叔母は家庭教師 第九章 叔母は優しい牝奴隷 (6/6)
前の話
第九章 叔母は優しい牝奴隷
その夜を境に、絵里子の生活の基盤をすべて引っくりかえされてしまった。
敏行は絵里子の公的なことについてはまったく無関心だったが、私生活となると、普段の敏行からは信じられないような暴君になった。
次の日の朝早く、絵里子は叩き起こされた。日曜日は多忙な絵里子にとって唯一の安息日であったが、若い征服者はそれを許さなかった。
絵里子が目覚めたとき、敏行は叔母の枕もとに立ち、屹立したペニスをゆっくりと擦りたてていた。
前夜、バスルームでの情事のあと、絵里子はベッドルームで二回も敏行の抱擁を受けていた。一回目より二回目、二回目よりもさらに三回目が長く激しいものだった。一回ごとに、敏行は女体に関して驚くほど知識を吸収していった。そして知識を得るごとに、さらに欲深く、反応を確かめようとした。
さすがに三回目の交合の後は、絵里子は前後不覚に眠りこけた。就寝は午前三時である。それなのに敏行は、欲望のおもむくままに屹立したペニスをなだめるために、寝入っている絵里子を見ながら自慰に耽った。
しかし、オナニーなどしなくとも、目の前に欲望を満たす女の性器がある。敏行は無理やり怒張を絵里子の口のなかに捻じこんだ。疲労を残したまま、絵里子は目覚めたが、さすがにこのときばかりは嫌悪の情を露わにした。
だが、絵里子の抗いは敏行にとって苦にもならない。初めのうちだけさ……という気持ちがある。それは昨夜からの三度の抱擁によって、はっきりと知った。
敏行は、いきなり叔母の口のなかに精液を放った。予告も何もあったものではない。美しい叔母を穢すということに、胸の張り裂けそうな歓びを感じたのだ。
「呑むんだ!」
発射しながら、敏行は絵里子の髪の毛を掴んだ。絵里子が口からペニスを吐きだすのを防ぐためだ。
仕方なく、絵里子は口のなかに満ち溢れたドロドロの精液を嚥下した。
わずかばかりの精液が唇の端から流れでた。それがまた、少年の心を強く揺さぶった。凄絶な美しさとでもいおうか。それを見ているうちに、萎えたペニスは絵里子の口のなかですぐに復活した。
これには絵里子も驚嘆せざるを得なかった。それは絵里子の今までの常識を超えた未知の世界だった。
絵里子は激しく喘ぎながら、何かにとり憑かれたように、硬くなったペニスをしごきたてた。嫌悪は、自分のいたらなさだと反省した。同化すればいい。敏行と一体となればいいと考え直した。何を言われても、何をされても、唯唯諾諾と甘受すればいいではないか。
まだ私の知らない世界が開けてくるかもしれない……。
貪欲な期待もあったし、敏行と一体化することによって、わけのわからぬ強迫観念も取り除かれるような気がした。どうしても自殺した若者のことが心に引っかかっている。敏行から真実を聞きただしたら、気分も晴れる。そうしたい。そうするには……。
絵里子は敏行をベッドに引っぱりあげるなり、あお向けにして下腹部にとりついた。新鮮な肉棒が、昨夜からのたび重なる酷使にもかかわらず、隆々と天を向いていなないている。
絵里子はすぐに頬張ると、さらに肉棒の硬度を高めるために、優しく袋をいじりはじめた。そうしながら、時計の針のように体をゆっくりとねじり、ついにシックスナインのスタイルをとった。
敏行は叔母の変わりように驚きながらも、卑猥なポーズをしみじみと観察した。剃られていた恥毛も今は愛らしく回復し、割れ目の淫らな構造を上品に飾りたてている。積極的な叔母を見て、とうとう自分の力が絵里子を屈伏させたのだという自信と誇りが湧いてくる。
敏行は割れ目に吸いついた。ピクンッと腰がせりあがる。じっくりと性器を攻められると男だって腰のあたりが砕けてしまいそうになる。そして、その攻められるの状態がいつまでもつづくと、切なくてやるせなくて、ついにはじりじりしてくる。女もきっとそうだろうという確信が敏行にはある。
敏行は一旦は強く吸いついたが、それはほんの挨拶代わりで、あとは舌の先と指の瓜で軽い接触だけを試みた。
チロチロ……ソヨソヨ……やわらかいタッチで疼く陰裂を攻められては、さすがに経験豊かな絵里子も、ただれた肉の歓びに泣き、叫び、獣のように吠えた。
敏行の執拗な愛撫は、とどまるところを知らないかのようにつづいた。ようやく知り得た女体が面白くてならないし、料理の仕方によっては、いろいろな味が出る。そんな変化が少年の好奇心を煽りたてる。飽きるということを知らないから、絵里子はとことん付き合わされてしまう。
