本文へ移動Skip to content跳到正文跳到正文
日本と世界のBDSM映像アーカイブThe BDSM video archive — Japan & beyond日本与全球 BDSM 影像资料库日本與全球 BDSM 影像資料庫
小説Novel小说小說

M穴地獄 デッドライン · 第3部

M穴地獄 デッドライン 第3部 (3/3)
前の話

「だめだ。おまえが逝くときに一緒に処刑してやる。すごいぞ、最高のエクスタシーを得られるぞ」

残酷すぎます。

彼は何度も何度も、反対へ回しては激痛を与えるので、それだけでちぎれ飛んでいてもおかしくないのです。

そこの感覚は奇妙に麻痺していくのですが、膣内で粘膜を痛めつけているゴムによって、実際にまた奇妙なオーガスムが起こりそうになっていました。

「だめっ、逝きません、ぜったい、逝かないからあああ」

「強情張るなよ。好きなくせに。いつまでもやってやるぜ」

男は穴にローションを足しました。

「だめ! そんなの……」

ドリルがうなり、体が引きちぎられる恐怖の中で、目はすっかり霞んでしまい、なにがなんだかわからなくなっていきました。

「ううう、ひどい、ひどいぃぃぃぃぃ」

苛烈な衝撃の中で、体が燃えてしまいました。

ガツン、ガツンとクリが強烈に引っ張られるたびに、いじいじとした痛みが脳に麻薬のような物質をとろりと流し込み、私は全身がひきつるようなアクメの中にいました。

「逝くぅ、いっちゃうぅぅぅ、だめぇぇぇ」

彼は笑い、ドリルを操りました。

わずかに肉芽は抵抗をしたのですが、細い紐が食い込み、次の瞬間、ぶつっとちぎれ飛びました。

「ぎゃっ!」

顔に血と淫水が飛んできました。

「どうだ。すごいだろ」

彼は紐にくくられた指先のような物体を私に見せました。太い針が打ち込まれた哀れな感覚器官。

ガクガクと体の震えが止まらず、唇も震えていました。

「お別れのキスだ」

唇に押しつけられました。血の味。

「かわいそうだから、止血がてら、おもしろいことをしてやろうな」

性器が壊れているのは明らかでした。引きちぎられた肉芽のあとは醜く深い傷になっていたのです。

そのため、ポッカリと開いたままの膣口の上の尿道口まで、はっきり見えていました。

釣り針のついた鎖を使って、べとべとの小陰唇を吊します。左右に大きく引き伸ばしたので、余計に陰部が剥き出しになりました。

「こんなものをつけてやろう」

五百円硬貨ほどの大きさの金具。円周をギザギザに切った円盤の、ギザギザ部分を折り曲げてスパイクのようにしたもの。

それを傷ついたクリのあったところにあてました。

「カッコいいぜ」

それをぐいっと押しつけて、刺したのです。

ガツンと頭を殴られたような衝撃でした。クリトリスは陰核だけではなく、その感覚器官は陰部を飾るように左右に伸びているので、金具がそこに突き刺さると強烈すぎる痛みでした。

