緊縛AVの元祖『アートビデオ』（Art Video）興亡史：日本初のSMメーカー、その伝説と遺産を徹底解説

歴史と設立背景

Art Video（アートビデオ）は、日本で初めてのSM専門のアダルトビデオメーカーとされます。1982年に河村良雄（かわむら よしお）氏により創立され、同年に第1作となるビデオ『地下室の淫魔』を制作しました。創業時のスタッフは、モデル1名、男優の黒田透（くろだ とおる）、伝説的緊縛師の濡木痴夢男（ぬれき ちむお）、カメラ担当の峰一也（みね かずや）ら5名のみという手作りの体制でした。もともとは子供を撮影する目的で購入した家庭用ビデオカメラで撮影を始めたとも伝えられています。創業当初はパッケージ（ジャケット）を用意せず、SM雑誌に広告を掲載して通信販売のみで作品を販売していましたが、想像以上の大反響で毎日のように現金書留で注文が舞い込んだといいます。1985年には業界団体であるビデオ倫理協会（ビデ倫）に加入し、店頭流通が可能となったため、パッケージを制作して一般のアダルトショップやレンタル店でも作品を扱うようになりました。なお「Art Video」という名称は社名と誤解されることがありますが、実際には社長・河村良雄氏が初期から使用してきたレーベル名・メーカー名であり、法人名は1983年に有限会社河村として設立され、1997年に株式会社アヴァ（AVA）へ改称しています。
2000年代以降の動きとして、2004年からは自社運営のSM動画配信サイト「緊縛の華園 Art SM Online」を開設し、過激なSM映像を高画質でネット配信する試みも行いました。2010年には妄想族ブラックレーベルに参加し（妄想族グループ内のフェチ系レーベルの一部門）、流通網を他社と共有するようになります。創立者の河村良雄氏（ビデオネーム：峰一也）は2017年4月に逝去し、その後Art Videoレーベルから新作のリリースは途絶えました（以降はVHS時代の旧作をリマスター再発売する形となり）。公式サイトも2017年6月末に閉鎖されており、事実上レーベルは活動を終了しています。

AV業界における影響力と位置づけ

Art Videoは1980年代初頭に誕生した草分け的SMビデオメーカーであり、その存在は日本のAV業界におけるSM・フェチ分野の確立に大きく寄与しました。創立翌年の1983年には、同じくSM路線の競合としてシネマジック（CineMagic）が吉村彰一氏により設立されており、両社は「SMビデオの老舗」として双璧をなす存在となりました。特にシネマジックは団鬼六原作の映画的要素を取り入れ、美麗なパッケージデザインで従来陰鬱としたSM映像のイメージを一新し、Art Videoと人気を二分するまでの成功を収めています。これによりSM系AVは一部マニア向けの地下的ジャンルから、市場で一定の支持を得るメインストリームの一角へと押し上げられました。Art Video自身も「日本初のSM専門メーカー」の看板に違わぬ過激路線でコアなファン層を獲得し、後発のAttackers（1996年設立、陵辱ドラマ作品で知られる）など他のSM・陵辱系メーカーが台頭した後も、その源流としてのブランド価値を保ちました。Art Videoの存在があったからこそ、日本のAV業界でハードSMやフェチ作品が一ジャンルとして確立され、他社も刺激を受け専門レーベルを立ち上げる動きが生まれたとも評価されています。
近年は前述の通りレーベル自体の新作リリースは停止していますが、妄想族グループ（大手AV流通ネットワークの一つ）において「アートビデオSM」名義で過去作品が再流通しており、同グループ内のレーベルとして名前が残っています。往年の代表作はリバイバルDVDや配信で現在でも入手可能であり、Art VideoブランドはSM・拘束系AVの伝統を象徴する存在として語り継がれています。

