夏子は家のなかを行ったり来たりしては、ソファに腰をおろし、うなだれて涙をぬぐった。
どうしてこんなことになってしまったのか。すべて後ろからあおってきた暴走トラックが悪いのだが、そのトラックはどこかへ走り去ってしまった。
(広美ちゃん……)
子供のことも気になった。
警察に電話をしようと思ったが、五郎の言った交通刑務所のことが頭にこびりついていた。子供を残して刑務所へ行くなど、できるわけがない。
アメリカの夫に相談しようかとも考えをめぐらせたものの、余計な心配はかけたくなかった。とにかく五郎たちが来るのを待つしかない。
カリーナが夏子の家のガレージに戻ってきたのは、もうすっかりあたりが薄暗くなってからだった。
冷二と五郎がドカドカと家のなかへあがりこんできた。
「二カ月の重傷だそうだ。まったく大変なことをしてくれたな、奥さん」
と五郎がすごめば、冷二は被害者の兄になりすまして、
「弟は右脚が使いものにならなくなるかもしれねえんだぞ、奥さん。どうしてくれるんだ」
二人とも夏子のまばゆいばかりの美しさに圧倒されまいと、わざと大きな声を出してすごんでみせた。
夏子は蒼ざめた顔で今にも泣きだしそうに頭をさげるばかりだった。ふと、子供の広美がいっしょでないのに気づいた。
「広美ちゃんは……子供はどこです」
「話がつくまで、あずからせてもらうぜ、奥さん」
「そ、そんな……子供には関係ないわ」
「ふざけるなッ、子供の心配をしてられる立場かよ」
五郎が怒鳴った。
「心配しなくても、子供はちゃんとしたところで元気にしてるぜ。だから、早いとこ示談を進めようじゃねえか、奥さん」
「その前にビールが飲みてえな」
夏子はもうなにも言わず、台所からビールと簡単なつまみを持ってきた。
冷二と五郎はねっちりとした視線を夏子に這わせながら、ビールを飲んだ。
近くで見れば見るほど、夏子はいい女だった。さわやかな笑顔もいいが、今みたいに狼狽して蒼ざめた貌もいい。泣かせてみたくなる衝動にかられた。
じっと見ていると、その美しさと色香にスゥーと吸いこまれそうになる。
「……どう、どうすれば、よろしいのでしょうか……」
沈黙のなかでじっと見られていることに耐えられなくなったように、夏子のほうから切りだした。
「まず慰謝料として八百万」
「それに治療費の見こみが五百万というところかな。刑務所へ行くことを思えば安いもんだろうが」
冷二と五郎はふっかけた。家のなかの様子を見れば出せるはずだ。
夏子は一瞬驚いたように冷二と五郎を見たが、
「わかりました……お払いしますわ……」
夏子は小さな声をふるわせながら言った。
冷二と五郎は腹のなかでニヤリとした。しめて千三百万円となればボロイもうけである。
明日の朝、銀行からおろしてくると夏子は言った。
「奥さん、金の他にもうひとつ補償してもらいてえものがあるんだけどな、へへへ」
「奥さんのお蔭で俺たちは今夜のデートがパーになっちまったんだ。その穴埋めをしてもらいてえんだよ」
「まずは奥さんの裸から見せてもらいてえぜ。酒の肴になるし、目の保養にもなるからよ」
冷二と五郎は初めてニヤリと笑った。
信じられない男たちの言葉だった。夏子は思わず二人の顔を見た。
「わ、悪い冗談はやめてください」
「冗談なんかじゃねえ。こっちは本気で奥さんの裸が見てえんだ。なんのためにビールなんか飲んでると思ってんだ」
「そ、そんな……」
夏子は美貌をひきつらせて、唇をワナワナとふるわせた。これが男たちの本性なのだ。
「こっちのお楽しみをつぶしたからには、その代わりに奥さんが裸になって俺たちを楽しませるのは当たり前だろうが」
「とんでもねえことをしたおわびをこめて裸になりな、奥さん」
ねっとりした視線が遠慮なく夏子の身体を這った。ワンピースの上から、夏子の裸身を這いまわるいやらしく図々しい目である。