体重をかけてねじ込まれました。銀色に光る円盤が埋め込まれたのです。

「これだけじゃ、落っこちるかもしれないから」

銀色の金属棒を手にしています。ボールペンほどの太さで先端は丸くなっており、なめらかです。

「わかってるだろ、小便たれ」

尿道口にずぶりと差し込みました。

「ぐはっ」

ずるっと押し込まれて末端がわずかに出るだけになったとき、その先端は膀胱の底にあたって、気が遠くなるような鈍い痛みを発生させています。

「これだけじゃおもしろくないよな」

焼けたハンダゴテを手にすると、円盤とその棒をハンダ付けしはじめたのです。

「うぎーっ、熱い! 焼けるぅ、焼けちゃうぅぅ」

溶けたハンダが円盤と金属棒をくっつけながらも大量にあふれて流れ落ち、陰部と尿道口を焼いています。丸く玉になったハンダがころがって、腹部にも落ちてきます。

「ぎゃー、だめー、焼ける!」

乳房の下で止まったハンダが肉を焼いています。

そのためにスノコの上におっぱいを突き出させたのでしょうか。ハンダの玉が通った腹部には黒い火傷の筋ができています。

「安心しろ。尿道なんていらなくなる」

気が変になってもおかしくないほどの暴虐です。

自分のやったことが気に入ってるのか、彼はゴム手袋をつけて、膣の中に突っ込んできました。

「感じまくりやがって。子宮がこんな近くにあるぞ」

「あっ、あっ、そんなっ」

激しいアクメの余韻からか、彼の手を感じながら膣は最後の最後まで、私に快感を送り続けたのです。

彼はズボッと手を引き抜くと、釣り針を人差し指と中指の間に挟みました。そして再び、押し込んだのです。

「おまえさ。あんこうの吊し切りって見たことあるか?」

「むむっ、はっ、はっ、はっ」

彼がやっている苦痛に耐えるだけで精一杯なのです。

「どうかな、うまくいったかな」

「ぐぎゃぁあぁ」

彼は手を引き抜きましたが、釣り針はなく、そこからのびている鎖が二本、残されていました。

それを彼は上の金属板の穴に通して、引っ張りました。カツン、カツンと鎖が穴を越えていくたびに、私の内臓がひきずり出されていくのです。

「もうちょっとだな」

体重をかけるようにして引っ張りあげると、釣り針を深く飲み込んだ子宮らしき部分が膣口から飛び出しました。

それもまた、あれだけ私にすごい快楽をもたらす器官だったのに、こうして引きずりだされると、あまりにも小さな肉片なのでした。

T

-2

手記9 肛虐ざんまい

彼の荒い息と、私の悲鳴のようなか細い呼吸だけが、殺風景な拷問部屋に響きわたっていました。

ここで死ぬんだなと、はじめて連れて来られたときに感じました。

いま、彼は私の中から女性ならではの器官を引きずり出して吊し上げていました。

ぬらぬらと光るピンクの物体を、彼は大きなハサミで私から切り離したのです。

生きながら解剖されていく……。

それは錯覚でもなでもなく、いま目の前で展開されているのです。

「しばらく生きていられるぐらいの止血はしてやるから」

ハンダ鏝で肉を焼いて切断面を針と糸で閉じました。

苦しみながら最後を迎えることが確実になりました。

「仕上げだ」

彼は奇妙なグローブを手につけました。鋭いトゲが銀色に光るグローブです。指から甲まで、大小のトゲがびっしりと植えられています。

「どうだ。最後のフィストだ」

握り拳をつくると、指の部分は比較的、小さなトゲで、甲には大きなトゲになっていることがわかりました。

「どんな感じがするかな?」

そのグローブでスノコから飛び出ている乳房を撫でました。

「ひっ」

たちまち皮膚が破れました。

「うれしいか」

「はい……」

「どうしてほしいんだっけ?」

「お、お願いします。私のマンコをそれでズタズタに……」

言ってすぐに気絶しましたが、すぐ回復させられます。

「じゃあ、楽しめよ」

彼が拳をぽっかりと開いた膣に入れていきました。

「ぐひっ!」

正気と狂気の間、幻想と現実の間に私はいました。

強引に拳を押し込んで、私の中でこねるように手を動かす彼。

ズタズタにされていく私。

こうなることは、最初からわかっていたのです。

この部屋にはじめて連れ込まれたとき。女主人から彼に売り飛ばされて、私の部屋では十分に楽しめないからと、服さえも持ち出しを禁じられ、全裸で縛られ、ドラム缶に押し込まれ、トラックで運ばれたのです。

ドラム缶から出されて、荷台から砂利の上に突き落とされると、そこは澄んだ冷たい空気に支配された山の麓でした。

遠く、山頂に雪が残る山々が青く連なっています。その上を飛行機雲が一筋、漂っていました。

三階建てのコンクリート造りの建物は、人の住んでいる気配はありませんが、廃墟でもなく、彼一人で住んでいるようでした。

しかし、彼が鋭く指笛を鳴らすと、ドドッと地面を駆る音を響かせて巨大な異形の四足歩行の生物が二頭、現れたのです。

首輪はしていても、つながれていません。敷地内で自由にしているのです。

彼に甘え、倒れている私に警戒していました。

「いずれ、こいつらに挨拶させるよ。おまえはきっと気に入るだろうね」

思った以上に怖い人なんだと気づきましたが、泣いても叫んでも、どうにもなりません。

彼は縄で絞首刑に使うような輪をつくり、首にかけました。

「うっ」

ネクタイのようにぐいっと締めたのです。

「うれしいだろう。いつでも死ねるな」

「まだ、死にたくない……」

「わがままなやつだ」

足の縄は解かれて、手は軽く後ろで縛り直されました。首の縄で引っ張られます。

「来い」

ちっぽけな自分。

裸にされて、縄で操られ、裸足で歩かされる……。

夢に見た世界かもしれません。風に肌を舐められてぶるっと震えます。でも、体の中はなにかがはぜるように燃えはじめています。

ちらっと窓越しに見えた一階は、暖炉に火がともり、立派な絨毯が敷かれ、落ち着いて快適な居間のように見えました。しかしそこには入らず、建物の裏へ引っ張られました。

足の裏に突き刺さる砂利から、湿った土になりました。

裏手は広い空き地で、土が剥き出しになった崖が遠くにあり、それは雨によってかなり崩れているようでした。彼の敷地とは高いフェンスで区別されていて、チェーンと南京錠で閉ざされた扉をあけると、その空き地に向かうのです。彼らはフェンスの向こうでおとなしくしています。

廃材でつくったような小屋がポツンとありました。

「しばらくは、あそこを使う」

隙間だらけで、台風が来ればバラバラになりそうな小屋です。

「おまえが喜ぶと思って作ったんだよ」

カギさえない戸を横にあけると、ベニア板が数枚敷かれた床があり、建設現場のような鉄パイプで組み立てられた櫓が六畳ほどの部屋いっぱいに据えられていました。

そこには鎖と革のベルトがぶら下がっています。

いかにも陰惨な光景です。

「おれの部屋に招待する資格があるかどうか、ここで試してやろう」

手首の縄を解かれ、自分から鎖の先に取り付けられたベルト部分に足を通しました。付け根まで引き上げました。

上は胸でクロスするようになっており、ハーネスのようです。

男の腰ぐらいの位置で、うつ伏せに水平に吊り上げられました。

手にもベルトが取り付けられ、バンザイするように広げて、吊り上げられました。床にダイビングするような感じです。

足首も高く吊り上げられました。

「動いてみろ」

最初は動くのはムリだと思いましたが、手と足を使って体重移動をすれば、吊られたまま背中を丸めたり、伸ばしたり、体を少し横に持ち上げることもできないことはありません。

彼は私の可動範囲を見ているようでした。

そして首にかかった縄をパイプに投げ上げて通すと、目の前におろし、そこに小さなバケツを結びつけました。

「楽しい仕掛けだろう」

彼はそこに小便をしました。

「あっ」

バケツが重くなると、首が絞まります。わずかな変化ですが、じわっと感じるのです。

そのバケツに細いゴムホースの切れ端を入れました。

「死にたくなければ、こいつが重くならないように、飲んでしまえばいい」

冗談ではないようです。

「ただし。おまえはここで、ちょっとばかり死ぬような目に遭う」

細めのペットボトルのような器具にドロッとしたローションのようなものを塗りつけると、背後に回りました。

首が苦しいので振り返ることは難しいですが、体をひねるようにして見ていると、彼の手がお尻を掴みました。

「楽しめると思うけどね」

指でアヌスを触ってきました。

「ふうぅぅぅ」

あれを入れるのなら、気をつけなければいけません。口を開いて覚悟します。

「あうぅぅ」

ぐいっと押し入ってきました。最初はそれほどでもないと思えたのですが、徐々に大きさが実感されます。骨を強引に押し拡げるようにして、ぐっと中まで入ってきました。

「痛い!」

思わず叫んでいました。

その器具はこれまで入り込んだことがないほど中まで入ってきました。腸が裂けたのではないかと思ったのです。

「大げさだな。こんなに優しくしてやってるのに」

タバコを平気で押しつけるような男。その優しさを感じろという方がムリです。

「いま、ねじってるんだけど、なにか感じるか?」

「わかりません」

ズドンとお腹に重くその器具が入り込んだことがわかるだけです。

「よし」

彼が器具を乱暴にゆさぶりました。

「出してみろ。いきめ」

力を入れて押しだそうとしましたが、少ししか動いてくれません。

「うまくいったね。先が花びらのように開いて、おまえの直腸の奥を突き抜けて、そこでがっちり錨のように引っかかっているんだよ」

「えええ!」

「特殊な器具なしでは、無事に取り出すことは不可能だ」

グングンとお尻が押されました。見ると、彼は私の中に入った器具の末端に別の器具を取り付けていました。

「これで逆流はしない。おまえの腸内には、こっちから入れる一方ってことだな」

「そんな……」

「ほかにもうちょっと気の効いたことは言えないのか。しばらく話ができなくなるぞ」

「えっ?」

彼は猿ぐつわのようなマスクを持ってきました。

「口をあけろ。もっと大きく」

それが押し込まれました。口の中いっぱいの筒状のもの。それを猿ぐつわのように頭のうしろでベルトでがっちり取り付けました。ゴム臭い味。

そしてバケツに突っ込まれていたホースをそこに接続したのです。

「いまはおれの小便しか入っていない。だけど、もしかしたらおまえ、ここにゲロを吐くかもしれんな。それでも首は絞まる。吐いてもいいが、できれば飲み込んでいたほうがいい」