主な作品シリーズ・レーベル

Art Videoは基本的に「Art Video」（アートビデオ）という単一レーベルでSM作品を展開してきましたが、その中で数多くのシリーズ作品を生み出しています。創成期の代表作『地下室の淫魔』を皮切りに、80年代後半から90年代にかけては「猟奇の檻」シリーズ、「ビザールオルガズム」シリーズ、「地下牢の倒錯魔」シリーズなど、猟奇的・倒錯的世界観をテーマにした長寿シリーズが人気を博しました（いずれも多数の続編が制作されています）。これらの作品はSMマニアの嗜好に特化し、緊縛・拘束・調教・拷問といった要素を毎回趣向を凝らして描くことで、一種のアンソロジーのようにフェチジャンルを掘り下げています。また、「巨乳パラフィリア」や「超乳愛奴コレクト」といったタイトルからも分かるように、巨乳女優を起用したマニア路線のシリーズなど、フェティッシュな切り口でシリーズ展開することもありました。レーベル内でサブブランドが公式に区切られているわけではありませんが、監督ごとの個人レーベル的企画（後述のダーティ工藤による「ダーティ」レーベルなど）や、グループ参加後の「妄想族ブラック」レーベルでの共同企画など、発表形態によってブランド名が付与されるケースもあります。総じてArt Videoブランドの作品は独自のシリーズ名を冠することでコレクション性を高め、熱心なファンに支持されてきました。

有名な出演女優とその特徴

Art Videoの作品には、AV業界でも個性的な女優たちが数多く出演してきました。黎明期の代表的な女優の一人が飯島恋（いいじま こい）で、彼女は1980年代後半から90年代前半にかけて活動し、妖艶な美貌と大胆な演技でSM作品にも出演しました。当時人気絶頂だった飯島愛に容姿が似ていたことから話題性もあり、未亡人役や監禁ものなど官能的な作品で存在感を示しています。ほかにも、緊縛や調教系作品で知られる天海いずみ（あまみ いずみ）は縄虐めに耐えるM女優として評価が高く、Art Videoを含むSMレーベルの常連でした。また2000年代には、元ストリッパーで妖艶な雰囲気を持つ奥菜つばさ（おきな つばさ）や、スレンダー美少女ながらハードプレイに挑戦した青木沙羅（あおき さら）などが出演し、それぞれ過激な役柄を熱演しています。中でも平沢里菜子（ひらさわ りなこ）は2000年代前半に多数のSM・フェチ作品へ出演し、犬役での調教や露出プレイなど過極めてハードなプレイにも挑んだことで有名です（後に一般映画にも出演）。一方、大塚咲（おおつか さき）のように元アイドル系AV女優がキャリア後半にArt Video作品で過激路線に挑む例もありました。彼女はトップメーカーS1の専属だった経歴を持ちながら、2008年開催のAVグランプリにArt Video代表作としてエントリーされた『激情M淫縛調教 縄好き美乳マゾ』（AVGP-101）において詩音と共演し、SMジャンルへの適応力を示しています。このようにArt Video作品に出演する女優は、一般的なアイドル系AV女優とは一線を画す「M性」や特殊なフェチ性を持った女性が多く、身体的特徴では巨乳・美尻などフェチ映えするプロポーションの持ち主が選ばれる傾向も強いです。彼女たちは緊縛による肢体美や、被虐に喘ぐ演技を追求し、作品ごとに鬼気迫る熱演で視聴者を魅了してきました。