夏子は思わずスカートの裾を引き、身体を固くして反射的に立ちあがっていた。
「そんな、そんなこと、できませんッ……バカなこと言わないで」
「俺たちを甘く見るなよ。こっちは奥さんを刑務所行きにしたっていいんだぜ。まあ三年は出てこれねえだろうな」
刑務所という言葉に夏子はビクッとふるえた。千葉のほうに交通刑務所がある話は、誰かに聞いたことがある。
「刑務所行きになりゃ、亭主は会社にいられねえだろう。奥さんとは離婚になるかもしれねえ。子供はいったいどうするんだろうなあ」
「それに示談がまとまらねえわけだから、子供はなかなか帰ってこねえぜ、へへへ、示談成立するまであずかるってことになってるんだからよ、奥さん」
冷二と五郎は夏子をジワジワと追いつめた。
夏子はワナワナとふるえだした。動転して頭のなかが混乱している時だけに、男たちの脅しは夏子にこたえた。
「……ひ、人の弱みにつけこむなんて、卑劣ですわ……」
「弱みにつけこむとは人聞きが悪いぜ。奥さんみたいな美人を刑務所行きにしちゃいけねえと思って、情けをかけてやってるのによ」
「裸になるのがいやならいやでいいぜ。その代わりに奥さんはムショ行き、子供は戻ってはこねえ」
「…………」
夏子はなにか言いかけたが、言葉にはならなかった。
「脱ぐのか脱がねえのか、奥さん」
五郎が凄んだ。
噛みしめた夏子の唇がふるえ、今にもベソをかかんばかりになる。
(こんな、こんなことって……)
夫以外の男に裸身をさらすなど、夏子は考えるのも恐ろしかった。
だが、今の家庭をなんとしても守らねばならない。夫と子供の顔が、夏子の脳裡をよぎった。
もう言われるままに裸になるしか方法はない。夏子はガックリと頭を垂れた。
「……ぬ、脱ぎます……その代わり、裸になるだけで許して」
夏子は泣きそうな声音で、ソファにどっかり腰をおろしている冷二と五郎に哀願した。
「いいとも、奥さん、まずはパンストから脱いでもらおうか」
冷二がニヤニヤ笑いながら言った。
夏子は唇を噛みしめると、後ろ向きになって少し前かがみになり、ふるえる手をスカートの裾から入れる。
「こっちを向いて脱げ。せっかくの綺麗な顔を隠すことはねえ、へへへ」
五郎に言われ、夏子は男たちのほうへ向きを変えるしかなかった。男たちの意図はわかっている。パンストを脱ごうとスカートに手を入れれば、いやでも裾がズリあがって、夏子の官能美あふれる太腿は前がほとんど剥きだしになった。
冷二と五郎はゾクゾクした気分で見つめた。人妻の色香が凝縮した太腿はムチムチと白い。皮を剥ぐようにパンストがズリさげられると、さらに白い素肌がまぶしいほどだった。
「綺麗な脚だな、奥さん。それでいてムチムチと肉づきもいいぜ」
「い、いやらしいことを言わないで……」
夏子はあわててスカートの裾をおろすと、パンストを足首から抜き取った。
さらに背中のジッパーを引きさげ、ワンピースを脱いで白絹の艶めかしいスリップ姿になった。さっきまで蒼ざめていた夏子の美貌が、しだいに赤くなっていく。
「どうした、もうやめか、奥さん」
冷二に非情に言われて、夏子は前かがみになって、隠すようにスリップの片紐をはずし、足もとにすべらせた。
あとは薄いブルーのブラジャーとパンティだけだった。ブラジャーやパンティからはち切れんばかりの肉づきと、細くくびれた腰、そして白く肌理の細かい素肌……その官能美をムンムン匂わせる女体に、冷二と五郎は血走った眼差しを向けてゴクリと生唾を呑んだ。一気に裸にしてしまうのが惜しいような女体だった。
「こ、これ以上は……」
男たちの淫らな視線に耐えられなくなって、夏子はその場にしゃがみこむと、全身を小さくふるわせてすすり泣きはじめた。
今までの冷二と五郎なら、そこで一気に夏子に襲いかかっただろうが、今夜はちがっていた。
「なにもかも全部脱ぐんだ。世話をやかすな」
