気が狂いそうになる……。
「あぐっ、変になっちゃう」
ペニスが口から抜けたとき、思わずそう叫んでいた。
「変になっちゃう!」
誰も聞いていない。周囲はざわざわしている。
「狂っちゃいなさいよ」と彩芽がわたしに囁く。「安里咲が狂うところが見たいの」
ベタベタドロドロ
冷静ではいられない。
粘膜を擦られ続ける乱暴な行為。終わりが見えない。
剥き出しの神経を刺激され続けているようだ。
「はい、ローション追加ね」
股間に彩芽がローションをどろりと落とす。
「ひぃぃぃ」
呼吸なのか悲鳴なのか。自分でもわからないような声を上げ続ける。ローションが滲みるような気がした。
「ほらよ」
男が口に硬直した固まりを押し込む。
「あんんん」
死にたい。ゆっくりと、じわじわと責め殺されていくような気持ち。
男たちは必死になってわたしの体に絞り出そうとしている。
「いくぞ」
顔の上の男がそう言って、ぐっと喉まで入れてきた。
「がっ」
逃げられない。
「こっちもだ」
性器に入れていた男がうれしそうに言いながら、エプロンから飛び出ている乳房をぐいっと握った。
「ふぐっ」
自分でもなにかを感じている。
否定したいが、苦痛だけではない。なぜ苦痛ではないのだろう。どんどん自分がおかしくなっていく。
「ふー」と男が口から離れていく。
「ちゃんときれいにしてよ」
精液で口の中がいっぱいだ。舌をのばして縮みつつある陰茎を舐める。
「かわいいなあ」と誰かが言う。
「ああ、ミルク飲み人形だよ」
「持ち帰りたい」
つい、チラッと声の方を見てしまう。
剛介がいて、その周囲にゲー研の男たちがいる。みんなが真剣すぎる表情でこっちを見ているので、思わずなんだかおかしくなり、笑いたい衝動にかられた。
「おっ、すげえ、ニッコリしたぞ」
「ウソつけ」
「いや、ホントだよ、おれに向かってニッコリしたんだよ。安里咲ちゃーん」
ケモノたちは、なぜかわたしの機嫌を取ろうとする。
彩芽が露骨に険しい表情になる。
「次の人、準備してね。すぐ挿入できないなら交替してもらいます」
彼女の場違いなほどのマジメな言葉がおかしい。
性器から離れた男にかわって、彩芽が注射器を持ってくる。
「いっぱい出されたわね」
中からどろりとしたものを吸い出す。真っ白になった注射器を持って来た。
「人気ものの安里咲。たっぷり飲みなさい」
口の中に入れられる。
ねばねばしたもの。見知らぬ男が出したザーメン。口の中いっぱいに注がれた。喉に出した男のものがまだ残っているのに。
考えてはいけない。壊れたミルク飲み人形になりきること。飲みにくいものも、当たり前のように飲み込む。
「口を開けてごらん」
ちゃんと飲んだことを示す。
「うっ」
お尻を突き上げられた。下になっていた男が達したらしい。
反射的にお尻がキュッと締まる。
彩芽が手伝い、体を横に倒す。
お尻を上にあげたかっこうで、精液を採取される。
「自分のお尻の穴に入れられた精液よ。味がついているわ。飲みなさい」
彩芽は意地悪にも余計なセリフを大きな声で言う。
すぐ横には自分たちでペニスをしごいて、すぐにでも発射しそうになっている男たちが三人、待っていた。
お尻を彼らに向けたまま、注射器をしゃぶった。
「やばっ、出そう」
近くの男が焦っている。
ごくりと精液を飲み干した。
「じゃ、出そうな人からどうぞ」
彩芽は、その男をお尻に誘導した。
「ふううう」
声が震えてしまう。感覚がなくなっているわけではない。焼けるような感じ。男が深く入ってくる。
「熱い……」
そのまま数回抜き刺しされたあと、またも抱えられるように男がわたしの下になった。
いまにも終わりそうな男たちが、競うようにわたしに入ってきた。
三つの穴に三本のペニス。
されていることは、一昨日の居酒屋と大して変わらないのに、わたしの体はまったく別物になっていた。
信じられないことに、身も知らぬ男たちに凌辱されているのに、体は熱く火照り、苦しさよりも溶けていくような奇妙な感覚だった。下に男の体があるからだろうか。浮遊しているようで、その体温や体臭が、かえって非現実的に思えてしまう。
上にいる男たちの奇妙な動きは気にしないようにする。二人とも必死な顔をして、バカみたいに口を開けて、涎と汗を垂らしながらペニスを動かし続けている。
ふとしたはずみに、ゲラゲラと下品に笑い出してしまいそうだ。
「狂っちゃいなさいよ」と彩芽に言われたが、どうやら、本当にそうなりそうだった。
待たされた男たちは、きわめて短時間に射精してくれた。
精子を飲み込む儀式をして、残りの三人を受け入れる。
反射的に「いや!」と叫び、体をひねって逃げようとしてしまう。
「逃げられるものなら逃げてみなよ」
「ホントは好きでしょうがないんだろう?」
男たちにとって、それはおもしろいらしく、わざと体を揺すりながら、乱暴にねじ入れて楽しんでる。
「すっかりミルク飲み人形ね」
彩芽が皮肉っぽく言う。
なんだか悔しくてわたしはニッコリ笑って見せた。
「おー」と男たちがどよめいた。
捻れた快感に酔った。
水槽
九人の精液を飲み干した。
体は熱く、だるい。へらへらと笑顔が張り付いている。しかし、わたしは残酷なまでに重い刑罰を科せられていた。
「精液ごっくん九人前はみごとだったわ。だけど、おしっこ九人前なんて飲めるかしら? そのあと、浣腸した牛乳三本、コーラ三本なんて、とても飲めないわよね」
彩芽がわたしを脅す。
「このために、特別なものを用意したんだ」と剛介。
ゲー研の連中が店内に運び込んだのは、水槽だった。
「入ってみて」
アクリルでできているようだ。
「こんなもの、どうしたの?」
「学園祭で生物系の連中が、展示用に使っていたものだけど、今年は新しい水槽を買ったからいらなくなったらしい。捨ててあったんだよ」
「水槽でも、穴が開いてるじゃない」
彩芽が驚いている。
わたしはその中に立ってみた。思ったよりは窮屈だ。正座してみると、肩ぐらいまである深さだが、余裕はほとんどない。