代表的な監督と演出スタイル

Art Videoの作品作りを支えた監督陣もまた個性的です。創業者の河村良雄氏自身がビデオネーム「峰一也」として看板監督を務め、同社社長も兼任していました。峰一也監督はハードなSM調教ものからドラマ仕立ての凌辱劇まで手掛け、その多才さでレーベルを牽引しました。彼はドラマ性の強い作品を演出する際、一時期「篁りょう（たかむら りょう）」という別名義を用いていたこともあります。これは作品ごとに演出カラーを変える意図からで、純粋なSMドキュメンタリー風作品とストーリー性のある作品を使い分けていたと言われます。
他の代表的な監督には、黒田透（くろだ とおる）が挙げられます。黒田は創成期に専属男優として数多くの作品で加虐側を演じた後、引退して監督に転身しました。監督名義としては自身の愛称「夢流ZOU（むるぞう）」を用い、過激プレイの中にも独特のユーモアやエロティシズムを盛り込む作風で知られます。特に緊縛師の立場から女優を縛り上げる演出に長け、元男優ならではの現場目線でリアリティのある凌辱シーンを追求しました。緊縛師と言えば、名和透（なわ とおる）も重要人物です（名前からも分かる通り「縄=なわ」に由来）。彼はArt Video専属の緊縛師として数々の作品で縛り・拘束シーンの演出を担い、その延長で監督も務めました。名和監督作品では縄による芸術的な緊縛美と被写体（女優）の苦悶を克明に描写することに定評があります。
さらにダーティ工藤という異色の監督も見逃せません。ダーティ工藤（工藤英輝）はArt Video初期から参加し、その後他社ビッグモーカルに移って自身のオリジナルレーベル「ダーティ」を立ち上げました。彼の演出スタイルは名前の通り汚れ役上等のハードコアで、スカトロジーなど極限フェチにも踏み込む大胆さが特徴です。Art Video在籍時代には狂気的とも言える責め描写で作品に一線を画し、コアなファンを唸らせました。GOLDMAN（ゴールドマン）も初期Art Videoでデビューした監督で、フェチ嗜好を前衛的な映像美に昇華させるセンスを持ち味としていました。そのほか斉藤茂介、森田晋、東園賢、ミネックJr.、海野TODO（うみのとど）といった多数のクリエイターが名を連ねており、世代ごとに異なるカラーの作品を送り出しています。総じてArt Videoは「作品はハードSMが多いが、内容は監督により千差万別」と言われる通り、監督それぞれが独自の演出プランでSMというテーマにアプローチしており、同じレーベル内でも作品ごとの個性が際立っています。これはArt Video作品の多様性を生み、長年にわたりマンネリ化せず支持を集めた大きな要因と言えるでしょう。

視覚的・演出的特徴

Art Videoの作品群は一貫して過激なSM描写を追求している点が最大の特徴です。具体的には、緊縛師による縄掛け（麻縄を使った本格的な緊縛）や、手錠・拘束具による監禁シーンが頻繁に登場し、視覚的にも被拘束者（女優）の肉体美と被虐性を強調する演出が取られます。また、鞭打ち、蝋燭の火滴りによる火責め、ローターやバイブレーターを使った強制絶頂など、SMプレイのバリエーションを網羅する描写がなされます。作品によっては医療器具を模した道具で行う医療プレイ（いわゆる「ナース凌辱」「検査」と称する責め）や電マ・低周波治療器による電気責めなど特殊なフェチ要素も盛り込まれ、フェチ愛好家の嗜好に応えています。視覚面では、1980年代の作品には暗く閉鎖的な地下室や倉庫を舞台にした陰惨な雰囲気のものが多く見られましたが、90年代以降はシネマジックの影響もあり照明や美術にこだわった作品も増えました。とはいえ基本的には「縛られ喘ぐ女性」をリアルに映し出すことが重視され、豪華なセットや衣装よりも縛りの技術や女優の表情・肉体そのものにフォーカスした映像が中心です。
演出的には、レイプ（凌辱）シーンの再現もArt Video作品の大きな柱です。Attackersに代表されるような「レイプもの」ジャンルが確立する以前から、Art Videoでは誘拐や監禁によって女性を無理矢理陵辱するシナリオが頻繁に扱われてきました。これらはあくまでフィクション上の演技ですが、女優の悲鳴や抵抗する所作、複数の男優による輪姦シーンなどを生々しく描写することで、見る者に強烈なインパクトを与える作品となっています。監督陣の工夫により、時には鬼畜的な加害者目線、時には被害者の心情に迫る視点など、多面的な演出がなされるのも特徴です。さらに作品には「淫語」と呼ばれる卑猥なセリフや罵倒の言葉も多用され、音声面でも過激さを演出しています。総じてArt Videoの映像表現は、「暴力性」と「エロス」の境界線を攻める過激さが魅力であり、ハードSMと緊縛の代名詞と言えるスタイルを確立しています。
なお、作品にはモザイク規制（日本の法制度による性器への映像ボカシ）が適用されていますが、その中でも限界まで過激さを追求するアングルや編集が行われています。血や傷跡といった描写は倫理規定上抑えつつも、女優の苦痛に歪む表情や涙などは隠さず映し出すことでリアリティを感じさせます。一部作品ではスカトロや獣姦といった極限フェチにも踏み込んでいますが、それらはレーベル内でも特殊な位置づけであり、メインストリームはあくまで「男女間のSMプレイ」にあります。フィクションであることを踏まえつつも、視覚・演出両面でAV表現のギリギリを攻める過激さこそがArt Video作品の真骨頂と言えるでしょう。