「へへへ、素っ裸になるんだよ、奥さん」
冷二と五郎はビールを飲みながらあおった。夏子のストリップをじっくり楽しもうというのだ。
夏子は恨めしそうに二人を見たが、唇を噛みしめてフラフラと立ちあがった。どこかで子供の広美が、自分をさがして泣いている気がしたのだ。
もう言われるままに裸になって、一刻も早く示談を成立させ、我が子を取りかえすしかない。
手を背中へまわしてブラジャーのホックをはずし、乳房を覆い隠すようにしてブラジャーを取った。首筋まで真っ赤になって、両脚をガクガクふるわせる。
涙を溢れさせてふるえる夏子の姿は、なんともいえぬ甘美な哀しさと羞恥、そして屈辱感が漂い、それがしっとりとした女の情感となって男たちを魅了した。
「ああ……」
泣き声が夏子の口からこぼれた。
夏子は右手で乳房をヒシッと覆い隠し、前かがみになって片膝をくの字に曲げて、左手でパンティをズリさげていく。
「そんなんじゃ見えねえぜ。まっすぐ立って手をどけて、裸を見せながらパンティを脱いでいくんだ」
「そんな……裸になるだけの約束だわ……」
夏子は乳房と股間を手で必死に覆い隠し、その場にしゃがみこんでしまった。足首のところにパンティをからませたままだ。
「仕方ねえな、手伝ってやるぜ」
腰をあげた冷二はすばやく夏子に近づくと、乳房と股間を覆っている手を有無を言わさず背中へ捻じあげた。
「ああッ、いやッ……そばに来ないでッ」
夏子が悲鳴をあげるのもかまわず、責め具のつまったカバンから縄を取りだした五郎は、重ね合わされた手首にキリキリと縄をかけた。
「あ、あッ……どうして縛ったりするんですかッ、いや、いやですッ」
「奥さんが素直に裸を見せねえからだぜ、へへへ、縄がよく似合ういい身体してるじゃねえか」
五郎はうれしそうに言って笑った。
3
夏子は一糸まとわぬ全裸を後ろ手に縛られ、乳房の上下にも縄を巻きつけられていた。そして縄尻を鴨居にかけられて爪先立ちに吊られた。
「なんていい身体だ……思った通り、いや、それ以上だ」
「こんないい身体は見たことがねえ。顔がよくて、身体もいいってのはめずらしい」
冷二と五郎はうわずった声で言って、じっくりと夏子の裸身を眺めた。
まぶしいばかりに見事な夏子の乳房だった。白くシミひとつなく豊かで、それでいて子供がいるなど信じられない形のよさと肌の張りである。乳首も初々しい色をして、ポチッと小さかった。
そしてなめらかな腹部と細くくびれた腰、いくら片脚をくの字に折っても隠しきれない股間の茂みが、雪白の肌に鮮烈な墨を映えさせて下腹をかざっていた。柔らかくもつれ合い、艶っぽい光を滲ませてフルフルふるえている。
なんとも美しく、官能美にあふれる夏子の女体……冷二と五郎はそれだけで恍惚と酔いしれた気分になり、しばしそのままで眺めた。胴ぶるいがして、体中の欲情がメラメラと燃えあがる。
「ああ、縛られるのはいや……解いて、早く解いて……」
夏子は泣き声をあげ、激しくかぶりを振っている。縛られるなど思ってもみなかったことだ。
男たちはニヤニヤと笑い、舌なめずりをしながら後ろへまわり、夏子の双臀をもじっくりと見つめた。
「うひょ、こいつはいい尻だぜ」
「へへへ、楽しみだな」
冷二と五郎の顔がだらしなく崩れた。夏子の双臀は驚くほどの肉感でムチッと盛りあがり、かたちよく吊りあがって締まっていた。臀丘の谷間も深く、なにか幻想的な、秘境を思わせる妖しさがたちこめている。
その双臀を押し開いて秘められた蕾を剥きだし、浣腸器を突き立ててやったら、夏子はどんな声を出して泣きわめくかと思うと、二人の胸は躍った。
五郎の持ってきたカバンのなかには、女の肛門を責める道具がつまっている。
「……い、いつまでこんな格好をさせておくのですか……約束通り裸になったのですから、縄を解いて」