「んがんが」

抗議したくても、言葉になりません。

「あと、気管に入れないように注意しろよ」

ヘッドギアのようなものを被せられました。それには鼻フックがついていて、鼻の穴に引っ掛けて、ブタ鼻にされます。

そしてヘッドギアそのものが上からの鎖に取り付けられて、頭が下がらなくなりました。首が疲れてしまっても、下を向くことはありません。

男は床に敷かれたベニア板を外していきました。

穴。私を埋める穴でしょうか。

吊している鎖が少しずつ伸びていき、体が穴の縁からわずかに下がったところで止まりました。

浅い穴です。でも私をこのまま埋めるのには十分です。

バケツははるか上にあります。上目で見れば、彼の靴とバケツが見えます。そこからホースが私の口につながっています。

「こうするとさ、気圧の関係で、おまえが吸えば楽にバケツの中身が入ってくるぞ。ただしバケツに吐き出すのは大変だけどな」

パイプにジャラジャラと鎖を鳴らしながら、彼はなにかをひっかけていきました。

見上げると、イルリガートルでした。それがずらりと十本。ぶら下がっています。

「全部いっきに入れたら破裂するからね。入れたり、出したりだな」

白い容器のはずですが、板や屋根から漏れる光で薄ぼんやりとしか見えないものの、濃い色、薄い色があるようでした。

「なんだか知りたいか? これは酢。これはタバスコ。これはミルク。これはコーヒー。これはビール、これは焼酎の水割りだ。安心しろ。残り半分の五本はただの水だからな」

そこから伸びたゴム管がすべてお尻から出ている器具に取り付けられました。

「すべてリモコンで動く。おれは臭い思いはしなくていいわけだ。ハハハ。じゃあな」

彼は小屋を出ていってしまったのです。

苦しいだけの世界。

少しでも楽な姿勢を取りたいと、いろいろ試していたときに、突然、カチリと音がしました。

器具のスイッチが入ったのです。

水が流れるような音がして、お腹の中に熱いものが広がっていきました。

カチリとまた音がして止まりました。

なにがどれだけ入れられるのか、わかりません。そしてどれだけ苦しめばいいのかも。

「がうううう」

思いきり叫びました。

腸がねじ切れるような強烈な苦痛。いっきに汗が噴き出しました。とんでもないものを入れられた……。

カチリとまた音がして、液体が足されます。今度は長く。

激しく体をよじって耐えます。

女主人がしたような浣腸は、恥ずかしさが中心でしたが、男は苦痛中心なのです。

焼ける……。

中から燃えるようです。

恐怖もあって小便を漏らしました。

そう。彼はどれぐらい私をこうしているつもりか、言わずに行きました。死ぬまで責め続けるつもりかと思ったのに。

明日の朝はないかもしれないと思ったのに。

もしかしたら、彼は私の思ったような人ではないかもしれません。怖じ気づいて、逃げてしまうかもしれません。

このまま放置されても、いずれは死ぬでしょう。惨めな死です。だけど、それは求めたものではありません。

カチリ。

「ぐごー」

またしても灼熱の浣腸液が足されました。

これは極めて残酷な刑です。腹部がたちまち重くなり、垂れ下がります。排泄したいと思っても、肛門の器具はびくともしません。

下手に口で吸い込むと、彼の小便が勢いよく入ってきます。

「ぷはっ」

飲み込めず、鼻からも噴き出します。

たしかに、これはある意味の地獄です。

パンパンになったお腹。いよいよ破裂しそうになっとき、カチリと音がしました。

「あふう」

排泄できている……。

すごく気持ちがいい……。

しかし、カチリと無情な音。

「あぐっ」

まだ半分も出ていないはずです。

不思議なのは出たはずの汚物が穴に落下しなかったことです。微かにモーターのような音がしていますが、気のせいかもしれません。風や外の音の方が大きいのでよくわからないのです。

「ぐひっ」

急に首が締め付けられて、パニックになりました。

いつのまにか上に彼が乗っかって、首を絞めているのかと思ったのです。

でも違いました。バケツが重くなっている……。

どういう仕掛けかわかりませんが、私が排泄したものが、バケツに注がれているのです。

だけど、お腹にあれだけの強烈な痛みをもたらした液体を飲み込むことなどできません。

死ぬ……。こんな恥ずかしい死に方で……。

アルコールのせいか、体が熱くなっていきます。女子校生ということもあって、大量の酒を飲んだことはありませんでした。

苦しみと虚脱。

ついにバケツの中のものを飲んでみました。勘違いかもしれませんが、ミックスされた浣腸液は酢も強いものの、全体に甘く感じられました。ゴクゴクと飲んでいくと、カッと胃が熱くなり、奇妙なトリップ感に包まれました。

苦痛だけじゃない。生死の間をさまよい、浮遊している感じ。苦しく、つらく、でも甘美。男はなぜ、こんなものを私に。

ほんのわずかな疑い。それは彼が、私の願望である生き埋めの実現をためらっていて、私の口からこのままここに置いてほしいと言わせたいのではないでしょうか。

あっ、またきつい浣腸がいっぱい。

だけど、これって感じてしまう……。

小屋の中。苦しい姿勢で何時間も放置されて、もっとも危険なことは気絶することでした。

おそらく気絶したら窒息死したでしょう。だから必死に、もっとも安易で楽な道に陥らないようにしていたのです。とくにお酒の作用で、吸い込まれるように眠くもなっていくのです。

「ああ、痛い、果てしなく苦しい、だけどそれが私は愛おしい」

自分に言い聞かせていました。手が、足がもげそうですし、背骨も折れそうです。

姿勢をある程度は変えられるとはいえ、どこかに負担がかかります。そのたびに激しい吐き気がします。

「なんだ、まだ生きていたのか。そのまま死んでしまっていたら、埋めて終わりにしようと思ったんだけどな」

男の声です。

「どうだ。自分のクソの味は」

そんなものがわかるはずありません。ただ、慣れることのない異臭に覆われているのです。酢やタバスコといった激痛もあれば、ミルクや酒のような甘みもある。腸内と口で味わって、私はこの奇妙な苦痛世界がわからなくなっていました。