絵里子は理性を押しだすことなく、女体の本能のまま、流れに任せた。それにしても、あまりに気持ちよすぎる。まるでとんでもないベテランを相手にしているような錯覚に陥った。咥えた肉棒への愛撫が、ついついおろそかになってしまう。すると、すかさず攻めたてられる。何もかもすっかり委ねてしまってたらどんなにいいか……。だが立場上、それはできない。
絵里子は時折り、思いだしたようにこわばりを舐めまわした。それでも先端からは男の愛液が滲みでた。勇気づけられてストローを使うように吸引すると、次第に味が濃くなってくる。
ああ、この子も一人前に気分を高揚させている……。
そう思うと、もともと憎い相手ではないだけに、愛しさが募ると同時に、自身の欲望も膨れあがってくる。
絵里子は舐めたりしごいたり、ときには袋にまで舌を這わせた。敏行の体のあちこちに緊張感がみなぎり、絵里子の下半身への攻め方も次第に曖昧になってくる。
いい傾向になってきたわ……。
絵里子はまた体の位置をずらし、敏行の下腹一帯をしげしげと見つめた。
初々しいペニスだ。色も形も、まだあまり世間馴れしていない艶と張りがあり、目の前で小刻みに震えている。それなのにタフさと強靭さは群を抜いている。
絵里子は可愛くてたまらないといった風情で、両手を使って根元をしっかり押さえた。根元を中心にして、ピクッ……ピクッと左右に首を振る姿がいじらしい。
パックリと口を開いて、できるだけ深く呑みこんだ。途端に亀頭の先端からジクッと露が溢れる。それを喉を鳴らして呑むと、口のなかいっぱいに男臭い匂いが満ち、絵里子の生臭い欲望をかきたてた。
前夜の激しい口内噴射を思いだしただけで、下の柔肉がピクピクと痙攣する。すごくやりたい! と思った。しかしその瞬間、絵里子の頭のなかに、ある計算が働いた。いろいろな疑問を聞きだすのは、今をおいてないと思う。チャンスなのだ。できるだけ淫らになってやろう。
パリで男を知って以来、逞しいペニスを求めつづけてきた股間の割れ目が、早く挿入してほしいとばかりに絵里子をせかす。
絵里子はようやく上半身を起こすと、優しい目で敏行を見た。敏行も見かえす。
てのひらで亀頭をくるんで撫でまわしながら、ゆっくりと片脚をあげた。股間がパックリと割れ、飾り毛の裂けた肉唇の間から、サーモンピンクの膣肉が丸見えになった。
そこに突き刺さった敏行の目は、赤く充血している。その目に焼きつけるように、絵里子はできるだけ淫らなポーズをとりながらスローな動きで顔をまたぐと、両膝で立つ。
「敏ちゃんは、何回も出したから疲れたでしょう。だから、叔母さんが動くことにするわ。こうやると、あなたも私も、とてもよく見えるでしょ」
少し腰を落として甥を見ると、いかにも興味深そうに自分のペニスと、それに近づく叔母の赤貝にも似た女陰を凝視している。これからまた新たな男女の性器の交わりが開始されるのがうれしくてならない様子だ。
絵里子は、ペニスの亀頭冠の下を人差し指と親指でつまんで安定させると、自分の腰の位置をうまく調整し、接触させた。秘唇が亀頭の力で少しだけなかにまくれこんだ。すぼめた唇の先に、丸いサクランボがちょっぴり引っかかっていると思えばよい。ひどく官能的な形になる。
絵里子はつまんだ硬い一物を、肉溝に沿って上下に滑らせた。一条の女の溝が、亀頭が通過するたびにヌルヌルと割れる。
「いい気持ちだわ……」
うっとりした叔母の表情を、敏行はとても綺麗だと思った。絵里子同様に、敏感な亀頭を擦られるのだから、敏行もまたたまらなく心地よい。加えて、下からすべてを眺められるのだから、視覚によっても著しく挑発された。
鼠蹊部の緊張による窪み、そこからグーンと盛りあがった陰唇と、淫らに口を開けて息づく女の秘口。タラタラと流れ落ちる淫水までが、サトイモの葉にとどまる水玉のようにキラキラと輝いていた。
「叔母さん、早く入れて」
堪えきれないように少年が顔を歪ませた。絵里子は初めて優越感に浸った。
絵里子自身も、できることなら疼く肉の谷間に、目の前でそそり立つ太いペニスを一気に押しこんでしまいたい。しかし、すぐに応じてしまっては、自分も肉欲にすぐに溺れてしまい、肝心なことは何も聞きだせないまま終わってしまいそうだ。
全身を衝きあげる欲望に喘ぎながらも、絵里子はからくも耐えていた。膣の熱くなった粘膜と、亀頭のゆるやかな接触は、依然としてつづいた。
「もう駄目……お願い、はめてったら!」
絵里子は遠い日のひとこまを思いだし、少なくとも今は自分がリーダーシップをとったと思った。幼い敏行は、よく自分の思い通りにいかないことがあると、地団駄を踏んで「おねえちゃん、これして、これして!」と泣きわめいたものである。それによく似た動きに、絵里子は苦笑しながらも快く応じることにした。
「わかったわ。じゃ、そうしましょう。よく見てるのよ……入るところを……」