彩芽が指摘したように一ヵ所、小さな穴が開いていた。
「これは開けたんだよ。便利だからさ」
彼らがテキパキとホースを用意し、排水できるようにしていた。
「ホースが細すぎるんじゃない?」
「それも計算済みだよ」
剛介が首輪からの鎖を水槽の穴に通した。そして耳に黄色いスポンジを押し込んだ。
「頭を下にして、足を上にするんだよ」
逆さまになれというのだ。
腕を背中で縛られたまま、男たちの手を借りて、わたしは後頭部を底につけて、腰を上に垂直に立てる。両足が上にある。
「エプロンは取るよ」
裸に逆戻りだ。
男たちはアクリルの板を持って来た。金具が取り付けられている。とても嫌な予感。
その板には穴があいており、足と腰を穴に通して突き出す。足は金具に固定された。
でんぐり返しを途中で止めた感じで、足と腰を引き上げられたので、水槽の底には後頭部と肩、そして腕がついているだけになる。
首輪をぎゅっと引っ張られ、排水用のホースとともに、パテを埋めて固定された。わたしは首を持ち上げることもできなくなった。鎖がなくても、自分の体重に抑え込まれているので、ほとんど動けない。
「ホースにストッパーがあるから、当面は排水しないようにしておくことができる」
「じゃ、水槽に溜まっていくわけね!」
「溺れたくなければ、飲むしかないよ」
蓋の一部、足と足の間のところに空間があり、そこに雨樋のようなパイプを半分に切ったものが取り付けられた。
見上げると、わたしの顔にめがけて雨樋が斜めに迫ってくる。
「すごいだろ。安里咲を便器にする装置だ」
ゲー研の連中が小さなカメラを何ヵ所かに配置した。
背中の方で動きがあるのに、よく見えない。
「じゃ、最初の人から、やってもらいましょう!」
台が置かれたらしく、わたしの足、そして突き出た股間の向こうに、ニヤニヤした男の姿が現れた。
「ここに、かかっちゃってもいいの?」
「いいに決まってるじゃないか」
男はペニスを出す。興奮して大きくなっているが、今度の目的は挿入ではない。
「じゃ、いきますよー」
男は少しふざけて、チョロッとおしっこをした。生暖かい液体が股間にかかる。
ひどい仕掛けだ。
わざわざ、わたしの陰部にあたったおしっこが、流れて雨樋を伝い、顔にかかるようになっていた。
「安里咲、口を開けて飲むのよ!」
寮長が乗馬鞭を振り上げている。
剥き出しの尻に打ち下ろすつもりだろうか。
怖いので、とっさに口を開けた。
「あー」
そこに尿が流れ込む……。
すべてを飲むことはできない。顔を伝って水槽に溜まっていく。
一人分では水槽に薄く溜まる程度だろう。わたしはほとんど飲まずに吐き出していた。
このあと八人も……。
二人、三人と便器扱いされ、四人目は寮長だった。
「女子はこうするといいわね」
彼女は水槽の上に乗り、お尻をこちらに向けた。そしてわたしのお尻を金隠しのように扱い、激しく放尿した。
「ふぎぃぃぃぃぃ」
なぜ、汚いものを、大切な性器で受け止めなければならないの……。
精神的な苦しみと戦いながら、尿を浴び続けた。
気付けば、耳たぶに、溜まった汚水が入ってきている。水位が上がってきているのだ。耳栓をされた意味がわかった。このあと、汚水は増える一方なのだ。
五人、六人、七人……。つぎつぎと使われていくと、急激に水位は上昇した。溺れるかもしれない。
少しは飲んだが、それで対応できる量ではない。
九人がわたしに放尿した。
「安里咲、便器になった気分はどう?」
便器。自分は人々から汚されるためにここにいる……。
ガクッと何かが自分の中で音を立てて折れた気がした。
とんでもないことをしている。後戻りはできない。
「つぎは牛乳浣腸よ」
彩芽がガラスの大きな浣腸器を持っている。そこには白い液体がたっぷり入っていた。
「じゃ、いきますねー」
「ぐわっ」
一リットルの浣腸器は、その嘴も太い。ゴム手袋をした彩芽がアヌスを乱暴にほぐし、垂直に嘴を入れてきた。
「カウントダウンよ」
「千、九百、八百……」
シリンダーを押し込む彩芽の、意地悪そうな笑顔。わたしの様子を見ながら、お腹に牛乳を押し込んでいく。
噴水
彩芽はカウントダウンをしながら、だんだん力をこめて押し込んでいる。
噴き出しそうなお尻を、巨大なガラス浣腸器で押さえ込む。その先端は直腸の奥まで侵入し、冷たい牛乳を注入し続けている。
「四百、三百、二百……」
プランジャーを押し込む彼女の顔が怖い。
「あと百」
「うぷっ」
口の中に入った汚水を噴き出す。
「ふふふ。安里咲。一リットル、飲み込んだわね」
お腹が下がってくるような重さを感じる。
「ぜんぜん、大丈夫ね」
彩芽が片手でまだ突き刺さっている浣腸器を回しながら、膨らんだ腹部を撫でる。
「すごいわ。ここにいっぱい入ったのよ」
ガマンはできないのだが、噴き出すと、そのまま水槽に流れ込んでくる。雨樋を伝って、顔を直撃するだろう。おしっこに浸けられているのだ。完全に汚物の中に沈んでしまう……。
「抜いてみようかなー」
「ふひぃぃぃ」
太い先端部分がまだ刺さったままで、力任せにぐりぐりと動かし、腸内をかき回す。
「あっ、少し出てきたわよ。抜いたらどうなるかな。みなさーん、安里咲の牛乳噴水をご覧になってくださいねー。カメラの準備はいい?」
彼女はゆっくりと引き抜く。それに合わせるかのように、白い液が噴き出した。
ぴゅーっと三十センチも噴き上がっただろうか。
「おお」と男たちの声がし、写真が撮られている。
それがそのまま、流れてくる。だが、こんな程度ではないはずだ。
すっかり浣腸器が引き抜かれた。
あとはわたし次第。我慢できるだろうか。
「苦しいでしょ。噴き出してみなさいよ」
撫でていた彩芽の手が、ぐっと押し込んできた。
「あうっ」
ぐるぐると鳴るお腹。ビュッと牛乳を噴き上げた。
「気持ちいいでしょ。もっと高く!」
押されてビュッ、ビュッと少しずつ吐き出していく。
それが流れて、わたしの顔に降りかかる。
男たちが「汚ねえなー」とうれしそうな声を出している。ストロボが明滅し、水槽に乱反射する。