「死んでしまえばいいのにな」

彼がなんと、パイプにつかまって、私の背中に足をのせました。

「ぐあああああ!」

折れてしまう……。

「これぐらい平気だろ?」

完全に私の上に乗ったのです。

「どうだ。おもしろいか」

おもしろくありません。気絶しそうで、必死に戦っています。

しかし、彼は片手で口に入った管を引き抜きました。ドドドッと音を立ててバケツの中身が穴の中へ落ちていきました。

バケツは軽くなり、首の負担が減りました。

「ガハガハ」と私は吐いていました。

「まだ逆流していないな」

口から浣腸液を噴き出させようとしたのでしょうか。

カチッと悪魔の仕業のような音がして、再びお腹に大量の液体が流れ込んできました。

「ひいいいい」

「まだ残ってるんだよ。ざっと十リットルぐらいだけどね」

「そんなああああ」

お腹がはち切れそうです。

彼は私の顔を両手ではさみました。そして上に無理やり向けさせると、汚れた唇を吸いました。

「ハハハハ。怖いか。そのうち、胃に逆流してくるぞ」

「いいいいいいいい」

声になりません。

カチッと音がして注入が止まりました。

「まあ、それはいずれやってみよう」

そう言うと、お尻の方へ移動し、肛門に突き刺さった器具を外しはじめました。

「ぐひぃぃぃぃ、痛いぃぃぃぃ」

なにが痛いのかわからないのですが、いったんは麻痺しかかっていた痛みがすべてぶり返してきました。

お腹の中は刺激的な浣腸液のせいで燃え上がっていますし、パンパンの腸が胸と胃を圧迫して、ゲーゲーと吐かせています。

そして肛門。

腫れ上がってしまったのではないでしょうか。

正直、彼が器具を完全に取り除いたのがわかりませんでした。

だらだらと排泄をはじめていて、その異臭と穴に落下するビチャビチャとした音で気がついたのです。

「ふううううう」

お腹の圧迫が減っていっても、彼がどかないので苦しみがまだ続いています。

いつ、私はデッドラインを越えてしまったのだろう。

まだ越えていないのではないか。だったら、いまならまだ引き返せるかもしれません。

わからなくなっていました。

この時はまだ男は本気ではなかったのです。このような仕打ちでさえも、彼にとっては予行演習でしかありませんでした。

それは、あとでデッドラインを越えてから、はじめて気づいたのです。

彼に誓う以前は、それでもまだ、彼は私の体を温存させる配慮がありました。慎重に見極めていたのです。女子校生にすぎない女が、そこまで本気で死にたいのか。それとも「帰りたい」と泣き叫ぶか。「生かしてほしい」と懇願するか。

男はそれを見極めようとしていたのです。

T

+2

手記

10

鞭と針

似たような責めでも、誓ったあとからはまるで変わったのです。性器、排泄器官と破壊されていく道筋は、私が自ら望んだものです。

その前に、彼は自分がやりたいことをしたいと言いました。これまでもさんざんやっているのに……。

「どうせなくなる体なら、思いきりできるじゃないか」

小屋でもなく、地下室でもなく、山の中で責められたとき、彼の強い気持ちを感じました。

「こんなこと、やりたくてもやらせる女はいないからな」

私は首輪をつけられて、手足は自由なまま、全裸で山道を歩かされました。廃道というのでしょうか。砂利道で凸凹ですが、トラックが通れるほどの道があって、山の奥へつながっていました。

彼は私に荷物を背負わせて、自分は鞭だけ手にして歩きます。

汗だくになって一時間ほどで到着した場所は、その林道の行き止まりでした。

「温泉かなにかを掘りだそうとして途中であきらめたらしい」

朽ち果てた木造の建物。錆び付いた土木作業用の器具。

「こっちだ」

道は唐突に藪で遮られています。獣道のようなところを男は上がっていきます。私も引っ張り上げられました。

木々が茂り、昼でも薄暗いのです。

「森の声が聞こえるだろう」

「え?」

「おまえの悲鳴を欲しがっている」

荷物を降ろすと、その中から、鋭く尖ったフックを取り出しました。銀色に光っています。

「向こうを向け」

彼は肩甲骨のあたりの肉をつまみました。揉むように何度か場所を探りつつ、とうとうフックの先端を突き刺してきました。

「あひぃぃぃ」

「大げさに言うなよ。それほど痛みは感じないはずだ」

グリグリと、肉を潰しながらフックがめり込んできたのです。立っていられず、膝をつきます。それでもおかまいなしです。

左右に二つのフック。

「これだけじゃ、バランスが悪いからね」

尻の肉をつまむのです。

「このあたりがいいかな?」

「あぎぃぃぃぃ」

確かに森は私の悲鳴を求めているのでしょう。どれだけ声を出しても、吸収されてしまうようです。

アナルフックを入れられ、彼が木と木に並行に縛り付けた縄に、私は吊されました。恐ろしいことにその二本の縄は、太いとはいえ枝につながれていて、私の体重によってしなっています。

肩甲骨のフックを前の縄に。お尻の肉を貫いたフックとアナルフックは後ろの縄に。

私が動いても、風がそよいでも、ゆらゆらと上下します。そのたびに肉体が引きちぎられるような激痛を感じています。

足首に縄をかけて、それは左右に極限まで広げて別の木の幹に縛りました。

彼の鼻歌が聞こえます。

「ぼくはどうかしちゃったかな。すげえ天気。ちょっと休んで、空を散歩さ。そんな気がするぐらい、気分がいいんだ。だって、そうだろ。君だってハッピーじゃないの? 屋根なんてないんだからね。上を見てごらんよ。手を叩いてごらんよ。羽ばたいてみようよ」

そんな歌詞を延々と口ずさむのです。陽気で楽しい歌が、私にはなんの慰めにもなりません。

ただ一つ、私と彼は住む世界がまったく違うことを悟らされるだけです。私は死へ向い、彼は生きる。ハッピーに。

私は彼がブルーシートを広げて、そこに道具が並んでいるのを見下ろしています。

強烈な小屋での浣腸責めでの吊りとはまったく違います。あれは低い位置でしたが、いまは彼の肩ぐらいの高さです。

お腹にも縄を回して、それも左右の木に縛りました。少しは体重が分散されました。両手もバンザイするように引き伸ばされて縛られました。

そして鼻フックをつけて、それと髪をひとまとめにして縛ると、アナルフックを吊り上げているロープに縛り付けたのです。

「がふっ」

頭が後ろに反ります。顔を動かせばアナルに激痛が走ります。その痛みにもだえれば、四ヵ所の肉をえぐったフックの痛みが続きます。このままでは肉と骨がはがれてしまう……。怖くなっておとなしくしたいのですが、手も足も引き伸ばされてしまったので、自分ではなにもできません。