敏行が熱い眼差しで、絵里子の手もとを見つめた。亀頭が柔肉にくるまれようとした瞬間、絵里子が何かを思いだしたように動きをピタリととめた。
ペニスからツーンと伝わりかけた快感が、中途半端に途切れて、宙ぶらりんになった。
「敏ちゃん……」
「何……」
声が苛立ち、うわずっている。
「あのコピーや写真、どうしたの? どんなふうにして手に入れたの」
さりげなく聞きだすには、テクニックも必要である。絵里子は割れ目に亀頭の半分ほどをスーッと埋めたかと思うと、すぐに腰を引き、自身も切ない声で喘いだりした。
「あれはどこで手に入れたの?」
絵里子は自分で問いかけておきながら、もうそんなことはどうでもよくなりかけて、亀頭全体をスッポリと腔の奥に呑みこんだ。
「あーん……」
敏行の表情が快感で歪む。
「いいわあ……」
絵里子は天使のような声をもらしながら、せっかく入れた亀頭をスッポリ抜きとり、ただぜいぜいと荒い息をたてた。
「いやだ。抜いちゃいやだ。また入れてよ……」
「はいはい。でも、とても切なくって……」
絵里子が腰をほんの少しだけ落とすと、また亀頭がズルリとインサートされた。痺れるような快感に、敏行は女の子のような声をあげた。
「……で、どうしたの? あの日記……」
言いつつ、少しだけ腰を振る。その動きをずっとつづけてもらいたい敏行は、途切れ途切れに拾ったときのいきさつをしゃべった。もちろん、その間も、絵里子の腰は巧みにうねっていた。そして、時折りわざと意地悪く腰をひねり、亀頭を火照った自身の性器からはずしたりもした。そんなときは、いかにも夢中になったがためにはずれたような素振りを示すことを忘れない。我れながらうまい芝居だと思った。
じりじりしながらも、敏行は次第に絵里子の思いのままに操られ、とうとうすべてを話してしまった。
聞いてしまえば、あっけないカラクリと拍子抜けがした。日記帳や写真の原物を自分の手に入れられれば、ひと安心である。その約束を今すぐとりつけたい。しかし、せっかちになって、魂胆を見抜かれたら、なんにもならない。相手に驚戒心を起こさせないように、絵里子はほどほどのところで妥協した。
「早くしてったら!」
敏行がまた駄々をこねた。
「はいはい……」
ホッとひと安心したら、急に絵里子もたまらなく性欲の渇きを覚えた。一気に敏行の震えっぱなしのペニスを秘口に送りこむべく、ストンッと腰を沈めた。硬い一物が膣壁を強い力で擦った。二人は同時に歓びの声をあげてのけ反った。
敏行が、下からせっかちに腰を突きあげようとした。
「駄目! 動かないで!」
絵里子は緩くグラインドをしながら若い敏行の動きを制すると、ぐっと上体を前に倒し甥の快楽に歪む顔をのぞきこみつつ、言い含めるように囁いた。
「ゆっくり楽しみたいの……こんな素敵なことを、せっかちに終わらせたくないわ。だから、私に任せて。あなたはじっとしていればいいの。どうしても我慢できなくなるところまで、お互いに頑張るの。仲良く一緒に……ね」
いつもの優しく、そしてものわかりのいい叔母の言葉に、敏行はうなずいた。
絵里子は甥の手を乳房に導くと、再び上体を起こして二人の繋がっている部分に視線を落とした。敏行は赤く染まった絵里子の裸身を惚れ惚れと見つめ、ゆっくり叔母の視線を追った。
腰がゆるゆると引きあげられると、膣圧で巻きこまれていた敏行の表皮がくるくると元に戻って、竿を包みこむ。同時に絵里子の陰唇の裾もめくれて、ゾロリと出てくる。
しばらくさユックリズムの抜き差しが、お互いの熱い眼差しのなかでつづけられた。
敏行は乳房をやわやわと揉むことを忘れなかった。ゴムマリのように弾む乳房はとても弾力的だが、五本の指のなかで面白いように形が変わる。せりだした乳首を指の間で挟みつけて揺さぶると、心なしか絵里子の腰の動きが速くなった気がした。
「叔母さん、ぼく、とってもいいよ……叔母さんはどうなの? ね……気持ちよくなってるの?」
敏行は、自分ひとりが楽しむよりも、叔母とともに快楽を貪りたかった。
「いいわ、とてもいいの……ずっと、ずっと、このままでいたい……こんなにいい気持ちなんですもの。離れたくなんかない……」
甥に対するお世辞のつもりが、いつの間にか本気でそう思うようになっていた。
絵里子の吐きだした濃厚な愛の蜜は、ペニスが膣口から姿を現わすたびに、幹を伝わって滴り、敏行の恥毛から内腿のあたりをべとべとに濡らした。ねばつく淫水の音がすると、絵里子は「あっ、いやっ」とか「恥ずかしいわ」などと口走る。が、その声はむしろ敏行には、二人の愛の行為の素敵な伴奏に思えるのだった。
