奮させられた後なので、菜津子は焦れに焦れた。それでもなお、竹田の舌は左右に開いた陰唇の縁を、チロチロとくすぐるだけだ。
「もっとしてッ
!!
強くしてッ
!!
お願いよ……いや、それ……もっと強くしてッ」
菜津子はもう泣き声になっていた。羞恥心も屈辱的意識も、理性にかかわるあらゆる感情は、切ないまでの官能の波に呑みこまれてしまい、菜津子は本能のおもむくままに訴えた。
「してッ! 早くしてッ
!!
」
「してやるさ。でも、まだその前にすることがあるんだ」
言うなり竹田は軽々と菜津子をかかえあげ、木馬の上にまたがらせた。
馬の背が三角錐の頂点のように尖っているので、ペッタリと腰を落とせない。仕方なく、菜津子は馬の腹の両脇にたれているあぶみに両足をかけ、腰を宙に浮かせるしかなかった。身体が不安定に揺れるので前傾姿勢をとり、馬の首にしがみつく。自然とヒッブが浮く。すかさず、竹田が後ろから舌を突きだした。
「キャ--ッ!」
舌は的確に、割れたヒップのクレヴァスにひっそりと咲いた菊の蕾をとらえた。菜津子は全身をぶるぶると震わせた。そうすると、ますます身体の揺れがひどくなる。揺れるといっそう強く首にすがるから、どんどんヒップが持ちあがる。
舌は肉のすぼまりを貪り、指先はしとどに淫汁をたれ流す肉の裂け目をなぞった。
ショックと快感が同時に菜津子を襲った。死ぬほど恥ずかしいのに、とびきり上等の快楽が次々に湧く。今までこんなに惨めな姿をさらしたことはないのに、すさまじいまでの官能の波が、菜津子を忘我の境にさらっていった。
竹田は、菜津子の内腿から馬の背にたれる淫汁まですすった。
高々と突きだされたヒップの中央がパックリと割れ、色あいを濃くしたピンクの淫裂が長々と下腹部へとつづいている。その一部には飾り毛が黒々と生え、そこには淫水が光っていた。よく見ると、細かい肉襞は生きている貝さながらにパクパクと息づき、肉棒の到来を今や遅しと待っている。
「おま×こしてえ--ッ
!!
」
途方もない菜津子の絶叫だった。
すぐに菜津子はベッドに運ばれた。点々と淫汁がフロアに染みをつくる。
二つの枕を腹の下に当てがわれ、犬のように四つん這いにされた。すべてを男の目の前にさらしても、もはや羞恥心はなかった。むしろ全容をさらすことに悦びさえ感じた。
「早く……早くッ
!!
」
ヒップの下で、割れた裂け目が催促するようにパクパクした。
もはや竹田自身も限界に近かった。両手でヒップの柔肉をグイッと分けた。アヌスとともに、膣口が横にひろがった。愛液がツツーッと流れでた。そこへ、いきなり太い肉棒を突き刺す。粘膜の裾がゴムのように伸びて、その先端が亀頭と一緒に膣内に潜りこむ。
「うう--ッ
!!
」
菜津子は腰をねじるようにして男のこわばりをとりこみ、高々と尻肉を突きだした。
ズボボボッ……。
なんともいやらしい音がして、二人の擦れ合う粘膜の間から淫水が湧出した。
「うううッ……たまんないッ
!!
」
菜津子は真実の叫び声をあげた。膣肉が肉棒をグイッグイッと締めつける。そして菜津子自身もキューンと身が締まる思いであった。脳天が痺れ、瞼の裏がはじけそうにチカチカする。
竹田が突き刺した肉棒を軸にして腰をグリグリまわすと、アヌスに密着した強い恥毛がその周辺をくすぐる。
「ああ、気持ちいい--ッ」
菜津子は男のピストン運動のように腰を使った。二人の動きは、引けば引く、押せば押すで見事に一致した。
「そうよ。そうよ……してッ、もっとして! イッちゃいそう。気持ちいいのッ……あああ--ッ、もうだめ!!」
「おれもだッ
!!
出ちまいそうだ
!!
」
竹田も叫びつつ、いっそうピストンのスピードを速める。
「きちゃう--ッ
!!
かけてッ
!!
いっぱいかけてッ
!!
私、イクッ……ほら……ほら……ああああ--ッ
!!
」
淫水をしたたかに肉棒に浴びせられると、肉棒の先端からは熱いザーメンが一挙にぶちまけられた。菜津子は夢の世界に漂った。
「まだまだ、これからだよ……」
柔らかくなった肉棒が再び膨張したのを感じたとき、菜津子は、得体の知れない男との奇妙な関係が、いったいいつまでつづくのだろうかとぼんやり考えながら、少しずつ腰を動かしていった。


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