揺れが枝まで伝わると、私の体はしばらく上下して、痛みは永遠に続くのです。

「おもしろいだろ?」

これが彼のやりたかったことらしく、写真を撮り始めました。

写真を撮って満足すれば終わるのではないか。

そんな期待は甘かったようです。

彼は二十センチほどもある金串の束を手にしていました。スプレーで消毒液を拭きかけ、私の体にも吹きかけました。

「外でやるのは気持ちがいいな。感染したり、虫にやられるかもしれないけど、おまえはそんなの関係ないものな」

「ぎゃー」

彼は乳房をつかんで、金串を突き通しました。もっとも分厚い部分にクロスさせて、左右に二本ずつ。

「ひ、ひどいぃぃ」

「おっ、喜んでるじゃないか。ハッピーなんだね」

彼はまた鼻歌をはじめるのです。

恥丘のふくよかな唇をつまんで、タテに長く突き通しました。この六本の串にそれぞれ、錘を風鈴のように垂らしたのです。

「ふううううう」

カチカチをクスコを鳴らして、陰部にそれを押し込みました。

「すごいぞ、大洪水だな」

失禁もしていたと思います。

膣を限界まで広げられました。

「これは、綿だ」

握り拳ほどの綿のかたまり。そこに彼はどろりとしたものを染み込ませます。

「体にいいぞ。天然の蜂蜜だから。ここの近くで養蜂をやっているところがあるんだよ。市場には出ないけどね。道の駅には出してたかな」

それを膣の奥に入れました。

「森に感謝するんだね。君は死ぬ前に自然と一体になる。生贄としてふさわしいじゃないか」

その綿から、何本もの紐を地面に垂らしたのです。

「こうやって揺れると……」

「うぎー」

彼が体を押したので、激しく上下に揺れます。錘がはね、串から肉へ、フックから肉へ。とにかく全身に痛みが走ると、ぎゅっとあそこが締まって、膣奥から淫らな汁と蜂蜜が混ざった液体があふれ、紐を伝って流れ落ちていくのです。

「楽しんでくれよ」

彼はビデオをセットして、別のことをはじめました。

テントを張り、バーベキューのセットを組み立てています。

その責めはきついものでした。

「はうううう」

大きな

顎

を持ったアリたちが地面から蜂蜜をたどって私の体に襲いかかりました。柔らかな肉。粘膜を噛みつき、引きちぎるのです。さらに甲虫類がどこからともなく飛んできて、ブスブスとその鋭い口を体に突き刺していきます。

「がうううう、痛いぃぃ」

バーべキューをしながら、彼はラジオで陽気な音楽をかけ、私の悲鳴を楽しんでいます。

「虫に愛されてうれしいか?」

返事ができません。次々と自分が食べられていくのです。しかも惨めな姿で。

「穴で死ぬなら、どうせ虫に食われるぞ」

そうなんだ。生きたまま、食べられるの。それはとてもステキなこと。

「うあううう、痛いぃぃ。けど、うれしいい。もっと噛んで。食べて。餌にして……」

彼もきっとあきれたでしょう。いろいろな虫に刺され、噛まれながら、私は間違いなく酔っていました。こうして死んでいくなら、それがいい……。

男は日が暮れていく中で、さらに私に対するきつい仕置きを開始しました。

「楽しいだろう」

私の体に噛みついている虫を、針で突き刺し、そのまま体にはりつけていくのです。

「虫の標本だよ」

まだ生きている大きな甲虫たちが、体のあちこに針で貫かれて、体液を流し、うごめいています。その感触。彼らの体液には毒も含まれているのか、針でついた傷から染み込んできます。

「おまえもこの虫たちと同じってことだ」

体中に虫がはりつけられました。

それを彼は鞭ではたき落としていきます。

「ぐああああ」

叩かれると針が食い込み、虫はバラバラになって飛び散ります。そして枝がおおきく動き、体がひきちぎられていきそうになります。

「おまえの体も、最後にはバラバラになるな」

バシバシと鞭打たれ、意味なく殺されていった虫たちの感触を肌に刻みながら、いずれ私もあなたたちと同じように土塊となっていくのだと感じました。

T

-1

手記

11

拡張と獣

果てしのない私への責め。

それも小屋での辛い責めから解放されたあとのものは、まだ温かみのあるものだったと思います。

彼は、二頭のペットを連れてきて、汚れた私のニオイを嗅がせました。

「不潔だから」と、彼らと一緒に庭にあるジャグジーで体を洗いました。

人間の住む空間にいるだけで、体がホッとしています。ただ彼のケモノじみたものたちは、恐ろしい目で私をにらんでいます。テリトリーを侵害したから。または私をケモノ以下だと見下しているから。

彼はペットたちを撫でた手で、私の頭を撫でるのです。

「どうだ。うちで飼われてみたいか?」

そこで「はい」と言っていれば運命は変わったでしょうか。いえ、そんなことはないでしょう。私の中にあるどす黒い気持ちは日に日に大きくなっていき、いまでは私からあふれ出して彼や彼のペットまでも、その毒素にあてられているのではないかと思うのです。

例の女主人の鈍感さが懐かしいぐらいです。お金のためにあっさりと私を手放した彼女。そもそも私のことなど、どうでもよかったのでしょう。

「私を潰してください」

彼に頼みました。

彼は驚きもせず、表情も変えません。

「おまえが好きなのは快楽なんだろう? それとも苦痛なのか?」

「どちらでも」

私にとっては同じことなのです。

「まだ知らないことがあるはずだ。やり尽くしたみたいな顔をするな」と彼は言い、顎でペットを示したのです。

「こいつらにやられてみたいだろう?」

わかりませんでした。それによって私は快楽を得るのか、苦痛を得るのか。その両方か。

「慌てることはないさ。どうせ生き物の行き先は同じだ」

花びらが風にのって私たちの回りに舞っていました。季節は変わるとしても、そもそも、私にはそうしたものがまったく目に入らないのです。いまがいつで、ここがどこか。それはもう済んだこと。

地面に太い杭が打ち込まれ、そこに四つん這いでくくりつけられたとき、もう、これ以上なにもいらないのにと思っていました。きっといま得られる以上のエクスタシーは最後の一瞬しかないと。