飲まないようにしても、口に入ってしまう。そして確実に水位が上昇していく。ちょっと顔を傾ければ、汚水なのだ。
「そうよ。飲んでごらんって。おいしいわよ、きっと」
真っ白な液体ならいいのだが、ここに連れてこられてからの浣腸ではまだ不十分だったらしく、汚物も混ざっている。それが恥ずかしい。
顔に当たる汚物は、屈辱以外のなにものでもない。
「まだまだ、出るでしょ」
彼女は、ボール状の瘤がいくつもついているシリコンのオモチャを手にしていた。
「お隣の町でアダルトショップを経営されている岡山さんから、ステキなアナルビーズを提供いただきました。さっそく試してみましょう」
テレビショッピングのように、彼女は二十センチほどの青いそれにローションを塗りながら、ある程度は柔らかく曲がることを見せている。
先端のボールは小さいが、根元へいくにしたがって大きくなっていた。
「じゃ、入れてみますね。ミルクがどれぐらい残っているかなー」
閉じていたお尻を拡げられて、また噴水が始まる。
「うわー、出るわね。笑っちゃうわね。次にコーラも入れるんだから、できるだけ出しておかないと苦しむわよ」
ぱっくり開いたところに、アナルビーズが入り込んでいく。
「ぐはぁ」
自分の体の奥までも、他人によっていじられる。腸壁が器具によって押されていく。ただの楽しみの道具となったわたし。
「すごいわ、きれいに入っちゃった」
そして引き抜く。
「ひいいいい」
おぞましい感触。腸が引き出されていくような気がする。
叫んだ口に汚物が入り込む。
牛乳が噴き上がる。
「おもしろいでしょ」
何度も何度も、突き刺しては腸内をこねくりまわし、いっきに引き抜く。
「安里咲。あんたの腸や肛門はバカになっちゃうわね!」
興奮した彩芽は加減をしらない。
「があああ、やめてえええ」
ズコズコとアナルビールをペニスのように入れたり出したりしはじめた。
呼吸するように、牛乳が吐き出されていく。奥から出てくるものは、茶色く染まっている。
「お願い、もう、やめて」
まるで井戸から汲み出すように、アナルビーズによって腸内の牛乳が掻き出されていった。
「ぐふっ、ぷふっ」
声を出せなくなった。口の周りに汚水が押し寄せている。
奇妙な感触がお尻の周りにある。アナルセックスとは違う、微妙な気持ちよさ。敏感になっているからか、アナルビーズを粘膜が喜んでいる。
「パクパクしちゃってるわよ、安里咲のお尻の穴。みなさんもご覧になって」
男たちが覗き込んでいる。
「近づくと危険よ」
まだ排泄は続いている。終わった気がしない。
「じゃ、次ね。時間もないし。今度は違う方法でやるわよ」
浣腸器からプランジャーを抜き取って、シリンダー部分だけお尻に突き刺した。
「うっ」
「痛かった? ごめんごめん」
おどける彩芽は、浣腸器にコーラをゆっくり注ぎ込む。
それだけでも、自然にコーラが中に入ってくる。空洞になっている腸が、まるで欲しがっているかのように。
「すごいじゃない、自分で飲むの?」
三本のコーラを注いでいく。容量が一リットルのシリンダーだが、あふれることなく、三百五十ミリ缶三本が入った。それをなにもしなくても、自然に飲み込んでいる……。
「もっと飲んでごらん」
シリンダーをゆすると、さらに入ってゆく。パチパチとはじけるような炭酸が、腸内の奥まで染み込む。
ひどく淫らな体になっているような気がした。
「このまま、安里咲がゆっくり飲み込むのを待ってもいいけど、時間がないから」
プランジャーをセットして、彩芽が力任せに押し込んだ。
「ぐひぃっ」
大きな口を開けて叫んだら汚水がたっぷり口に入った。
「げふっ」
吐き出しても、同時に飲んでいた。
鼻を水面から上にするのに必死になるが、首輪で押さえられているので、顎を突き出してみても鼻孔が上を向くだけなのだ。息ができなくなる恐怖……。
「もっと飲めばいいのよ。そうすれば楽になるわ」
ごくりと、飲んだ。一口でも飲んでしまったのだ。どれほどの屈辱であっても、飲み続けるしかない。
逆さになって飲み込むのは難しい。集中しないと気管に入りそうだ。胃は水面より上にある。そこに送り込めば、それだけ水位は下がってもいいと思うが……。
「たっぷり飲んでね」
胃に送り込みたくても、その上で重たい腸がうねっている。
刺激的な液体によって、腸内が膨らんでしまった。
「うわあ、パンパンよ」
彩芽が腹部を乱暴に揉む。
浣腸器に彼女が体重をかけ残りを押し込む。開いた肛門は、内部からの圧力に屈してコーラをジュブジュブと浣腸器の脇から噴き出していた。
それが陰部に流れ込み、粘膜が焼けるように熱くなる。
「やっと入ったわね」
少しずつ漏れているが、そのことは気にしていないようだ。
「じゃ、みなさんに安里咲のコーラ噴水をご覧にいれるわ。せーの」
浣腸器が引き抜かれると、緩みきった肛門はまったく無力で、お腹の中のガスの圧力に抵抗できず、泡となったコーラを大量に噴き出した。
「ひひひ」と男たちが笑っている。
写真も撮られている。この様子がまたネットに上げられるのだろうか。
刻一刻とわたしはダメな生き物になっていく。
なにがダメかといって、このとき、わたしは意図的にお腹に力を入れて、思い切り噴き上げようとしていたのだ。
見世物となること。見ている人たちが笑い、喜び、蔑むこと。それを自らすること。
同時に腹部の苦痛が和らいでいく快感。
びゅっと勢いよく噴き上げたコーラに、また拍手が起こる。
顔に浴びる炭酸を口を開けて飲む。飲まなければ沈んでしまう。顔にかかるコーラは、水槽に溜まっている汚水よりはまだましな味がした。
何度か噴き上げたところで、勢いはなくなった。
「じゃ、次はこれです」
さきほどのアナルビーズに似ているが、今度は倍以上も長く、五つのボールは先端から末端まで同じゴルフボール大である。真っ黒で、ボールとボールの間を太いシリコンがつないでいた。
「お尻の大掃除をしてあげるわ」
彩芽はそれを押し込んでくる。