夏子は後ろを振りかえり、自分の双臀をニタニタと眺めている冷二と五郎に向かって言った。
淫らな視線が夏子の双臀に痛いまでに突き刺さり、ねっとりと舐めるように這う。その感覚に双臀の肉がカァッと灼けた。
「や、やめてッ……いつまでこんな格好にしておく気ですか」
夏子は必死に太腿を閉じ合わせ、臀丘を引き締めた。夫以外の男に裸身をさらす恥ずかしさ、恐ろしさに、夏子は気も遠くなりそうだった。
冷二と五郎は息づまるような官能美にあふれた夏子の裸身を前に、いつになく慎重だった。じっくりと眺めてから、ようやく手をのばした。
「やめてッ……い、いやあッ……」
夏子は悲鳴をあげてのけぞった。虫酸が走るのか、触られる肌をブルブルとふるわせて、総毛立たせる。
「へへへ、なんて肉づきだ。いい尻しやがってよう」
五郎が夏子の双臀をねっとりと撫でまわせば、冷二は夏子の乳房を握りしめて揉みこむ。
「今にも乳が出てきそうだぜ、へへへ、こんないい身体を今まで、亭主の野郎が一人占めしていたとは、もったいねえ話だ」
「いや、いやッ……さわらないでッ、約束がちがいますッ」
激しくかぶりを振りながら、夏子は不自由な裸身を揉みたてた。歯がカチカチ鳴り、泣き声がこぼれて悪寒に背筋がふるえた。
「約束がちがうわッ……」
「ちがやしねえよ。まだ奥さんのオマ×コも見てねえんだぜ」
冷二は夏子の乳房をいじりつつ、もう一方の手をすべりおろして、必死に閉じ合わせている太腿の付け根に触れた。
「やめてッ、いやッ」
まるで火にでもさわったみたいに、夏子はけたたましい声をあげて腰を振りたてた。
それをあざ笑うように、五郎の手が双臀から右脚へ、冷二の手が股間の茂みから左脚へとすべりおりた。
「さ、奥さん、股をおっぴろげてすべてを見せてくれよ、へへへ」
「おっぴろげたら、たっぷりいじってやるからな、奥さん」
夏子はひッと喉を絞った。
やはりただ裸を見せるだけではすまなかった。この男たちははじめから身体をもてあそぶ気でいたのだ。縛られて自由を奪われ、男のいたぶりを拒む術のない我が身が、恐怖をふくれあがらせた。
「いやッ、そんなこと、絶対にいやですッ」
夏子は美貌に恐怖を走らせ、怯えた声で叫んでいた。必死に閉じ合わせた膝が、ガクガクとふるえた。
男たちは笑いながら、左右から夏子の太腿を撫でまわす。
「さっさと開けよ。生娘じゃあるまいし」
「いやッ……変なことはやめてッ、人を呼ぶわよ」
夏子は怯えた目で、必死に冷二と五郎をにらんだ。
こんな男たちの嬲りものにされるくらいなら、警察にすべてを告白して、それなりの処罰を受けたほうがましだ。男たちの手が太腿に這うだけで、夏子は背筋に悪寒が走り、太腿に虫酸が走った。
だが、もう遅かった。
「しようがねえな、へへへ」
五郎が目くばせすると、冷二がうなずいた。ニヤニヤとうれしそうに笑いながら、左右から夏子の足首をつかんで、それぞれ縄を巻きつけて縛る。
「いやッ、なにをするのッ」
「決まってんだろ。奥さんのアンヨをおっぴろげるんだよ」
次の瞬間、夏子の足首を縛った縄が、左右から引かれはじめた。
「そんなッ……い、いやあッ」
夏子は絶叫した。
必死に両脚に力をこめたが、縛られて吊られた身で男二人が相手では、なす術もなかった。
まず足首が左右へジワジワと開かれ、次に両膝が離れていく。
「いやッ、いやッ……助けてッ……」
夏子は泣き叫び、官能美あふれる太腿がブルブルとふるえてあらがいに波打った。まるで両脚が音をたてて引き裂かれていくようだ。
「いや、いやあッ」
泣き声が号泣になり、ひときわ高い悲鳴とともに夏子の太腿がガクンと開いた。
「ほうれ、開いたぜ、奥さん、へへへ」
「よく見えるように、思いっきりおっぴろげてやるからよ」
冷二と五郎は容赦なく縄を引いた。
関節がはずれるかと思うほどだった。
内腿の筋が浮き立ってヒクヒクとひきつった。
「いやあ……助けてッ、いやあッ、いやッ」