彼がけしかけた荒々しい生き物たちは、私にのしかかると、長くて太いペニスを陰部に押しつけてきたのです。

鋭い爪で背中を傷つけられながら、あがくように乱暴に挿入されることは、濡れていたとはいえ、処女を失うのとはまた別の苦痛でした。

「ふううううう」

上から大量の涎がしたたってきて、耳の後ろから顎へとしたたっていくのです。そのケモノ臭さ。

思わず舌を伸ばし、頭を下げて、味わっていました。

「あうっ」

奥まで挿入されると、子宮を串刺しにされたような痛み。ピリッと神経を刺激されて思わず背中を丸めてしまいます。ですが、それでもペニスを上手に受け入れることはできず、苦しみながらひたすら自分の中で暴れる性器の感触を味わうのです。

苦痛と快楽。同じものだと思っている私の気持ちは変わりません。

「もっと、もっと酷いことをして!」

自分から背中を伸ばし、お尻を突き出しました。

「がふうう」とペットがうめきます。

裂けてもいい。突き刺さってもいい。自分から積極的にお尻を振ったのです。もっと痛い目に遭いたい……。

それに答えるように野性の本能が、私を

蹂

躙

するのです。

パワー。生命力。

「あう、あう、あう」

重い生き物が体を預けてきました。熱い。人間なら発熱しているぐらいの体温でしょうか。背中の血と汗が生き物の毛にからみます。

横を見ると、その大きなとがった口がありました。牙が見えています。長い舌が出ています。

これが、この力強いものが、私の中に入っている……。

ガツンガツンと突き刺すペニスは、膣を膨張させていき、これまでにないほど内側から押し拡げられています。

「熱い……」

まぶしい太陽。

花びらが私の顔にかかり、地面が白っぽく染まっていきます。

「あああっ」

突然のことでした。体が痺れて下半身が燃えてきました。これまで感じたことのない快楽。

気が遠くなっていく。

「がふがふ」と横でペットが咳き込むように声を出しています。それは彼もまたなにかを感じている証しなのでしょうか。

長い長い性交。

どのぐらいそうしていたのかわかりませんが、男が上にいるモノをどかせたとき、股間が吸い付くように引きずり出されていくような感触がありました。

そう。いつか、生きたまま、そこを引きずり出してほしい。汚れきった醜い臓器を取り出して焼き切ってほしい、と思いました。

ドロドロと大量の精液があふれてしたたり落ちていきます。

「恥ずかしいぐらい、よがり狂っていたな」

男に言われてはじめて、そうなのかと思いました。

「いまごろ赤くなっても遅い。もう一頭いる。どうだ。欲しいか」

「はい」

彼はもう一頭を連れてきました。

「舐めてやれ」

毛むくじゃらのお尻を顔に押しつけてきました。

なんというニオイ。

期待に震えながら、そこに顔を埋めました。

「丁寧にやれよ」

排泄口。そして雄のシンボル。ひたすらしゃぶりました。

「いいだろう」

男がひきまわし、背後に連れて行くと、肩に手をかけてのしかかってきました。

「ひぎぃぃぃ」

傷口に再び爪を立てられて、強烈な痛みにもだえているのですが、男はそのペニスを今度はお尻に押しつけたのです。

「こっちも欲しいんだろう?」

「うはああああ、すごい、入れてください、お尻の中に奥まで……」

あれが入ってくる……。

そう思うだけで期待に体がギュッと縮まるのです。

先端が入ってくると、突然、大きくアナルを拡張してきました。

「はああああ」

入るだろうか。ムリだろうか。どちらにせよ、腸が裂けてもいいから、根元まで入れてほしい。

ぐいぐいと腰を振りながら、乱暴に侵入してくるペニス。

「うぎぃぃぃ、もっと、もっと奥まで……」

「心配するな。がっちり突っ込んでやる」

ぐいぐいと押すようにしてそれが根元まで入ってくるのがわかります。舐めて確認したのですが、途中から毛皮に覆われているのです。その部分がいまお尻の穴に当たるぐらい深く入っていきます。

そして今度の彼は、前以上に激しいピストンをし、背中を掻きむしりながら遠吠えまでして興奮していました。

「はうぅぅ、八つ裂きにしてくださいぃぃぃ」

このまま鋭い爪で体を引き裂かれて、彼らに内臓を食い千切られてもいい。むしろそうして欲しい。

お尻でもまた激しい快楽が襲ってきたので、私は何度か意識が遠くなっていきました。

気づけば、二頭はどこかへ遊びに行ってしまい、私は杭に縛り付けられたまま放置されていました。

「感じてるのかな?」

逝きっぱなしになっていたらしく、意識が

朦

朧

としていたようです。

「生きていれば、また味わえるぞ」

そういうことか、と気づきました。

死にたがる私を彼は快楽という餌で押しとどめようとしたのです。

「たとえば、こういうのはどうかな」

彼は手袋をしていました。そこにローションをつけて、ケモノのザーメンだらけの二つの穴を愛撫しはじめました。

痛みと快楽。ズキンとくる感触。

「もう両手が入ってるんだぞ」

「えっ?」

膣と肛門に彼の両手が入っているというのです。

「フィストでどれだけ感じるか、試してみないか?」

「はいっ、ありがとうございます」

彼は太い腕で私を犯しています。体が引き裂かれる恐怖。私の中で手を開いたり、臓器を掴んだりしているのです。

「中で握手してみよう」

そんなことができるものか、わかりませんが、彼がなにかをしているのだけは事実で、それによって体がちぎれるような苦しみもあるのです。

「どうだ、助けてほしいか?」

口が裂けてもそれは言いたくありません。「助けて」と頼めば、男は助けてくれるでしょう。そして私は生きながらえるのです。醜い自分の影を見つめながら。

それはもう諦めた世界です。どうでもいいのです。

「体を引き裂いてください。腸を掴み出して引きちぎってください。ペット様の餌にしてください。子宮を握り潰してください!」

叫びながら、何度も何度もアクメを感じていました。

男の荒々しい愛撫は何十分も続いたのだと思います。彼は私に「助けてほしい」と言わせたかったのです。「飼ってほしい」と。

でも、私は最後まで言いませんでした。

T

+1

手記

12

炎

「おまえの気持ちがはっきりしたんだから、きちんと記録も残さないとな」

彼は、私にこの手記をしっかり書くように命じました。

「長い長い遺書のようなものだ」

日々、長時間、肉体の限界まで、精神の限界まで酷い目に遭わされ、そして普通の人生では決して味わうことのない、いえ、味わってはいけない快楽を何度も味わって、なおかつ朝の静寂の中で、毎日、手記を書くように言われたのです。