「炭酸もたっぷり入って、腸が膨らんでいるから大丈夫よね」
さきほどから、麻痺したように開きっぱなしのアヌスは、コリッ、コリッという感覚でボールを飲み込む。
声を上げようにも、開いた口には汚水が次々と流れ込み、飲んだり、吐き出したりするだけで精一杯だった。
彩芽はさっきとは違い、二個沈めたら引き抜く。コーラが噴き出す。つぎは三個沈める。そして引き抜く。そうやって、少しずつ、入れては抜いていった。
「がはっ」
お尻を襲うさまざまな感覚に狂わされる。足に力が入る。
「だめよー。もっと緩めて。感じてるのはわかるけど」
感じている? これがそうなのだろうか。
腸の奥まで器具を入れられて、腸内のコーラが噴き上がる。擦られ、痛めつけられて、お尻全体がジンジンと痺れたようになっていた。
「寮長。こいつ、感じてると思いません?」
「そうね。これを使えばわかるわ」
男性の形をした器具。寮長がスイッチを入れると、透明な胴体の中に何個も玉が入っていて、それがくねる。先端部分も円を描く。そして小さな突起が根元にあり、それがどこに当たるかも想像がつく。
「まあ、びしゃびしゃだわ」
陰部が濡れているのはコーラのせいだけではない。
振動し、くねる機械がこじ開けていく。
「うひぃぃぃ」
「安里咲、まんこをいじられてうれしいの?」
しゃべることができない。言葉が出ない。
「お尻からコーラを噴き出し、おしっこ漏らしながら、イキなさい」
陽子夫人が冷たく言い放つ。
「ああああああ」
感じてしまうこの体。どうしようもな自分。ダメな自分。
みじめすぎる。
性器の中でうごめく器具が、あらゆる感覚を刺激してきて、下半身が燃え上がる。
ゴクリと汚水を飲む。それがエネルギーにでもなったように、ガツンと強烈なアクメがやってきた。
「うがぁ」
甘い汚水。
縛られ、固定され、逆さに水槽に浸けられているのに、どんどん昇りつめていく。
「いやあああああああ」
最初のピークがやってきて、それを知った彩芽が、勢いよくアナルビーズを抜き取ったのだ。
びゅっとコーラを噴き出しながら、全身を震わせた。足が痙攣している。
「逝ったわ。みなさん、ご覧になりました? 自分の排泄物を飲みながら、安里咲はお尻の穴をいじり回されて、恥ずかしいぐらいの絶頂を味わっているのよ」
死にたい。
絶望的な快楽。
そうだ、このまま死ねるかもしれない。この水の中で溺れ死ねば……。
わたしはわざと顔を横に向けた。
鼻から汚水を吸い込み自ら溺れる勇気はない。でも、息を止めてみよう。静かに消えていくことができるかもしれない。
そう覚悟したとき、なにかが起こった。
見上げると、剛介がいた。排水口のストッパーを外したのだ。激しく汚水が下水口に流れていった。
彼はじっと暗い目でわたしを見ていた。なにも言わない。
彩芽や寮長が笑いながらわたしの体で遊んでいて、男たちはその様子を楽しんでいる。だけど、彼だけは、じっとわたしを見ている。
あなたが、わたしをこんな風にしたのよ。
わかってる、と彼が答えたように思えた。
第二波がやってきた。体が硬直するほどの快楽。
「ぎひぃぃぃ」
苦痛のような声。苦悶の表情しかできない。だが、それはおそらく快楽の根本なのかもしれない。
表情ひとつ変えず、彼は見ていてくれる。
もしかしたら、彼こそがわたしの人なのかもしれない。なにもかも、見通しているのかもしれない。わたしの中にある、本質。ドロドロの汚水のような心。
足を留めているベルトが外された。雨樋も。
水槽の中に体がだらしなく丸まっている。
ホースを持った寮長がやってきて、水を浴びせた。
「少しはきれいにしてあげようね」
「きゃぁああ」
首輪の鎖は引っ張られているので、身動きはできない。
「まだまだ、やってもらうことがあるんだからね」
水で洗われ、やっと鎖を緩めてもらい、水槽の中に立ち上がることを許された。
バスタオル。それはそもそも自分のものだった。それで髪と体を拭く。
気付くと、集まっている人の数はさきほどよりもずっと多くなっていた。ゲー研の連中がどこにいるのかわからないほどだ。
綱渡り
なんという意地悪なことを考えるのだろう。
彩芽たちが次に仕掛けた見世物。
わたしはそのために、店舗の一番奥に立っている。股間に縄が食い込んでいる。その縄は、店の入り口、道路まで続いている。縄のところどころに結び目が作られている。そこを、通過していかなければならない。
後ろ手に縛られて、左右の乳房をそれぞれ縄で括られ、その縄を陽子夫人と寮長が持っている。背後には乗馬鞭を手にした彩芽がいる。
「お次は安里咲の綱渡りだよ。綱渡りといっても、落ちる心配はないからね」
寮長がうれしそうに、鈴生りになっている観客たちに説明している。
「綱には瘤があるからね。この瘤が、敏感なところを擦りあげることになる。安里咲はどんな顔をするかな? 立ち止まったら、容赦しないからね」
「あうっ」
彩芽がビシッと鞭を尻にたたき込み、寮長らが乳房の縄をぐいっと引っ張った。
「痛い目にあいたくなければ、自分で前に進むんだよ。ちゃんと渡れるかどうか、みんなで見ててあげるからさ」
暗い店の奥から明るい外まで、まっすぐにロープが続いている。
「じゃあ、行くよ!」
そのロープが急に持ち上がった。
「あっ、そんな!」
つま先立ちになるしかない。
これまでの高さなら、なんとか歩くことができそうだったが、いまでは深く食い込みすぎて、簡単には進めそうになかった。
「安里咲。歩くのよ」
陽子夫人と寮長が一歩、先を行く。乳房が引っ張られる。
体が前のめりになるのを、後ろの彩芽が腕の縄を握りしめて、阻止する。
こんなことにどんな意味があるというのだろう。
一歩、前に出るが、縄の先端を持っている連中がぐいっと持ち上げるので、容易ではない。
「ちゃんと歩きなさいよ!」
彩芽がお尻に鞭を当てる。
「ひっ」
さきほどまでの汚水まみれの苦行とは別の苦痛。
蹂躙され続けている性器と肛門が縄に擦られていく。自ら歩けば、そこを連続して痛めつけることになる。