ジャンル・タグ分類の特徴

Art Videoの作品は販売サイトやレンタル店においても「フェチ」「マニア系」といったカテゴリーに分類されます。具体的なタグとしては、SM（エスエム）、緊縛、拘束、調教、凌辱、監禁、辱め、フィスト、マゾヒスト、レズ調教など、多岐にわたります。作品によって複数のタグが付与されますが、いずれもノーマルなAVカテゴリーとは一線を画す過激・特殊なプレイ内容を示すものです。例えば「緊縛」タグは専門の縄師による本格的な縛りが見られる作品に付けられ、「監禁」タグは拉致・囚われのシチュエーションがあることを意味します。また「レイプ」あるいは「陵辱」タグは合意無き性行為の演出が中心であることを示し、Attackers作品と同様のジャンルとして認識されています。さらに「フィスト」や「スカトロ」など極端なタグが付く作品も稀に存在しますが、これらは特定監督の作品やシリーズに限られる傾向があります。近年の大手配信サイト（FANZA〈旧DMM〉など）ではArt Video作品が「ハード系AV」や「マニアックAV」といった大括りのジャンルでも扱われており、一般向け作品との差別化が図られています。
こうしたタグ分類上の特徴からも分かるように、Art Videoは一貫してヘビーなフェチ・ニッチ志向の作品を生み出してきました。いわゆるアイドル女優の作品に付く「美少女」「巨乳」「コスプレ」等のソフトなタグとは無縁で、その代わりに「鬼畜」「凌辱」「奴隷」「緊縛調教」など刺激的なキーワードが並びます。これは言い換えれば、同レーベル作品が明確にSM・フェチ愛好者をターゲットにしていることの表れです。タグやジャンルから内容を察知できるため、コアなファンにとっては作品選びの指針となり、また苦手な人には近寄らないよう注意喚起ともなっています。現在ではFANZAやArzonなど大手通販・配信サイトで「Art Video」レーベルとして過去作が検索可能であり、タグから興味のあるプレイ内容の作品を容易に見つけることができます。ジャンル分類の面でも、Art Videoは日本AV界においてSM・フェチ系カテゴリを確立したパイオニアであり、その名称自体が一種のブランドタグとして機能しています。