夏子は狂ったように黒髪を振りたてて、号泣を喉から噴きあげた。秘められた肉が直接外気にさらされる感覚が、開けっぴろげな我が身を痛いまでに感じさせ、夏子は生きた心地がなかった。
「いい格好だぜ、奥さん」
「どれ、じっくり見せてもらうかな」
縄を柱につなぐと、冷二と五郎は開ききった夏子の太腿の前に、顔を寄せ合うようにして覗きこんだ。
「ひッ……み、見ないでッ……」
夏子はのけぞったまま絶叫した。
男たちが今、どこを覗きこんでいるか、痛いまでにはっきりとわかった。突き刺すような視線に、肉奥がカァッと灼ける。
冷二と五郎の目が、まぶしいものでも見るように細くなった。目の前に夏子の女があられもなく開ききっていた。
内腿の筋に引っぱられて、媚肉の合わせ目は妖しくほころび、しっとりと濡れたピンクの肉襞をのぞかせている。
「綺麗なオマ×コだぜ、奥さん。とても子供一人生んだとは思えねえ」
「やめてッ……いや、み、見てはいやッ……」
「へへへ、じっくり見ると言ったろうが」
冷二は夏子の股間の茂みをかきあげて、もっとよく見ようと媚肉の合わせ目をつまんで左右へくつろげた。
「ひッ、ひいッ……やめてッ、いや、いやですッ……」
夏子は狂ったように泣き、かぶりを振り、腰をよじりたてた。だが、男の手を振り払う術はない。
冷二と五郎はゴクリと生唾を呑んで、思わず胴ぶるいした。
見事なまでの肉の構造だった。幾重にも折りたたまれた肉層とピンクの肉襞……色といい形といい、少しも型崩れしていない。しっとりとして、熟れた人妻の情熱を内に秘めたたたずまいである。
それが男にいたぶられて、どんなふうに燃え狂うのか、想像するだけでも冷二と五郎は股間が疼いた。
すぐにでもいじりまわし、味わってみたい欲望を二人はグッとこらえた。その前にどうしてもしてみたいことがある。
夏子をひと目見た時から、まず浣腸してやろうと決めていた。
「まったくいいオマ×コだぜ、へへへ、すぐにぶちこんでもらいてえんだろうが、少し我慢しな」
「あとでたっぷりと、腰が抜けるまで犯ってやるからよ、へへへ」
ひとまず夏子の媚肉から手を離した冷二と五郎は、今度は後ろへまわった。
「いやッ、もう、もう、いやッ」
泣き濡れた瞳に怯えをいっぱいに表わし、夏子は二人の動きを追った。
「へへへ、今度は奥さんの尻の穴を見せてもらうぜ」
五郎がパシッと夏子の双臀をはたいた。
たちまち夏子の美貌が凍りついた。
「…………」
「おとなしく尻を開いて、尻の穴を見せるんだぜ、奥さん」
「……い、いやあッ……」
夏子は狂ったように暴れだした。おぞましい排泄器官としか考えたことのない箇所を見られるなど、信じられない。
「いやッ、いやですッ……そ、そんなところは、やめてッ」
「あきらめるんだな。奥さんの場合は、まず尻の穴から責めてやることにしたんだよ、へへへ」
と、冷二がせせら笑う。
「おとなしく尻の穴を見せたら、素敵におもしろいことをしてやるぜ、へへへ」
五郎もゆるゆると夏子の双臀を撫でまわしながら言う。
「奥さん。最初に浣腸してやるからよ」
冷二と五郎はゆっくりと夏子の臀丘を左右へ割り開いていった。
調教 菊蕾より毒液注入
1
男たちがどこを見ているか、夏子には痛いまでにわかった。そこが火のように灼け、熱が身体中にひろがっていく。
「そんなところを、いやッ……み、見ないでッ、いやですッ」
夏子は我れを忘れて泣き叫び、ガタガタと腰を揺さぶりたてた。
だが、夏子は後ろ手に縛られた裸身を鴨居から爪先立ちに吊られ、両脚は縄でいっぱいに開かれている。そして冷二の手で臀丘を無残にくつろげられて、逃れる術はなかった。
夏子の双臀はムチッと官能美にはち切れんばかりに盛りあがって、谷間の切れこみが深い。その谷間が割られて、谷底の秘められた禁断の蕾をあられもなく剥きだされているのだ。