「ああっ、はああっ」
声が出てしまう。わざとではない。演技でもない。声を上げないと一歩が踏み出せないのだ。
「擦れるぅぅ」
熱く、そして痛い。
それをビデオカメラを構えた連中が、うれしそうに撮影している。
擦られ、めくられていく恥ずかしい部分を、人々はニヤニヤしながら見ている。
ゴールに辿り着くことができるのだろうか。そのとき、股間はどうなっているのだろう。
トボトボとつま先立ちで進む。店の半分ぐらいまで来たが、汗だくになっていた。
「もうムリです、許して」
「弱音をはくなよ!」
バシッと彩芽の鞭がお尻を叩く。
「ぎゃー」
痛みと悲しみで叫んでしまう。
「うるさい!」
乳房を引っ張られる。
前に出るしかない。するとぐいっと縄が性器をえぐっていく。
明るくなってきて、肌に陽光が差し込み、みじめさが募る。
「ぐずぐずしないで」と陽子夫人が厳しく縄を引く。
「うがっ」
この人たちに「痛い」とか「やめて」とか「許して」といった言葉を吐くのさえ、無駄なのだ。喜ばせるだけだ。しかし、出てしまう。
「許して、許して、お願い」
一歩、また一歩。ニヤニヤしている男たちが見ている中を歩く。
柔らかな粘膜を理不尽に激しく傷つけられて、その激痛から逃れることはできない。足を前に出さなければならない。
「はっ、ぐっ」
しだいに観客たちの表情がはっきり見える位置になってきた。もう少しで店の外に出る。縄はまだ続いている。
瘤を乗り越えると、それが粘膜の中にまで入り込み、えぐるようにして通過する。
「はあっ」
もだえているわたしは、よほど彼らの目を楽しませているようだ。
「さすがバレエをやっていただけあって、きれいだな」
「どことなく気品みたいなものがあるね」
「あれだけ汚されても、おれはぜんぜん抱けるぜ」といった声が聞こえてくる。
見た目と肉体しか評価されていない。
それも、特殊な性癖のある人たちからの評価だ。
左右を客たちが並んでいる。
その中を、体を捻りながら、お尻を鞭で叩かれながら、苦悶の歩行を続ける。涙で視界が曇る。
「どこまで行けばいいの。まだ終わらないの」
「よく言うよ。ロープをこんなにべったり濡らしているくせに」
寮長が意地悪く乳房を引っ張る。
とうとう店から出てしまった。車道は歩行者天国になっている。
向かい側の店の前で剛介がロープを持って立っていた。
まだ倍以上、歩くのだ。
「いけいけ!」と彩芽がお尻をぶちのめしている。
あそこの感覚が麻痺してきた。ぐちゃぐちゃに傷ついているような気がする。そこに目を向けるのが怖い。
乱暴に乳房を引っ張られて、とうとう、剛介のところへ辿り着いた。
彼は倒れ込むわたしを抱き締めてくれた。
「すごいじゃないか」
しばらく動けない。
「このあとは、一番の精液ごっくん三人前だよ」
剛介は軽く言う。
ああ、まだ地獄が続くのだ。
「みんな、安里咲に拍手!」
口笛が吹かれ、パラパラと拍手される。恥ずかしくてカッと熱くなった。
「みんなに見せろよ!」
誰かが叫び、その場で陰唇をつまんで傷ついた膣口を見せるように言われた。
腕の縄が解かれ、震えながら自分で痛みの残る性器を触った。麻痺しているようでいて、ドロドロになっていた。
指先で小陰唇をつまみ、広げてみせた。
「すげえ」と男たちがしゃがんで覗き込む。
「こっちにも見せろよ」
がに股になって、見せつけるようにしているわたしを剛介が押し、練り歩かされたが、途中で気が遠くなってしまった。
「気持ちがよくなっちゃったのか」
担がれるようにして店に戻され、そこで勃起した男たち三人に引き渡された。傷ついた股間でも、彼らは手加減しない。
「あぐぅ」
三つの穴を埋められて、徹底して肉体奉仕をする。汚れきった布団は片付けられ、薄いウレタンマットの上で犯される。男が下にいるのは穴にはきついが、まだしもだった。
そして精液を飲み干す。それが当たり前になっていた。
浣腸した牛乳を排泄し、それを飲まされる。
今度はコップに排泄して、みんなの前でゴクゴクと飲まされた。
次には六人の精液を絞り出す。再び水槽が用意されて六人の男女からおしっこをかけられ、飲まされる。
心はささくれ立っていた。考えないで体を動かしている。
最後にコーラを浣腸され、思い切り噴き上げてみせた。
喚声が上がった。
「安里咲の浣腸芸はすごいね」
野次馬たちにバカにされた。
いつしか太陽は大きく西に傾いていた。
「本日はご協力、ありがとうございました。おかげさまで無事、バザーは終了です。これからも、安里咲をよろしくお願いいたします」
寮長が宣言して、すべての行事が終わったとき、わたしは口もきけず、立つこともできなかった。
店の隅で倒れているわたしを、みんなは気にしないふりをして片付けをはじめる。体にタオルをかけてくれているが、服は着せてもらえない。逃げる気力などないのに、手枷、足枷が復活していた。
剛介と彩芽がやってきて、股間などをチェックする。
「大したものだね。それほどのダメージはない。これなら夜も大丈夫そうだ」
夜? まだ、なにかさせるというのだろうか。
後片付けがテキパキと進んでいる中に、剥げオヤジたちがやってきた。
「盛況だったそうだね。かなりハードだったんだろう?」
心配などしていないくせに。
「問題はありません。ご安心ください」と剛介が請け負う。
「みんな楽しみにしてるからさ。じゃ、二時間後でいいのかな?」
「ええ。よろしくお願いします」
剛介は彩芽に小さなチューブを渡した。
「これをたっぷり塗ってやってくれ」
「ふふふ」
彩芽はうれしそうに笑う。
「発狂しちゃったら、どうするの?」
「大丈夫だ。そこまで強い薬じゃないよ。粘膜にはいいはずだ。それに、今日のこれだけのイベントをやり遂げたんだ。安里咲はおれたちが思っている以上に、すごいんだよ」
「すごい変態ってことね!」
剛介はどこかへ行ってしまう。
彩芽はチューブから出した白い軟膏を指につけて、さまざまな虐待を受けた股間に塗ってくれる。
「安里咲。あなた、ステキよ。思った以上よ」