ほとんど書けない日もあるので、振り返りながら書き加えたり、彼に指摘されて詳しく書き足したりしてきました。

この手記ももうすぐ終わりです。

はっきりと彼の態度が変化したあと、つまり私は彼のペットにはならないこと、長く生きたいとも思っていないこと、だからといっていますぐ安直な死を選ぶこともないことを彼が知ったあとのことを少し書いておきます。

彼の地下室は、じめじめとしたコンクリートの箱のような場所で、外とはまるで違い、監獄というよりも棺桶そのものでした。

「はうううう」

ガチガチに手足を縛られ、床を向いて水平に吊り下げられてすでに一時間ぐらいになるでしょう。

足はまっすぐのばして何重にも縄が巻き付いています。そのおかげで姿勢が保てるのですが、少し動くだけで、縄が食い込んでくるため、じっとしていられません。

「そんなに苦痛が好きなら、苦痛だけを与えてやろう」

「ありがとうござます」

乳首に細い糸を巻き付けて縛りあげました。

「ぐふぅぅ」

それだけでも痛いですが、過去に味わった痛みとそれほど変わりません。懐かしい痛み。女主人がよく洗濯挟みやクリップでいじめてくれたことを思い出します。そしてタバコの火。

「期待してるな」

足を閉じて縛られていますが、彼が指を入れて小陰唇を引っ張り出します。そこにはクリップをつけました。

そしてクリトリスを糸で縛り上げました。

「どうだ。痛いか」

「はい。気が遠くなります」

「これからだぞ」

私から垂れ下がる五本の糸で、バーベキューに使うような網を吊り下げました。その上に太く、短いキャンドルを並べていきます。

「きれいだぞ、きっと」

彼は背中にもキャンドルを置いていきます。お尻の割れ目に。足にも。

「ふううう」

「なにをするか、わかるよな」

一つずつ、肩のあたりから火をつけていきます。

そして下に並んでいる蝋燭にも火をつけました。

「じわっと焼けていくぞ」

地下室の小さな換気扇を作動させると、炎のせいもあって、空気がすうっと流れていくのがわかります。

これだけの量のキャンドルです。パチパチと音を立てて燃えています。

姿見を持ってきて、立て掛けました。

「はあああ」

背中は火事のように炎があがっています。いっきに溶けた蝋が肌をコーティングしていきます。

ジューっと音がするかのように、全身が焼かれています。

「これはなんだかわかるか?」

スプレーを手にしています。

「見てろ」

背中にスプレーを向けて噴霧しました。

「ぎゃーっ」

大きな炎の舌が全身を舐めたのです。

「どうだ。おまえはこうされるのが夢だったんだろう?」

ゴーッと音がして火炎放射器のような炎が、何度も体を焼きました。

下の蝋燭の炎も使って、スプレーが全身を包んでしまいます。

体毛、髪の毛が焼けていやなニオイがしています。

叫んでも、苦痛が減るわけではありません。

「殺してほしいか? もう苦痛はいやか?」

「もっと、もっと、苦しめてください」

私は意地を張るように、彼に求めていました。この苦痛はゆっくりとした、そして確実な死への入り口。地獄の門。

そこを潜り抜けていくのです。

彼はホースを持って来て、水をふりまきました。冷たい水。炎は消えていきます。

蝋が固まって赤く、そして白くなっていきます。

「きれいに固まったな」

「あうぅぅ、どうして、どうして消しちゃうんですか」

本当に肉まで焼いて欲しかった……。

「これで終わりじゃないさ、もちろん。おまえにくっついた蝋を溶かしてやろうって思ってさ」

「どうやって……」

「蝋が溶ける温度まで温める」

床にシートを敷き、ぶらさげていた網は外されましたが、糸やクリップはそのままです。蝋でガチガチになっています。

地下室のすみに、IH式のコンロがあり、ヤカンでお湯を沸かしはじめたのです。同時にカップも用意しています。

「コーヒータイムだ」

彼は楽しそうに口笛を吹きながらペットの様子を見に上にあがりました。

大きなヤカンなので、沸騰するまで時間がかかりました。その間に、私は、その苦痛への期待に震えていました。

あれを上から浴びせるのでしょうか。きっと火傷で皮がべろんと剥がれてしまうでしょう。そして剥き出しの肉を彼はなおも焼くでしょうか。火傷はそうとう苦しいものです。重度の火傷なら即死もありえます。

即死させずに痛めつけるはずですが、彼は方針を変えたのでしょうか。

こちらが都合よく、できるだけ長く、苦痛を味わいたいとムリなことを言ったとしても、彼がその気にならなければ終わりです。いつでも、殺すことができますし、このまま戻って来なければ、やがて私は絶命するでしょう。