何度スペルマを放出しても、やはり若さの前では無関係だった。敏行は迫りくる津波のような快感を、果たしてどこまで堪え切れるか、いささか心配であった。いつまでも官能の波に揉まれて美しく漂う叔母の姿を見ていたい。それには、まず自分自身が踏ん張らなければならない。しかし、目の前に繰りひろげられる目に染みるような光景は、少年にとってはあまりにもセクシーで、魅惑的でありすぎた。
あんなに絞れるだけ絞ったはずのスペルマが、またも飛びだす気配をみせた。肛門の後ろを通っている硬いペニスの元が、キーンと痛くなってくる。
絵里子はいっときたりとも、男根を咥えこんでいる自身の裂け目から視線をはずさなかった。
男を犯す……甥を犯す……。
今までの被害者の立場が逆転して、加虐的な歓びさえ感じていた。
「どう? 敏ちゃんが、私に姦られているみたいに見えない?」
「ああ……」
敏行は、まさにその通りだと思った。押さえつけられている格好だから、うまく身動きがとれない。腰を使うにしても、ただ不規則に下から揺さぶるくらいが関の山で、大半のリードは相手任せである。淫らな叔母の裂け目に吸いこまれているペニスを眺めているしかない。
「ほんとだ。ぼく、叔母さんに姦られてるみたい」
「そうよ! そうなのよ」
絵里子は優位に立った気分でスーッと腰を引きあげた。
ゾロッと陰唇がまくれ出るときの摩擦感がたまらない。また押した。振幅は十センチを超えた。驚異的な叔母の動きを、敏行は身震いするような感動に包まれて見つめた。
ズボボボッ……。聞くに耐えない音も、金色の世界へのファンファーレであった。
「気に入った? 敏ちゃん」
「ああ……叔母さんのすることは、何もかも好きだ……叔母さんも大好きだ。ぼくだけ、のものにしたいよ! お父さんなんかとするのはいやだ! セックスするのは、ぼくとだけにして! お願いだよ」
少しずつ腰の振幅が小さくなった。それに反比例してスピードが加わった。メトロームの動きに似ていた。
「そうはいかないわ。あなたのお父さんは、あなたよりもずっと前から、愛し合っていた」
「いやだったらァ……」
「そうね、そのうち……いつか、あなたがもっと大人になったら……ああ、もうそんなことより、下から突いて……あああ、グッと突きあげて!」
叔母の表情が刻々と変わっていった。犯していると言ったにもかかわらず、もっととせがんでいる。敏行は女の魔訶不思議な正体を見たような気がした。
それまでなんとか抑制していた快感が、限界点を超えて、にわかに高まってきた。敏行は若さにものをいわせて、絵里子の体をのせた腰をしゃくりあげた。
叔母は腰を支え切れなくなったとみえ、すべての重みをかけてきた。露出していたペニスが、また秘口の奥にすっぽりと隠れてしまった。だが、絵里子が動かなくなったからといって、快感が後退したわけではない。むしろ、前よりも強烈になっていた。上に向かって胎内を深々と突きあげたペニスは、その先端の亀頭で子宮口をぐいぐいと抉り、それに応えるように、絵里子の膣内の襞が激しく痙攣をはじめ、じわじわと陰茎を締めあげた。お互いに、粘膜同士の強い摩擦感からくるこたえられない気持ちよさに酔った。
「はあッ、はあッ……」
美しい口もとを歪めながら、絵里子は堪えきれないように上半身を揺さぶった。充血して張りだした乳房が、いかにも心地よさそうにブルンブルンと震えた。
一緒にイクことを念頭に置いていた少年は、右手の親指を重なり合う陰毛のなかに押しこみ、腹の柔らかい部分でクリトリスを探り当てた。はちきれそうに膨らんでいた敏感な突起は、絵里子の肉の歓びをいっそう高め、小気味よく震えた。
「叔母さん……ぼく、いい! なんだか、また出ちゃいそうなんだ……あああっ!」
「待ってェ……我慢してェ……叔母さんも、もうすぐよ……ほら、きそう! あっ、そんなにおマメをいじらないで……気持ちいいわ……。あああ、そうよ、いっちゃいそう……イクのは一緒よ……もっとそこ……そう……してッ!!
いきそうよ。敏ちゃん、あなたも……うーっ、いいっ!!
目茶目茶にして
!!
やって! もっともっとやって
!!
」
最後のひと声はまだ出ない。
女の胎内でめいっぱい膨れあがってドクドクと脈打つペニスは、ちょっとしたきっかけで、男の歓びのしるしを噴射するばかりに高まっていた。それを耐えるのは、敏行にとって何よりもつらいことだった。どうにか我慢できたのは、ただただ美しい叔母の、最後にいきつく瞬間の姿を見たいからにほかならなかった。
突然、絵里子が両腿をグイグイと締めつけて、のけ反った。
「ああああ……あああああァーッ!」
長い前奏曲が終わった瞬間
「い、今よ! いくわ
!!
……いく……いく、いく、いくいく、いってる
!!