膣の粘膜。小陰唇。クリトリスの襞。肛門。指を奥まで入れて、薬を塗り込んでいく。
冷たくて気持ちがいい。傷つき熱を持った粘膜が、急速に冷えていく。痛みが緩和されていく。
「もっと、たっぷりつけてあげるわね」
チューブをほとんど使いきるぐらい、油のような軟膏を塗りたくった。
乳房の根元、縄で擦られたところにもつけてくれる。手首や足首の傷にも。
「わたしと寮長、陽子さんも、ここで今日はおしまい。忙しいから。あとで迎えに行くけどね。それまで剛介たちの指示に従うのよ。楽しんでね」
そう言うと、女性陣は全員、引き上げてしまった。
胸が苦しくなる。
剛介たちの凌辱からはじまった苦行。寮では女ばかりだった。きついことばかりされてきたが、彼女たちにすっかり依存していた。
憎み、嫌い、呪った彼女たち。だけど、いなくなってしまうと、拠り所がなくなってしまう。
疲れ果て、正常な考えなどできないからだろうか。わたしはちょっとしたパニックに陥っていた。
体は動かない。立ち上がる気力もない。
恐怖に支配され、心が潰れそうだ。お願い、置いていかないで。男たちばかりの中に、わたし一人は怖すぎるの。助けて。寮に連れて帰って。
そう叫びたいのに声も出ない。
しだいに体の奥がカッと燃えるように熱くなってきた。
熱があるのだろうか。風邪か。
一日中裸で、常識はずれのことをさせられてきたから、風邪になってもおかしくはない。たくさんの人たちと交わったので、おかしな病気をうつされた可能性だってある。
絶望しつつ、じっと耐えていた。
そうすると、その熱の意味が徐々に変わっていった。
これは……。
剛介が置いていったあのチューブ。わたしにたっぷり塗り込まれたクリーム。あれは傷を癒やすだけでない、別の作用がある……。
「はあああ」
熱い吐息。
切なくなってくる。
欲しくなってくる。
信じられないことに、もっとメチャクチャにして欲しくなる。
自分がどうかなっていく。
「どうだ。少しは気分、よくなったかな?」
剛介とゲー研の連中。
「あああっ」
「わかるよ。燃えるんだろう? 体が燃えてしょうがない。安里咲は、一歩、一歩、とんでもない存在になっていくんだ。今日は記念すべきその一日目だね。これからの数時間、安里咲は生まれ変わる」
そんなこと、どうでもいい。
わたしは飢えている。なにか、太くて硬いもので、体をかき回してほしい。昼間のゲームよりも、もっと強烈な刺激がほしい。そうだ、拷問。亜由美が受けていたような、黒人たちによる激しい苦痛の連続。皮膚が裂け、肉が潰されてもかまわない。
この自分でもどうにもならない肉体を、徹底的にすり潰してほしい……。
生まれてはじめての衝動。
自分の中に、そんな狂暴なまでの欲望があるなんて。
あまりにも破壊的な気持ちになっている。なにかしてくれなければ、もうガマンができない……。
「行こう。すぐそこだから」
タオルを肩からかけただけで、素っ裸のまま、ジャラジャラと鎖を鳴らし、暗くなった商店街を歩かされた。
「お願いです、剛介様」と震える小声で告げた。
「なんだ?」
「安里咲を、めちゃくちゃにしてください。どうか、この体を、完全に使い物にならないほど激しく……」
「ふふふ」
剛介は笑う。隣のゲー研の男が「薬が効きすぎたんじゃね?」と言うが、剛介に頭をはたかれている。
「いいよ、安里咲。生まれ変わったおまえを見たい」
「じゃ、めちゃくちゃにしていただけるのですね」
「もちろんだ」
「あ、ありがとうございます」
自分でも信じられないようなことを口走ってしまうのだった。
奉仕の夜
めちゃくちゃにしてほしい。二度と立ち上がれないほど激しく扱ってほしい。もうどうなってもいいから、すべてを忘れさせてほしい。
飢えた獣のように、鎖をジャラジャラ鳴らして街を歩き、商店街の組合があるという、以前は店舗兼住宅だったらしい二階建てに入った。足を洗うように言われ、体もタオルで拭かされた。
木の階段をあがって二階へ行くと、そこは畳敷きの広間で、大勢の男たちがビールを飲んで、大声で話をしていた。
剛介たちに囲まれるようにして正座させられたとき、自分はなにをしているのだろうと、はじめて気付いた。
熱に浮かされたように、ここまで来てしまった。
この体をどうにかしてほしい。その欲求はますます大きくなっているが、同時に恐ろしかった。
またしても、わたしは、どうにかなっていく。朝からのバザーで、心も体も限界にあるはずだが、剛介が言うように、わたしは生まれ変わろうとしていた。
興奮のあまり、過呼吸になりそうだ。
「みなさん、今日はありがとうございました」と剛介が挨拶をしている。なにかしゃべっているのだが、耳に入らない。
「……で、安里咲を思う存分……」
震えて待つ。それが始まるのを。
「安里咲ちゃんだっけ。ホント、いい娘だね。おじさんたちが夢に見てしまうようなボディーだな」
「見せてもらったよ。あんなにいろんなことをされても、若いから平気なんだな」
オヤジたちが笑いながら、言葉を浴びせてくる。
「では、次回のこともあるので、先に、商店街のゆるキャラ『ぺんぺんちゃん』の話をさせてください」と剛介。
わたしの前に不思議な道具が並ぶ。
「最終的には着ぐるみになるのですが、それはまだ完成していなのです。ただ中に入る安里咲の仕様をご説明しておきます」
ゲー研の男たちがやってきて、わたしから枷を外していった。
かわりに腕を背中でベルトのようなもので縛られる。足は折り曲げて、左右別々に腿と脛をベルトで縛る。しゃがむことしかできない。股間をただ開くだけの存在だ。
「舌を出せ」
黒いプラスチックの嘴。その内側には大きな洗濯バサミのようなものが装着されている。舌を出すと、頭を押さえられ、舌を挟まれた。
「あひっ」
細長い円錐状の嘴は、その中でわたしの舌を強くはさみこんでいて、細い紐で頭の後ろで留められた。
「一石二鳥でしょう? ペンギンの嘴、そして猿ぐつわ。舌を挟んでいるので厳しい責めにもなりますね」