シュンシュンとヤカンが音を立てて沸騰していきます。

あれを頭からかけられたら、死ぬかもしれません……。その苦痛はこれまで感じたことのない絶望的なものになるでしょう。

口笛を吹きながら彼が戻ってきました。手に

盥

と

柄

杓

を持って。

「期待してるんだろう。期待には応えてやらないとな」

ヤカンの熱湯をインスタントコーヒーの入ったマグカップに注ぎます。クリームと砂糖をいっぱい入れました。

そして残りの湯を

盥

にあけました。

ヤカンに水を足して、火にかけます。

コーヒーを飲みながら、柄

杓

でその湯をかき回します。

「どうだ。いますぐ欲しいか?」

「あうぅぅぅ」

はっきりと言えない自分がいました。

「ふふふ」と彼は笑って、柄

杓

ですくった湯を私に向けて飛ばしました。

「うぎゃっ!」

背中から脇腹に熱湯がかかりました。分厚い蝋の鎧はすぐに溶けて流れていきます。

「どうだ」

二発目も同じところに。

「ぎひぃぃ!」

熱いというよりも激痛です。

理屈はわかります。かき混ぜて、しかも少量を飛ばせば、熱湯といえども、多少は温度が下がります。瞬間的には熱いですが、少量なので冷えるのも早いということでしょう。

でも、激痛にはかわりありません。

彼は楽しそうに、お湯を浴びせては私に悲鳴を上げさせます。縄がギシギシと音を立てます。体が痛いのに、くねくねしないではいられません。

「だいぶ温くなってしまったかな」

新たに沸騰した湯を足していきます。

「ぎゃん!」

だいぶ蝋が落ちているので、直接肌にあたる面積が増えて、熱さが増していきます。

「ここも熱湯消毒してやろう」

お尻に

柄

杓

をあてて、ゆっくりと熱湯を注ぐのです。

「があああああ」

しばらく泣き叫んでいました。

「だいぶ、蝋は流れ落ちたぞ」

「ふーふーふー」

言葉が出ません。

彼は

盥

を持ち上げると、残りのお湯をいっきに浴びせました。

「ぎゃひぃぃぃぃ」

熱いのかどうかわからなくなっています。

「真っ赤になっているぞ」

熱い肌を触って楽しんでいます。ピリピリとした痛みがあります。

タライに水をはり、冷たい水をそこにぶっかけました。

「あぐぅう」

急激に冷やされて、痛みがぶり返してきます。

「こんなことをされても、うれしくてしょうがないって言うのかな?」

「はいぃぃ、気持ちいぃぃぃ」

歯を食いしばりながら答えました。

「そんなに苦痛と死が欲しいなら、とことん付き合ってやるよ」

「ありがとうござます」

彼の目はとても優しいものでした。

T

-0

デッドライン

デッドライン。彼はそう言ったのです。あの日。

ペットたちに犯されてる日々。快楽に狂いながらも、そのために生きながらえる気などないのだと彼に訴えた日。

「殺してほしいんです」

「それはどうかな」

「本気なんです!」

いくら言っても、彼は本気にしてくれません。このままいけば、彼に飼い殺しにされるかもしれません。それもいいかもしれません。いつまで生かされているかわからない、という苦痛も味わってもいいでしょう。それは私というどうしようもない者への罰として。

だけど、私は確実な結末を求めていました。彼にはそうして欲しい。毎日毎日、いろいろな屈辱、快楽、苦痛を味わってきましたが、「殺してほしい」という訴えに、はじめて彼はまともに向き合ってくれました。

「デッドラインってのがあるんだよ。わかるか?」

「ステキです。私はデッドラインを越えたいんです」

「越えてはならない一線を越えたいのか?」

「はい」

「戻ることは不可能だぞ」

彼はいつものように私に縄をかけています。

後ろ手はいつもより厳しく、手首が首の後ろまで引き上げられて、首に縄が巻き付き、息苦しくなっています。

「死にたいなら自分で死ねばいい」

彼は、床に木の台を並べました。溝のついた重い台です。そこに、柄のないむき身の日本刀を、刃を上にして置きました。

足を大きく広げて床にうつ伏せにされました。足首の縄は地下室の四隅にある金具に縛られています。閉じることはできません。

冷たいコンクリートの床にうつ伏せになって、目の前の日本刀を見せつけられるのです。

「自分で決めることができるようにしてやろう」

背中に板石がいくつも重ねて置かれ、縛り付けました。床に仕込まれた環に縄を通しています。

髪の毛を縄で縛り、天井から下がる滑車に通し、引き上げました。

「うぐっ」

背中がミシミシと音を立てます。頸椎も耐えられないほど反ります。

「これを

咥

えろ」

自分の髪の毛を引き上げている縄尻を噛むように言われました。

「ぐううう」

目の前の日本刀。彼はそれを台をずらしながら、私の喉の下に持ってきたのです。

「死にたければ簡単だ。縄を離せばいい。おまえの頭の重さなら、うまくするときれいに頭と胴体が離れるかもしれないね」

そして彼は後ろに回って、お尻の穴と性器になにかを塗りました。

「死にゆく者とするセックスってわけだ」

このところケモノ専用だった穴を、彼は使っています。

「あぐあぐ」

彼を感じて、私は涙が出ました。

人にやられている。それはついこの間はとてつもない屈辱であり、死にも似た苦痛の中での快楽でした。

だけど……。

感じないわけではありません。

まったく意味がないことだとも思いません。

ただ、彼がどうしても早く結論を出したがることと、いま受けている苦痛と、穴で感じる快楽とのバランスが、私には不満で、のめり込めないでいることも事実なのです。

セックスでは感じない……。

そう決めつけたくはありませんが、このまま死ぬのは嫌なのです。

最後は、人里離れた山の中に首まで埋めてもらい、手足はすでに切断されてないか、または身動きできないように拘束されているのです。そしてそのまま死ぬまで放っておかれたい……。

無邪気すぎる欲望かもしれません。バカバカしい幻想です。

だけど、そうして欲しい。そのときに、私はすべてを感じることができると思うから。体力が失われ、心臓が鼓動を止めて、最後の血流が脳を通過するときに、きっとステキな気持ちになって骸となるのです。

「どうだ。感じるか?」

男は虚しい戦いを繰り広げています。

まったく感じないわけではありません。だけど、私にとっては快楽の一つのパーツにすぎません。

必死に縄を噛みしめていました。

たしかにいま、それを離して死ぬのもいいかもしれません。まったく否定はしません。それでは美しすぎるだけです。

美しく死にたいわけではないのです。醜く死ぬこと。誰にも知られずに。

それを思うだけで、彼のペニス以上の快楽を得るのです。

「ちくしょう」

彼は私の中で果てました。

まだ濡れているペニスを下げた彼が目の前にやってきました。

「わかったよ。おまえはいまデッドラインを越えた。別の意味でな」

男は台をずらし、日本刀を横にすると、丁寧に保管するためのケースに戻しました。

私は縄を離しました。

「あうっ」

こわばった筋肉がひきつれます。

「おまえの希望をかなえてやることにするよ」

「ありがとうございます」

「そう遠くない日。性器を破壊して、体を潰してやってから、埋めてやろう」

「はい。お願いします」

こうして、私は自分の越えるべきものを越えて、最後を望んだようなカタチで終えるために、彼の提供する容赦のない苦痛の地獄を味わうことにしたのです。

「それがおまえのハッピーなんだろ?」

「はい」

手記はここで終わっていた。音声データは冒頭で紹介したところで終わっているので、本当にこの女性が穴の中で息絶えたのかどうかはわからない。

おそらく、場所さえわかれば、そこに朽ちた屍があると思う。死因がわからないほど損傷のある遺体だろう。

永遠に見つからないほうが、彼女にとってはいいことなのかもしれない。

荒ぶる魂に永遠の安らぎがあたえられることを祈りたい。または、永遠の苦痛と快楽を。

奥付

お読みいただき、ありがとうございました。

二〇一四年九月刊行 第一版

著作権 あんぷらぐど(荒縄工房)

荒縄工房の情報は下記サイトへ

●ブログ「荒縄工房」

●ホームページ

●荒縄工房 SM研究室

●荒縄工房 淫美

●エロな気持ちの日々

コメント、メッセージ歓迎。ご意見、ご感想、ご提案など随時、ブログで受付中。

M穴地獄 デッドライン 第3部 (3/3)
前の話