」
絵里子が声高く叫んだ。膣内でペニスが熱いしぶきを浴びた。
こみあげてくる歓びが、敏行を解放した。そして爽やかな噴射がはじまった。
「出るーっ!」
低く吠えた甥の声を、絵里子は無限の宇宙に浮遊しながらかすかに聞いた。
全身が宇宙と一体となって、バラバラに飛散していくようだった。それなのに、肉棒を咥えた女性器だけは、それ自体が制の独立した生きもののように、飽きることない蠢動を繰りかえすのだった。
第十章 肉地獄のはじまり……
絵里子は思惑はずれに戸惑っていた。甥と一体になるはずが、どんだ奴隷のような仕打ちを受ける羽目に陥ってしまったのだ。
マンションを出る前に確認の電話がかかっている。
こんなものをはいて、町を歩けますか!……
そうは思っても、若い絶対者に逆らうことは許されない。
絵里子は、近頃とみに暴君になった甥と自分との関係が、修正されない方向へ流されていく危機感を抱いていた。
決して嫌いな子ではない。むしろ心の奥底では、本当の母親である姉よりも、自分のほうが深く愛しているのではないかと思うこともある。現に、幼少の頃から敏行は両親よりも絵里子になついていた。なんでも許容してくれる、唯一の存在として。
あの子は生涯、決して私を束縛から解かないかもしれない……。
そんな気がした。
世界で最も美しいといわれるフランスのレオナールのプリント生地で作ったワンピースを、クロゼットから取りだした絵里子は、それを着る前に、改めて自分の姿を大きな姿見に映した。
乳房の透けて見えるブラジャーは、シルエットの製品で、酒落なレース地で大部分ができている。これを着けろというのは許せる。みっともないのは、たくさんの飾りがついたパンティだ。
こんな下品なパンティを、敏行ったら、どこで買ってきたんだろう?……
絵里子は、誰に見られているわけでもないのに赤面しながら、そっと両脚を開いていった。クロッチの部分が、肉の亀裂と同じようにパックリと割れた。つまり、肝心な女の部分が、少しの身のこなしでも丸見えになってしまう。それがまた、このパンティの売りものの部分なのだ。
ノーブラで町を歩けと言われたこともある。そのときは上に着る洋服まで指定されなかったから、絵里子は胸もとのピチッと締まったワンピースを着た。しかし、歩いている人たち全員が、自分のバストに視線を向けているようで、絵里子は気が気ではなかった。その反面、緊張感の裏で、妙にくすぐったい疼く気分がチラチラしたのを感じたものだ。
それにしても、今日のパンティは……。
開いた両腿の間から、淡い飾り毛に彩られた女の割れ目がのぞいている。
いやだわ……。
顔をしかめた。それでいて淫蕩な気分が心の片隅に湧いてくる。
いけない!……こんなことでは、敏行の思いのままの人形になってしまう……。
ちょっぴり腹立たしくなった。それは敏行に向けられたものではなく、自分の隠されたアブノーマルな性的渇望に対するものだった。
変態を変態と感じているうちはまだしも、それを感じなくなってしまったら、本物の変態人間になってしまうのではないか。そんな不安がないでもない。義兄とのセックスを思うと、確かに少しずつ、性の楽しみ方が変わりつつある。ところが、そこに予言もしなかった敏行が割りこんできて、さらにアブノーマルな方向に捻じ曲げようとしている。
危険だわ……でも、私もちょっぴりそれを望んでいるところがある……。
そうした自覚を、絵里子ははっきりと持っている。それが自分でわかっているうちはいいのかもしれないが。
レオナールのワンピースを着ると、すっかりレディらしくなった。
みんなは、この服の下までは知らない。知っているのは私と敏行だけ……。
嫌悪感が湧かないのは、やはり敏行のことを許しているからなのか。それとも、自分にはマゾの気があるのか。
ああ、もうくよくよ考えるのはよそう……。
絵里子は颯爽と戸外に飛びだした。愛用のシトロエンを駆って、目黒通りを日吉坂から三田方面へ向かった。
クーラーがほどよく効いている。絵里子はふっと妙な気分に動かされて、運転席の下で両脚をひろげ、スカートの部分を膝上までたくしあげた。
インパネの横から吹きだす冷気が、パンティの割れた部分を抜けて、じかに肉裂を直撃した。冷んやりして気持ちがいい。そして突然、その気持ちよさが性的なものへと急転換した。
あっ、いや……。
そう思ったときには、体の芯がツーンと疼き、生温かいものが膣口に向かって押しだされていた。
三田通りを抜けて芝公園の脇で車をとめた。なぜそんなことをしようという気になったのか、絵里子自身もまるでわからない。
左手は樹木の茂った遊歩道だが、まだ早い時間なので、人は通っていない。このあたりは人通りの少ないところで、たまに近所の人やジョギングの人が利用する程度である。右側は東京タワー方面へ行く車がひっきりなしに通る。しかし、通行車線だから停まることは皆無である。ほとんどの車が規定オーバーのスピードで通りすぎていく。
絵里子はダッシュボードから道路マップを取りだすと、膝の上にひろげた。両手はマップの下を這い、スカートのなかに忍びこんだ。
割れ目はすっかり濡れていた。路上でこんな素敵なことを、この時間にやっているのは自分だけと思うと、突き刺すような興奮が股間を襲った。
「ああっ、いいわァ……」
誰に気兼ねすることなく、絵里子は歌うように言った。その声がまた刺激剤になった。中指を秘肉の中心にググッと埋めると、すぐにてのひら全体が溢れた溶液で濡れそぼった。
都会のなかの素敵な孤独……。
絵里子は、かつてパリのマロニエの木蔭で立ったままセックスされたことを思いだした。
ジェラール……そんな名前だった美青年は、私をオモチャ扱いしたんだわ。夜の路上、観光船のなか、車のボンネットで……。
膣肉に親指以外の四本の指が突き刺さった。
「ジュ・テーム!」
ジェラールは、イク瞬間だけ「愛してる!」と言ったものだ。
「ああ、イキそう! イクわ!……いく、いくっ
!!