涙が出るほど痛い。声も出せない。
「次は尾っぽです」
大きな器具。二本のいやらしい突起がついている。その目的は明らかだが、一列に並んだ二本の突起、その土台になっている部分は緩やかなカーブを描く三角の尾になっている。ペンギンの尾だ。
畳に倒され、股間を人々にさらす。
「装着します」
「ぐぐうう」
突起をヴァギナとアヌスに押し込まれる。
今日は朝からさんざんに痛めつけられているので、最初は激痛しかない。しかしあの薬のせいか、痺れるような甘い感触に変化していく。
頭では「これは騙されている」とわかっている。こんなことが快感になるわけがないと。
それなのに、すでに燃えている体は突起を深く受け入れるだけで、過剰な反応をしてしまう。
「深く入れて、この下に出ているボタンを押すんです」
一瞬で、中に入った部分が肥大したのがわかる。
「これで、簡単には抜けません」
彼が尾を揺らし、引っ張る。
「あがああああ」
やめて! そんなことしたら……。
苦痛を上回る快楽に、気持ちの持って行き場がなくなる。
「立たせてみよう」
腕を持たれ、物のように引っ張り上げられる。
奇妙な尾を股間にくっつけた哀れな女。
和式のトイレにでも入っているようにしゃがむしかない。
「歩いてみろ」
苦しい。
足が動かせないので、体を左右に揺らすようにして、歩き出してみる。
「ぐあああ」
股間に強烈な刺激。男たちに犯されたり、器具を突っ込まれたときのような感触もあれば、大量浣腸をガマンできずに噴き出すような感触もある。
二つの穴が、動くたびに、奇妙に捻れ、突起に擦られていく。
尾の部分に微妙な重みがあるようで、動くと惰性でそっちに大きく引っ張られ、穴が持っていかれそうになる。痛がゆい快感。
「いいねえ。かわいいじゃないか。ぺんぺんちゃん」
「商店街のイベントのときには、必ず、ゆるキャラとして登場させましょう」
普通には歩けないので、ひどく遅い。
オヤジたちの間を、剛介たちに首輪を引かれて、ゆっくりと歩かされる。
そのいやらしい目つき。
この人たちに、犯される……。
蹂躙される……。
早く、欲しい。どうせなら、このような苦痛よりも、彼らに肉体を奪われたほうがずっといい。
どんなことでもする。従順に、言われるままに。なされるがままに。
彼らが満足してくれさえすれば、わたしは満たされるし、その間は苦行から遠く離れた世界にいられる。
それにこの、どうしようもない淫乱な体。
燃え続けている。さきほどよりもさらに熱くたぎっている。
「では、みなさん、安里咲を心ゆくまでお楽しみください」
誰かにドンと突かれて、バランスを崩し、畳の上にひっくり返ってしまった。
オヤジたちが群がってきた。
嘴をやっとはずしてくれた。
「かわいそうに。痛かっただろう」
いやらしいけど、やさしい……。涙が出るほどうれしい。
しかし次の瞬間、オヤジの唇が重なってきた。ブチュッと音を立てて、痛む舌先を吸い出す。
「ぐううう」
「おい、ずるいぞ」
周りに止められて、涎を垂らした男は笑いながら離れた。
「前の娘もかわいかったが、安里咲ちゃんはスタイルがいいよね」
「バレエやってたんだって? ロシア人の先生に恋したんだって?」
なんで、そんなことまで……。
「驚くことはないよ。安里咲ちゃんのことは、あそこの穴の中まで、みんな見ているんだからね」
「そうだぞ。安里咲にはプライバシーなんてないんだ」
剛介たちが、わたしのことをすべてネットで暴露しているのだ。
「安里咲ちゃんはやさしいイイコだものな。亜由美に同情して実験に付き合ったりしたしね」
「オジサンも、どうせなら安里咲みたいな娘が欲しかったよ」
「バカ、おまえとあのババアの間には絶対にないな」
笑い。そして酒のニオイ。だけど、なんだか温かい。
「お願いです。安里咲をみなさんで、めちゃくちゃにしてください」
痺れる舌でうまく言葉が出なかったが、なんとか言えた。
「いいよ、してあげようね」
「見せてもらおうか」
尻尾を引き抜こうとするが、簡単には抜けない。
「抜くときはどうするんだ」
剛介が百円玉を手にしている。
「これで、根元から外してやるしかないです」
突起の先端を膨らませる機能がある一方、それを萎ませる機能はない。
台となっている尻尾本体をコインでネジを回して、取り外す。
わたしの中に二本の突起が入った状態になる。尻尾がなくなると、自然に内部の圧力も抜けていく。
「なるほどね」
オヤジたちは、簡単には抜かない。突起を手で動かすのだ。クチャクチャといやらしい音が響く。
「あはっ、うっ、いやっ」
くねくねしてしまう。
「へへへ、感じちゃってるね。ドロドロになってる。今日は朝からいっぱい突っ込まれていたけど、まだ足りないんだな」
「順番に味見させてもらおう」
彼らは下半身を出して、周囲に立っている。
「じゃ、おれから」
えぐるようにヴァギナから器具を引き抜いた男が、そのままインサートしてきた。
「おお、なるほど、これはいい具合だな」
「出すんじゃねえぞ。後がつっかえてるんだから」
「うるせえな。もう少し」
ぐいぐいと固くなった男性器でもてあそんでから、バトンタッチする。
「最後までして」
「気持ちはわかるがよ、おれたちはあんたほど若くはないんだ。そう何発もやれねえからさ。いろいろ楽しんでからってことだよ」
「ああん、そんな……」
次々とオヤジたちが、わたしの中に入っては刺激するだけ刺激して交替する。
全部で十二本のペニス。
「もっとして。お願いですから」
「今度はケツだよ」
お尻から突起が引き抜かれる。
「見ろ、ぱっくり開いてやがるぞ」
何度も浣腸され、アナルセックスをさせられ、拡がってしまっている。
「いやらしい眺めだな。二つの穴が誘ってやがる」
「こんなスケベな体に生まれちゃったんだね、かわいそうに」
うつ伏せにされて、お尻を突き出し、つぎつぎと彼らのものを入れられる。
こんなにわたしが狂いそうになっているのに、彼らは自分たちのことだけに夢中になっている。
「お願い、どうか、安里咲を逝かせて」