「これが奥さんの尻の穴か……可愛いじゃねえかよ」
「へへへ、すぼめやがって。奥さんみたいな美人にふさわしい尻の穴だぜ」
冷二と五郎は目を細くして、くい入るように覗きこんだ。ニヤニヤと笑って、さかんに舌なめずりした。
女の肛門がこんなにも美しいとは思ってもみなかった。夫にさえ触れさせたことのない禁断の箇所だけに、冷二も五郎もいっそう昂る。初めて女の身体を見た時の感動にも似ている。
「いやッ、見てはいやッ……」
夏子の泣き声と身悶えが、一段と激しくなった。おぞましい視線と、鼻がくっつきそうに覗きこんでくる熱い息が感じ取れ、それが夏子を怯えさせる。
「へへへ、よく見えるぜ。奥さんの尻の穴がよ。佐藤夏子の肛門がよ」
五郎がわざと意地悪く言って、ふうっと息を吹きかけて笑った。
「いやッ……いやですッ……」
「尻の穴を見られるだけで、そんなにいやがってどうする、へへへ、これからいじりまわそうってのによ」
「そんなッ……かんにんしてッ……」
夏子がいくら泣いて哀願し、腰を振りたてても駄目だった。
欲望のおもむくままに、まず五郎が手をのばしてきた。指先が夏子の肛門に触れた瞬間、
「そんなッ……ひ、ひいーッ」
夏子はビクンと激しくのけぞって、喉を絞った。おぞましい排泄器官としか考えたことのない箇所を覗かれ、指でいじられるなど思ってもみなかったことだった。
「いやあッ……やめて、やめてッ……ひッ、ひいッ、指をどけてッ」
夏子は喉を絞って泣いた。身体の芯に嫌悪と汚辱感のふるえが走って、胴ぶるいがとまらなくなった。
「へへへ、奥さんの尻の穴の手触りは、いい感じだぜ。ほれ、ほれ、俺の指がわかるだろ」
五郎はうれしそうに笑いながら、指先で円を描くように夏子の肛門を揉みほぐしはじめた。
粘膜が指先に吸いつく。すくみあがった夏子の肛門がヒクヒクと痙攣した。
「いやあ……ああ、いやッ……」
「尻の穴をいじられて、いい声で泣くじゃねえか、奥さん」
「やめてッ……いやッ、いやッ……」
激しく腰を振りたてながら、夏子は泣きじゃくった。五郎の指先が蠢くたびに、泣き声がひッ、ひッと空気を切り裂く。
そして、早くも肉感的な裸身に汗が滲みでてきて、妖しく光った。
「どうだ、奥さん、尻の穴をいじられてる気分は、へへへ、亭主にだっていじらせたことはあるんだろ」
「いやッ……ああ、夫は、そんな変なことはしませんッ」
「それじゃ初めてってわけか、へへへ、こいつはいじりがいがあるってもんだぜ」
五郎はゆっくりと揉みほぐしていく。どんなふうに女の肛門を責めるかは、ヤクザの秘密ショウでの三枝子への浣腸責めを見て、よくわかっている。
「人妻は尻の穴から責めるに限るってヤクザが言ってたが、本当らしいな、へへへ」
覗きこみながら冷二がせせら笑った。
「も、もう、いや……」
あまりにも異常ないたぶりに、いつしか夏子の泣き声も気力が萎えるように力を失っていく。そして、夏子の肛門は揉みほぐされて、ふっくらとふくらみはじめていた。
「あ……ああ……」
夏子はおぞましさのあまりにブルブルとふるえだした。必死にすぼめていた肛門がほぐされて緩んでいく感覚が、今にも漏らしてしまうのではないかという怯えを呼ぶ。その怯えとむず痒い感覚に、カチカチ歯が鳴った。
「奥さんの尻の穴は、ずいぶんと柔らかくなるもんだな、へへへ、とろけそうだぜ」
まるで水分を含んだ真綿みたいな柔らかさを見せはじめた夏子の肛門に、五郎は酔いしれる。
「どれ、ちょいと指を入れさせてもらうぜ、奥さん」
「そんな、やめてッ……か、かんにんして……やめて……」
夏子が悲鳴をあげて腰をよじるのもかまわず、五郎は揉みほぐす指先に力を加えた。
ジワジワと指で縫うように夏子の肛門を貫いてゆく。
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