」
絵里子は誰にともなく言った。気分はぐーんと高揚した。両脚をはしたないくらい開いて突っ張り、シートに背中と首を強く押しつけてのけ反った。
フロント・グラスの向こうから、いくつもの紙袋をぶらさげた浮浪者がやって来た。絵里子はその男に向かって叫んでいた。
女だけの講義というのは、とかく気疲れするものだ。絵里子は自分自身で美しいなどとは少しも思っていないが、目の前に居並ぶ女子学生たちの突き刺さるような視線には、嫉妬の感情が色濃く出ていることを、いつも意識していた。
衣服、靴、アクセサリー、全体の色彩感覚、そしてトータル・ファッションとしての評価。学生たちが意地悪な目で辛竦な批判をしているのが、とてもよくわかるのだ。
けれども、まさか彼女たちの鋭い目でも、この洋服の下のものまでは透視できなかったろうと、絵里子は大学の講師室に戻ると、ホッと一息ついた。
それにしても……。
絵里子は路上での淫らがましい出来事を思いだして、またしても体の芯を熱くさせた。
この頃の私って、感じすぎるみたい。だけど、あんなものを見てしまったら、誰だって妙な気になるわ……。
車のなかでのオナニーを、浮浪者は知っていたらしい。すぐ近くまで寄ってきた浮浪者は、絵里子の視線が自分に向けられているのを知ると、突然、まとっていたボロ布をめくりあげた。
浮浪者の目が笑った。異変に気づいたのは、ほんの少しの時がたってからである。
男は汚れて真っ黒になったペニスをこれ見よがしに見せつけ、右手で擦りたてていたのだ。ペニスも握っている手も汚れていたから、すぐに気づかなかったのだが、その太さといったら異常で、優にビールの中瓶ほどはあったろう。
白い精液がフロントグラスに向かって飛んできたとき、絵里子は車をスタートさせることも忘れて、呆然と見つめていた。
本当にすごかった……。
そのとき、電話が鳴った。
電話に出る前に、絵里子は腕時計を見た。午後四時。ちょうど約束の時間だ。
「はい……」
「あ、ぼく……今、近くにいるんだ」
敏行の声はずいぶん明るい。少し前までは、人と話すのが大の苦手だったのに……。絵里子は警戒した。この頃では、明るい口調のときの敏行が一番危険なのだ。
「これからそっちへ行くよ。十分もすれば着く。じゃあね」
敏行は今まで、この大学はもちろんのこと、講師室などに来たこともない。
絵里子は窓の外を眺めた。図書館の建物には、蔦が絡みついて、緑一色に覆われている。その反射を受けて、絵里子の顔も緑に染まっていた。
非常口の石段に女子学生が二人、座って話に興じている。絵里子のいるところから、そのうちの一人の下着が見える。本人は気づかないが、座った位置と格好が悪いので、開いた両脚の間からパンティストッキング越しに白いショーツが丸見えなのだ。
絵里子はあたりを見まわした。ほとんど人影は見当たらない。なぜかホッとした。
今日はどこへ連れだされるだろう?……
いつでも帰れるように、帰り仕度をしていると、ドアがノックされた。
「はい、どうぞ」
ドアを開けたのは、ゼミで顔馴染みの学生だ。彼女の後ろから敏行が現われた。彼女が案内してきたらしい。
「ありがとうございました」
敏行が立ち去る学生にきちんと礼を言っている。見ず知らずの他人とは話せなかった子が、変わったものだ……と、絵里子は甥の後ろ姿を見た。
入ってくるなり、窓辺に立って外を見ている。
ハッとした。さっきの女子学生は、まだ石段のところに座っているのだろうか。……敏行の後ろから外を見た。
もう誰もいない。なぜかホッとした。
「叔母さん。女だけの大学って、特別な匂いがするね」
「そうかしら……例えばどんな?」
香水の匂い、化粧の匂い、あるいはもっと抽象的なことを言うのかと思っていた絵里子は、次の言葉が敏行の口からついて出たとき、真っ赤になってしまった。
「生理の匂いさ……もっとはっきり言えば、股ぐらの匂い」
突然、つかつかと歩み寄ってきた敏行が、スカートをまくりあげた。絵里子は思わず前を押さえた。
「その手をどけて……」
普通の声だ。
敏行は手が離れると、いきなりしゃがみこんだ。
パンティははいているものの、肝心の場所に必要な布切れがないというのは、妙なものだ。恥毛がそこを飾って、割れ目が丸見えになっている。
「家を出るときからはいていたんだろうね」
「ええ……あなたには逆らえないもの」
絵里子は、東京タワー近くの路上に車をとめてした、オナニーの話をしてやりたくなった。そして、あの浮浪者の不敵な行為も。
絵里子の格好を確認した敏行は、やがてゆっくりと立ちあがった。戦々兢々と体を固くして身構えていた絵里子は、フーッと大きく溜め息をついた。
「これからどうするの? 私、夜は読みたい本があるの」
「別にどこも行かないよ。ここでいいよ」
ここでいいって、どういうこと?……
怪訝そうに見かえす絵里子に向かって、敏行ははっきりした口調で言った。
「叔母さん、あの窓枠に肘をついて、外を見るんだ。ぼくが後ろからやる」
「なんですって
!?