何度頼んでも、彼らは笑っているだけ。
生殺し状態が続く。
それなのに、剛介が新たな薬を二つの穴に塗った。メントールのようなスッとする感触。それでいて、冷たくなるどころか、ますます発情してしまう。
「助けて。お願いです。安里咲を思い切り突いて。あそこがぐちゃぐちゃになるぐらい、やってください!」
叫んでいると、彼らはかえって遠巻きに見るだけで、触りもしない。
「そうだ。一人で心ゆくまでやってみろよ」
「よーし、安里咲のオナニーショーだ! 何発逝くつもりだ」
「二穴同時に使えよ」
バザー会場でも見せられた淫具が畳にゴロゴロと置かれる。
腕の拘束を外され、足も自由にしてもらった。
この場から逃げるならいまだ。頭では「逃げるのよ!」と冷静な自分が叫んでいる。それなのに、手は淫具を求める。この体をなんとかしない限り、逃げることなどできそうにない。
あざけられ、笑われてもいい。達したい。思い切り、感じたい。
「安里咲のオナニーを、ご覧ください」
わたしは叫び、太い淫具を手にした。それを傷つき、拡がっている膣に入れていく。
「あっ、あっ、すごい、太い」
ぎゅっと押していくと、体を引き裂くように、器具が入り込んでくる。その充実感がたまらない。
朦朧としている。手探りで淫具を見つけると、それをしゃぶり、濡らしてからお尻にあてていった。
意地悪な剛介たちは、太いディルドだけを置いたようだ。イボがついた固いものが、お尻の中に入っていく。
その苦しみと快楽は、わたしを夢中にさせる。
「安里咲の逝くところを、見てっ!」
最初のうねりがはじまった。
「あっ、あっ、あっ」
呼吸しながら声が出てしまう。
畳の上でのたうちながら、二つの穴をいじり、足を震わせてつぎつぎとやってくる快楽の波に身をまかせるのだ。
「気持ちいいのか? なんとか言ってみろ!」
「あ、はい、すごく気持ちがいいです。だめっ、だめー」
新たな快楽のステージに入ろうとしていた。
エロ人形
「ああうぅぅ、もっと……」
うわごとのように求める。
口の中は精液でいっぱいになり、飲み込みきれないものが粘膜に喉から胃までべったりと張り付いているようだ。
膣や肛門はそういう感覚はないが、同じような状態だろう。
十二人のオヤジたちが、つぎつぎとわたしを抱いた。彼らの足と足の間に身を沈め、腹部に顔を押しつけ、指でいじられながら、何度も達した。
それでも火照りが納まらない。むしろさらに激しい感触を求めている。
「痛てて! 噛むなよ」
オヤジが睨む。思わず彼の毛むくじゃらの太ももに歯を当てていた。
誰が誰だか知りたくもないが、彼らは最初は勢いよく蹂躙する悦びにあふれていたのに、精を放つと、少しよそよそしくなっていった。
興奮から醒めると、残るのは罪悪感なのか。
「もういいだろう、これだけやれば」
そういう男もいれば、「なに言ってるんだ、このチャンスを逃したら二度とないぜ、もっとやろう」という男もいた。
「簡単に二発、三発とはいかねえよ」
大学生たちとは違うのだ。
「欲しいのか?」
「はい。お願いします」
縮こまった男根をしゃぶったり、いじったりしながら、彼らに頼む。みじめさは感じない。そんなものはずっとあとで感じればいい。いまは、もっとやりたい。ただそれだけ。
「口をあけて、上を向くんだ」
女座りをして、手を畳につけて、顎をあげ、口をあけた。
言い出した男が覗き込み、口をすぼめた。泡立った唾液があふれ、つっと落ちてきた。
「みんなもやれよ。まだ飲むなよ」
意味のわからない儀式。彼らはツバなら吐けるのだ。
つぎつぎとオヤジの唾液が落とされて、わたしの口の中はいっぱいになった。
「飲み込め」
口を閉じ、少しずつ飲んだ。味わって飲んだ。
「まんぐり返しになれ」
自分の足を抱えるようにして、畳に背中をつけ、股間を突き上げた。
「おれたちの二発目はそう簡単にはやれないぜ。おまえがおれたちを立たせてくれたら、やってもいいけどな」
そういうことなのだ。彼らは興奮が必要だった。
「縛ってやろう」
足と手をそのままで縛られた。自分で足を広げて転がっている。彼らはその姿を眺めて、薄笑いを浮かべていた。
「ひどいことはしないで。お願いだから。好きに入れていいから」
「聞いたか、頭のいい女子大生の言う言葉じゃないな」
「エロ狂いじゃないか」
「そういうやつは、ちょっと罰してやらなくちゃいけない」
「お願い、痛いことしないで」
セックスをすることで気持ちがよくなるなら、それでいいではないか。こちらはなんでもしているのに。
「もっと、いじめて泣かしてやろう」
「いや、そんな……」
「泣き顔の安里咲がいいんだよ」
医療器具。銀色に光る膣鏡。
「いやらしい穴を見せてもらおう」
指で乱暴に膣口を開き、ぐねぐねと確認をしたあと、その先端を突き入れた。
「いやあああ」
せっかくこちらが本気で愛してほしいと思っているのに。肉棒で愛してくれるだけでいいのに。
「見ろよ、けっこう赤黒くなってるぜ」
「そりゃそうだよ、朝から開きっぱなしで休みなしなんだろ」
彼らは酒を飲み、焼き鳥を食べながら覗き込む。わたしの口にも酒が注がれる。
「ここにも入れてやろう」
「あっ、だめ」
膣になみなみと日本酒を注ぎ込まれた。わたしがなにを感じるかより、彼らがおもしろがることの方が重要なのだった。
「ケツ穴も開いてみろ。オマンコは酒を飲まないが、ケツは飲むぞ」
「よーし」
お尻の穴を開かれ、そこにも温い酒が注がれた。彼らの飲みかけの酒が、ビールや、焼酎、日本酒と適当に注がれたのだ。
「ひどい……」
腸に滲みた。ぐわーっと焼ける感触が広がっていき、爛れた腸壁が崩れていくような気がした。
「いけそうだぜ」
クスコを乱暴に引き抜くと、一人が固くなったペニスを日本酒の入った膣に挿入した。
「うおっ、おもしれえぞ」
動くと中の酒が噴き出す。
わたしにはどうでもいいこと。それよりも燃えるお尻が、苦しめる。脳が揺れている。いっきに酔いが回ってきた。
「おれにもやらせろ」