他社（例：シネマジック）との違い・類似点

Art Videoと同様にSM系作品で知られるメーカーとしては、前述のシネマジックやアタッカーズが代表的です。シネマジック（1983年設立）はArt Videoの創成期からのライバルであり、団鬼六原作の映像化を志した経緯から作品に物語性や芸術性を持ち込んだ点が特徴です。シネマジックは80年代後半、一時「Annie」レーベルで単体女優（アイドル女優）路線の作品も手掛けましたが、その後はほぼ全ての作品をSMもの、あるいはSM色の濃いフェチ作品に特化させています。パッケージデザインも美麗で、従来暗く陰惨なだけだったSM作品に華やかさを導入したことで、市場のイメージを刷新しました。これに対しArt Videoは、創立当初こそ地下的な雰囲気でしたが、基本路線として「暗くハードなSMの世界観」を貫いた点に一つの美学があります。シネマジックが映画風のドラマ仕立て（ヒロインが凌辱される過程にドラマを持たせる）を得意としたのに対し、Art Videoはより即物的でフェチ度の高いプレイ映像に比重を置く傾向が強かったと言えます。ただし実際には両社の方向性は重なり合う部分も多く、互いに影響を受けながら日本のSM系AVジャンルを切り拓いていった関係です。人気シリーズの継続や女優・監督の人材交流なども散見され、SMファンにとっては「シネマジック派かアートビデオ派か」と好みを分けつつも両ブランドを追いかける者も少なくありませんでした。
Attackers（アタッカーズ）との比較では、Attackersは1996年創立とArt Videoより後発ですが、「凌辱（レイプ）もの」に特化した大手メーカーとして2000年代以降大きくシェアを伸ばしました。Attackersは有名女優を起用し、ドラマ性の高いレイプ・監禁ストーリーを手掛けることで、市場のメインストリームに凌辱ジャンルを定着させた存在です。一方Art Videoはよりフェチ色が強く、無名でもマニア適性のある女優を起用して過激さを追求する点で住み分けがなされています。予算規模やマーケティング戦略ではAttackersが勝りますが、Art Videoにはインディーズならではの尖った企画や実験的作品も多く、両者は凌辱・SMジャンル内で補完的な関係にあります。
さらに2000年代にはDOGMA（ドグマ）やCORE SMといった新興メーカーも台頭しました。特に元SODの高橋がなり氏が設立したDogmaは、スカトロや異物挿入など過激フェチに踏み込んだ作品で注目され、Art Video以上に極北を行く内容も扱いました。しかしDogmaは元々SODグループの一員として商業色が強く、Art Videoのような同人的情熱を色濃く感じさせる作風とは一線を画しています。こうした他社と比べると、Art Videoは「職人集団がコツコツとフェチ映像を追求する老舗」という位置づけであり、大手のような華やかさはないもののコアファンからの信頼が厚いブランドでした。その意味で、シネマジックとは良き競争相手であり同志的存在、Attackersとは方向性の異なる並行存在、と言えるでしょう。

作品の販売チャネル

創設当初、Art Videoの作品は前述の通り通信販売（直販）が中心でしたが、ビデ倫加盟以降は全国のアダルトビデオショップやレンタルビデオ店に流通ルートを拡大しました。特に1980年代後半から90年代にかけては、AV専門店のマニアコーナーやSMコーナーに必ずと言っていいほどArt Video作品が陳列されており、パッケージの過激な写真に目を奪われたファンも多かったようです。販売は独立系メーカーながらも大手流通会社（現在のアウトビジョン系統）と提携し、VHS時代・DVD時代を通じて安定した供給がなされました。実際、2000年代に日本最大手のAV通販サイトDMM（現FANZA）を運営するホクトグループ（アウトビジョン）は、Art Videoを含む150以上のメーカー作品を取り扱っていたとされ、Art Videoは早くからDMMサイト上でも作品情報が掲載されています。
現在では、FANZA（DMM）やArzonなど主要な通販・配信プラットフォームで「アートビデオ」レーベルとして検索・購入が可能です。FANZAではメーカーID「妄想族/アートビデオSM」として過去のDVD作品が多数リストアップされており、新作こそ無いもののカタログ的にコレクションできます。また、中古市場でもArt VideoのVHSやDVDは根強い人気があり、ヤフオクやメルカリなどには「アートビデオ」のカテゴリで数多くの出品があります。加えて、一部人気作品は他社の編集DVD（総集編）に収録されたり、他レーベルからのリメイク企画が出ることもあります。なお、公式サイトは2017年に閉鎖されたものの、妄想族グループのレーベルページでArt Video作品の案内が引き続き行われています。ダウンロード配信については、FANZAが提供するストリーミング/ダウンロード形式で視聴可能となっており、古い名作も手軽に楽しめる環境が整っています。
総じて、Art Video作品の流通チャネルは時代の変遷と共に直販 → 店舗販売 → オンライン配信へと移行してきました。かつてのように雑誌広告を見て現金書留を送る、といった手間は現在では不要で、クリック一つで名作が視聴できる時代です。もっとも、過激な内容ゆえに配信停止となった作品も一部存在する可能性がありますが、多くのタイトルは成人指定（R18）作品として合法的に閲覧・購入できます。妄想族グループに属したことで販路が大幅に広がった恩恵もあり、Art Videoレーベルの遺産は今なお新規ファンの手に届く形で残されていると言えるでしょう。