」
ここはマンションではない。神聖な大学のなかなのだ。しかも講師室。助教授になれば研究室を与えられるが、講師は数人で一部屋を使う。つまり、いつ誰がこの部屋に入ってくるかもわからないのだ。
「この部屋に入って、そのアイデアを思いついたのさ。学生たちが窓の向こうを歩いていれば、なおいいんだけど……残念ながら今はいない」
仕方がない。何を言っても逆らえないのだ。絵里子はドアに内鍵をかけ、ふらふらと窓辺に立った。
図書館のいくつかの窓が見える。蔦が覆いかぶさっているからよくわからないが、そこには人がいて、こちらも見ているかもしれない。
後ろからスカートがまくられた。少しだけ両脚を開いた。ヒップの合わせ目に熱い息がかかる。後ろから割れ目を観察されたのは初めてである。女の一番恥ずかしい姿だ。
割れたパンティに忍びこんだ指がアヌスから会陰部を這っている。
警備員が構内を徘徊している。次第にこちらへやってくる。
絵里子の部屋は一階だが、外より一メートルほど高いところにあるから、室内でかがみこんでいる敏行の姿はわからない。自分のまくられている下半身も同様なのだが、絵里子は気が気ではない。
警備員が目の前を通るとき、ふっと上を見た。二人の目が合った。絵里子は秘密の行為を見られたように狼狽した。それが目や表情に表われたのかもしれない。警備員が立ちどまった。だが、すぐに小腰をかがめ、小さく頭をさげると遠去かってしまった。
この間にも、敏行の指は、割れ目の縁をなぞっていた。
「なかなか濡れないな」
股の下から悠長な声がした。
「今度はぼくのを舐めてくれないか」
敏行が立って、ズボンとブリーフを引きおろした。そして窓辺に寄りかかるように立っている。仕方なく今度は絵里子がかがみこんだ。
大きく口を開けて、太いペニスを呑みこんだ。いや、呑みこまされたといったほうがいいだろう。だが、半分ほど入ったところでゲボッとむせた。
初めから乱暴なやり方で、敏行はまるで絵里子の口とファックしているように、腰を振りたてた。絵里子は思いっきり表皮を根元までしごいた。ようやく敏行の動きが静かになると、優しく筒先の滴をすくった。
ブルルルッと腰が震え、もっと濃い味の汁が舌の上を滑った。
この子には、どうしても優しくなってしまう……。
絵里子の男に対する優しさを敏行は子供の頃から、本能的に嗅ぎとっていたフシがある。近頃になって、絵里子自身もようやくそのことに気づきはじめた。
私はこの子のために生涯独身を通してしまうのではないか。
そんな気さえするのだ。
「敏ちゃん……」
絵里子はサッキングの合い間に、ひと息入れては問いかけた。
「日記帳と写真のことだけど……」
「ああ、気になるなら、叔母さんにあげてもいいよ。ぼくが持っていたって仕方がないもの」
あまりにもあっさり言われたので、むしろ拍子抜けした。
「どうして、そういう気持ちになったの?」
「だって……叔母さんは、ぼくの言いなりになってくれるもの。本当はお父さんと手を切ってくれれば、もっとうれしいけどさ。お母さんのために手を切るんじゃなく、ぼくのために……あっ……」
絵里子は亀頭を優しく噛んだ。
「それ……気持ちいい」
また噛む。
「いつかは、あなたの願い通りになるかもしれないわ」
いつの間にか、和やかな空気が流れていた。
「今度はぼくがするよ」
敏行は、デスクに絵里子を腹這いにさせた。
「カーテンを閉めようか」
「そうね、そのほうが落ち着くわ」
敏行は窓のカーテンを閉めると、叔母の背後に立った。スカートをめくりながら、猥褻な尻だなと思う。
「カーエンを閉めちゃったけど、叔母さんは、本当は刺激が欲しいんじゃないの?」
この子は私の心のなかまで読んでいる……。
絵里子は、「その通りよ」と答えてから、今朝方の路上での出来事を簡単に話した。
「嘘だ……」
尻肉を掴んでいる敏行の手に力がこめられた。
「本当よ。男の人のアレ、すっごくでかかった。私、あんなでか魔羅初めて見たわ」
後ろで唸る声がした。
「叔母さん、そいつとしたいと思ったかい?」
敏行の声が苛立っている。
「オナニーしている最中だから、したいと思ったわ。あんなものをぶちこまれたら、さぞいいだろうって。あなた、あんなのを見たら自信を失くしちゃうかもよ」
「やめて!」
「あら、敏ちゃん、嫉いてるの?」
爽やかな風が吹き抜けたような気分だった。
いきなり太いペニスが、背後から絵里子の股間にインサートされた。激しく吐淫していた絵里子の女芯は、難なく呑みこんで蠕動した。
敏行は指に唾をつけると、アヌスを圧迫しながら抽送した。敏行は叔母の話に、苛立ち以外の感情にとらわれ、駆りたてられていた。
太いペニスが膣口に出没を繰りかえしながら、次第に硬度を増していった。一気にぶちまけようと思えばできるのだが、叔母にいい声をあげさせないうちは、やはり自分が惨めな敗北者であるような気がしてならない。激しく抜き差しをしているうちに、膣内もぬめりを増し、ゴム膜状の陰唇の端がブホブホと音をたてて、ペニスとともに膣を出たり入ったりした。
そのときである。上半身を机の上に突っ伏している絵里子の目の前の電話が鳴った。
ようやく性感の昂りつつあった絵里子は無視した。しかし、何を思ったのか、敏行が手を伸ばして受話器を取りあげ、絵里子の耳にあてがった。
国際電話だった。相手がロンドンにいる政司とわかると、絵里子は狼狽した。
「あ、お義兄さん……」
敏行も抽送の振動を小さくして、聞き耳をたてた。
