『Coming to Power: Writings and Graphics on Lesbian S/M』は、先駆的レズビアン・フェミニストS/M組織Samoisのメンバーが編んだ1981年のアンソロジーである。レズビアンのサディズム/マゾヒズムの文章と画像を一冊に集め、現代レズビアンBDSM文化を活字の上で立ち上げた。レザーダイク史とセックスポジティブ・フェミニズムにとって、これは一次文献であり、端の小冊子ではない。
刊行と到達
初版はすぐ売り切れ、絶版になった。翌年Alyson Publicationsが再刊し、世界の読者へ運んだ。時機が重要である。Samoisはすでに、レズビアンS/Mが倫理的フェミニスト実践であり得るかというフェミニスト・セックスウォーズの只中にいた。物語、グラフィック、ハウツーを表紙のあいだに置くことで、議論はサンフランシスコの会議室の外へ運べた。
形式、影響、続編
アンソロジーは短編小説と技術・実践の助言を交互に置く。エロティックな話の隣に技能メモを置く混合モデルは、のちの多くのBDSM本が踏襲した。寄稿者はサディズム/マゾヒズムを謝罪すべき病理ではなく、エロティック強度の頂点として扱うことが多い。『Coming on Strong: Gay Politics and Culture』では、この巻はレズビアン・エロティカを含むと記述される。続編『The Second Coming: A Leatherdyke Reader』は1996年、Pat CalifiaとRobin Sweeney編で出た。『Coming to Power』はいまも1981年の火種である。Samois編、Alysonが救い、物語+技術の構造、レズビアンBDSMが自前の出版史を主張するたびに引用される。