『予定よりかなり遅れて帰るようになるよ。元気でやってるかい』
「ええ……」
背後から貫かれているから、口数も少ない。
『どうした、元気がないね。ぼくの息子は、君が恋しくて毎晩泣いてるよ。君の娘はどうなんだい?』
絵里子は耳を塞ぎたかった。政司の話がいやだったのではない。状況が状況なので、耐えられなかったのだ。
敏行は初め、自分のことを言われたのかと勘違いしたが、すぐに下半身にまつわるいやらしい話なのだと理解した。
一旦優しくなった抽送が、また次第に激しさを増していった。絵里子はこみあげてくる圧倒的な性感を耐えることができなくなり、思わず歓びの声をあげた。
『どうした? 何かあったのか』
せわしない息遣いに異変を察知したらしく、電話の向こうで政司が動揺した声をあげた。
「私……義兄さんの声を聞いたら……切なくなってしまって……今、オナニーを……」
政司の吐息が聞こえた。咄嗟に口をついて出た言葉だったが、絵里子は充分に満足した。
「あなた……」
絵里子の声は、政司と敏行に向けられたものだった。敏行は興奮と高まる欲求に、のぼせあがったように抜き差しを繰りかえした。
「ああっ、いきそう!」
政司が息を呑んでいる気配がする。絵里子はますますいい声をあげて、フィニッシュに向かって突っ走った。
「あなた……いいの……あなた!」
「イクんだ。絵里子!」
机にしがみついて、絵里子はいやらしく、そして激しく腰を振りだした。
敏行にとって、毎日が天国であった。希望通り、いつでもどこでも好きなときに、叔母を自由にできる。しかも、近頃は相手もいそいそと命令に従ってくれる。
敏行は短期間に、誰もが驚くほど明るく快活になった。
予定のスケジュールをすべてこなした政司は、美佐江と一緒に空港に迎えに来た我が子を見て、その表情の輝いていることにびっくりした。空港から広尾の家へ向かう車のなかで、一番よくしゃべり、笑ったのは敏行である。
家に帰ると、近所の仕出し料理屋から注文の品々が届けられた。久しぶりの親子水入らずの夕食は、敏行の積極的な会話で賑やかなものとなった。
政司は我が子の変貌の原因がわからなかったが、心の底からうれしかった。自閉症ではないかと疑われた数年前までが、まるで嘘のようである。
「ぼく、ワインなら飲めるよ」
「いいだろう。飲みなさい」
「あなたったら……」
「どうせ、もう夏休みだんだ」
一家団欒は夜遅くまでつづいた。
この日、絵里子は主任教授のお伴で北海道に出張中なので、せっかくの帰国歓迎会には出られず、途中で電話を入れてきただけだった。賢明な絵里子は、今夜はお義理にでも美佐江を抱くだろうと思っていたから、よけいなことなど何も話さなかった。逢引の日はすでに打ち合わせ済みなのだ。
敏行がさすがに疲れきって早々と自室に引きあげると、夫婦も寝ることにした。
「先に風呂に入ってなさい。私もすぐに行くから」
政司の声に、美佐江はいそいそと従った。一緒に風呂に入る……それは、今夜はセックスをするという暗号なのだ。
「敏行が寝たかどうか、見てくるから」
さすがにこの年になって、夫婦で風呂に入っているのを子供には見られたくない。政司は敏行の部屋のドアを小さくノックしてから開けた。
枕もとに電気スタンドの明かりが点けっぱなしになっている。敏行は本を読みかけて寝入っていた。
成長したもんだ。しかも、すっかり男の子らしくなって……。
政司は我が子の寝相を直してやろうと、枕もとに近寄った。明かりも小さい豆電球に切り換えるつもりだった。
ふと、枕もとの本に目がとまった。本ではない。日記帳だった。敏行の字ではない。
なにげなく取りあげてページを繰った。内容を読んで仰天した。絵里子に対する若い男の心情とベッドシーンが、延々と書き綴られている。写真もあった。どこかで見た顔だと思った。突然、テレビの画面に映しだされた男の顔と重なった。絵里子のマンションの屋上から飛び降り自殺した男に間違いない。
政司の手が震えた。
しかし、もっともっと恐ろしいものを見る羽目になった。電気スタンドの横に、『須田敏行』とサインの入った別の日記帳があった。
見知らぬ男の日記帳に触発されて、政司は震える手で敏行の日記帳を開いた。
なかは、にわかには信じられない、赤裸々な性リポートだった。しかも相手は絵里子。その内容の生々しさに圧倒された。
他人を見るような目で我が子を見た。
こんなにも明るく自由闊達になった裏の隠された事実を信じたくなかった。
政司はやっとの思いで部屋を出た。
明日という日が永遠に来ないことを願った。
明日は、絵里子と都内のホテルで会うことになっている。
明日は、どういう顔で会えばいいのか……。
浴室の硝子戸に妻の白い裸身が映った。欲情は感じなかった。
もう、どんな女に対しても、抱くという気持ちは起こらないのでは……。
そんな不安が頭のなかをかすめた。痴呆のような表情で、政司はいつまでも浴室の前に立ちつくしていた。
(完)
叔母は家庭教師
2012/3/1 電子版発行
著 者 高竜也
発 行 株式会社フランス書院
東京都千代田区飯田橋3-3-1
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(c)2012 Tatsuya Koh, Printed in Japan.
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